●今週のあらすじ
ドリームトーナメント準決勝第一試合カープ対スーパースターズは3対2とカープがリード。
5回の裏、先頭打者賀間が倒れたところで、8番サルの代打に星王が起用された。
イレギュラーバウンドした打球は剛球仮面を直撃し、仮面が吹き飛ばされてしまった。
こぼれ球をセカンド埴輪が捕ったが、星王は一塁セーフ。

仮面が内野陣に付き添われ、治療へ下がる。
ドクターストップがかかろうとしたが、仮面が直訴し続投となった。

グラウンドに戻ってきた剛球仮面が遂に素顔をさらした。
明訓高校時代の山田らの後輩、渚圭一だった。

高校入学と同時に土井垣監督に下手投げから上手投げに変えられ、一年上の里中を超えることができなかった。
その里中が卒業後も怪我に悩まされつつ、大学、社会人と野球を続けた。
そして今、ついに念願のプロ入りを果たした渚。

素顔をさらし、ライバルである里中と直接対決する場面が訪れた。

●待ってたぞ渚
長い間謎だった剛球仮面の正体が遂に明らかになった。
剛球仮面が登場したのが、2013年11月7日
荒木新太郎も有力だと思ってたけど、渚だったんだね。
一年半くらい前のブログ「剛球仮面があの男ならカープのスタメンはこうだ」で、希望交じりに仮面の正体が渚だと予想したけど、あの頃はまだ自信がなかったな。
今振り返ると、三つ子の登場も当たっていたね。

さて、渚の回想シーンはまあまあ納得がいった。
里中にコンプレックスを抱き、すんなりプロ入りできなかったところはリアリティがある。

でも、渚が剛球仮面に憧れるというのはちょっとしっくり来ないな。
お山の大将の渚は、誰かの二番煎じより唯一無二の渚圭一であろうとするように思える。

長い間くすぶっていたせいで、性格も変わってきたのかな。
素顔をさらした渚は、高校時代の強気な面影は潜めている印象を受ける。
岩鬼と会話しても引けを取らないほどの元気はどこへ行ったのだろう。

そういえば覆面選手は素顔になった途端にキャラが変わることがよくあるね。
『ストッパー』の峠雪太郎とか、『白球の詩』の仏鬼吉とか。

●渚は剛球仮面をいつ見たのか
今回も時系列をややこしくする発言があった。
渚は、甲子園大会で剛球仮面が投げる姿を見たことがあるそうだ。
いつ見たのだろう?一応過去の作品を振り返ってみよう。

渚が池畑に対し敬語を使っているところを見ると、池畑の方が年上とみてまず間違いない。
『ドカベン』シリーズでは、山田達は甲子園に5回出場したが、その期間に東京都の東城大武蔵が出場していたことは確認できない。

一年の夏:東東京、西東京とも不明
二年の春:東は飯田橋実業、西は小金井大付属
二年の夏:東はBT学園、西は小金井学院
三年の春:美松学舎、二死は小金井大付属
三年の夏:東は巨人学園、西は光高校

山田達と一番歳が近い可能性としては、一年の夏に出場していたということだろうか。
もしそうなら、池畑は山田達より2年先輩年上なんだろうね。そのとき渚はまだ中学生か。
少年の渚にとって、剛球仮面はヒーローとして輝いていたのかもね。

●来週以降の希望的予想
新阪神病院の医師によると、アンダースローは人一倍疲れるそうだ。(無印『ドカベン』16巻)
その上、この大事な場面で頭に怪我を負ってしまうとは、やはり渚はツキがないのだろうか。
できれば渚は体調万全で里中と勝負してほしかったね。
その怪我のハンディを乗り越えて全力で里中に挑んでほしい。

この時を待ち望んでいた渚は、土井垣と里中を見返してやろうと闘志を燃やしているだろう。
その勝負を予想してみよう。

初球、これまでの軟投のイメージを逆に利用し速球。
予想を超える速さに里中手が出ず。
これはオーバースローで。
意に反して変えさせられた上手投げでこんなに速い球を投げられるようになったと土井垣に対する皮肉として。

2球目、アンダースローに切り替え、まさかのさとるボール。
自分の決め球をコピーされるとは思わず、あぜんとする里中。
変化球投手としても里中を超えてやるために努力に努力を重ねて習得していたのだ。

3球目、壊れた肩と肘でなりふり構わず、アンダースローで今度は渾身の全力投球。
里中の最高速148キロを超える150キロの速球で空振りの三振。
剛球仮面の名に恥じない投球を見せた。

この三振でカープは勢いづき、勝利投手の権利が得られるよう渚は続投。
しかし、岩鬼への初球、肩が悲鳴を上げ暴投となってしまう。
岩鬼、逆転ツーラン。かつての後輩の健闘を称え、静かに走り出す岩鬼。
カープナインとスタンドのファンに称えられ、渚はマウンドを降りて行った。


と予想してみたものの、できれば山田と対戦するまではマウンドにいてほしいな。
渚対山田もドリームだからね。