●今週のあらすじ
ドリームトーナメント決勝戦は5対5で5回の裏、スーパースターズの攻撃が続いている。
ツーアウトランナーなしで7番山岡の打球は左中間へ。
レフト大楽、センター沖田ともに追うが、両者が衝突しボールがこぼれる。
ツーベースヒットとなった。

9番隼はそのまま打席に入る。
ウォーリアーズ微笑監督は隼の俊足を警戒し、外野を前進させる。
一方、スーパースターズ土井垣監督からはエンドランのサインが。

初球、山岡が走った。
ショート先斗は二塁へ入る。
隼は空いた三遊間を狙って転がした。
打球はレフト前へ。

山岡は強引にホームへ突入。
大楽からの返球はタイミング的にアウト。
そこで山岡はキャッチャー真田に向かって体当たり。
真田は山岡を背負い投げで本塁死守、アウトとなった。

6回の表、スーパースターズは引き続き義経。
ウォーリアーズは9番沖田、そして好守備を見せた大楽、真田と続く。

●ツーアウト二塁からのエンドラン
山岡ホームランか、と期待を持たせて終わった先週号。
実際は左中間への当たりだった。
うまく連携できていれば沖田が捕れていたかも。
結果は衝突しての落球だったけど、お見合いするよりいいと言った球道は気持ちがいいね。

ストレートにヤマを張った山岡はともかく、投手の隼にまで球道が打たれるのかよ。
と思ったけど、打ったというより当てたという実況を聞いて、それなら納得と思った。

浅い当たりなのに三塁どまりにしなかったのもあれでよかったんだろうね。
一三塁で岩鬼に期待するのもあっただろうけど、今の岩鬼はまだあのダメージが残っていそうだから。

●体当たりするランナーは投げられる運命
一球が山岡を背負い投げ。

派手にやってくれたね。

えーじだったらこうはいかなかったかもね。

 

牛之介が山岡の体当たりを非難したことに対して、岩鬼が牛之介を非難した。
高校時代、牛之介が山田に突進したことがあったじゃないかと。
回想シーンが描かれなくとも、あのど迫力のシーンは蘇ってくるよ。

(『大甲子園』24巻)
こういうセリフによる回想もいいね。

コアなファンはニヤッとしたでしょう。

ところで、そんな岩鬼も自分のことは棚に上げてるよね。
岩鬼だって明訓対クリーンハイスクール戦で、明らかにアウトのタイミングで影丸に体当たりしたことがあったのだから。
(無印『ドカベン』26巻)

山岡を投げた一球の背負い投げ。
牛之介を投げた山田の巴投げ。
そして、岩鬼を投げた影丸のバックドロップ投げ。
『ドカベン』界ではキャッチャーに体当たりするランナーは派手に投げられる運命にあるようだ。

例外は光高校(現新潟ドルフィンズ)の浪花大二郎。
全速力で突進してきた浪花を岩鬼が立ったままビクともせずに受け止めたことがあった。
(『大甲子園』15巻)
体重180キロの体当たりで吹っ飛ばないなんで、どんな足腰だよって思ったな。

●次回以降の希望的予想
義経の続投はまったく予想外。

隼に代打を出さなかったのはもっと予想外。

隼に代打を出して、義経をセンターに戻し、本職のピッチャーをリリーフに出してくると思っていた。

 

土井垣監督は隼をどう使うのだろう。
再びマウンドに送るのならブルートレイン投法を使えるノーアウトランナーなしの場面が最適だと思うのだが。
もしかしたら、俊足を生かした外野手転向へのお試しなのだろうか。
その場合、義経を投手に回すのだろうか。

ウォーリアーズ目線で考えると、打倒山田を掲げて野球を始めた紫義塾OBにとって、山田を倒した義経は打ち崩したいだろうね。
沖田の天然抜刀流の居合い抜き打法で臨んでほしい。

 

天然抜刀流といえば、その打法を見た初めて見た中西球道はこんなことをつぶやいた。

「里中 山田 いかに達人とはいえそれは剣の道でのこと

あんな構えを通用さすな」

(『大甲子園』24巻)

怒りを感じる発言だ。

その球道と沖田が今同じチームにいる。

実に面白い。