吉川晃司全国ツアーのファイナルが名古屋で行われた。

2014年は、デビュー30周年を記念し、シングルのB面(カップリング)を中心とした一夜限りの日本武道館ライブと、ベスト盤「Singles+」を中心とした全国4か所2DAYSライブで魅了してくれた。
B-SIDE+、Singles+では3公演すべて曲被りなしというセットリストだった。
今回のツアー「SINGLES+ RETURNS」は、その3公演からの選りすぐりの曲で構成されると思っていた。
だが、その予想は大ハズレ。なんと、それらの3公演と被りなしのまったく別のセットリストだったのだ。
会場に入ると、天井の照明の骨組みが目に付いた。
Kを二つ融合させた吉川のロゴの形になっている。
開演時間になり会場は暗転、すぐにステージだけが白く照らされる。
BGMもなくメンバーが次々ににこやかに現れる。
最後に吉川が登場、何の演出もなく静かに始まるのは珍しい。
吉川は右手で青い杖を突いていた。
吉川は3月3日にバイクで転倒したとき左足首を骨折したのだそうだ。
ステージ中央のマイクスタンドの横にはドラマーが座る小さな椅子に置かれている。
吉川はそこに左足のすねを乗せ、杖を右側の脇に立てかける。
「お待たせしました」
吉川はそうポツリと語り、ライブが始まった。
1曲目「Miss You」。3枚目のシングル「LA VIE EN ROSE」のB面、「B-SIDE+」ライブで歌ってくれなかった曲だ。
左脚を椅子に預けているが、痛々しさは感じさせない。
2曲目はCOMPLEXの「CLOCK WORK RUNNERS」。
これは作詞作曲とも布袋寅泰。自分が書いていない曲でもライブで歌ってくれるところがいい。
天井では、テトリスの長い棒のような照明が20個くらい扇風機のようにクルクル回り、吉川を白く照らしている。
この曲が終わると、吉川は再びドラムを鳴らすよう要求。
ドラムの菅原が大事な段取りを忘れていたのだ。
そう、吉川晃司ライブ名物シンバルキック。
ウソッ、足を骨折してるのにシンバルキックだと!?
吉川はドラムの横の空中に設置されているシンバルに近づく。
そしてスタンディングのままシンバルキックを決めた。
いつもなら横に一回転して助走をつけ、その勢いでジャンプして左脚蹴っていた。
さすがにその動きは負担が大きいらしく、今回は右足を浮かせずに左脚を蹴りあげたのだ。
レアなシンバルキックを見せてもらったよ。
それにしても、折れた方の足で蹴って大丈夫なのかな。
メンバー紹介の後軽くトーク。
「10数年ぶりのライブハウスなのに、二回の指定席に申し込みが殺到するってどういうことだよ」
「まあ、人生いろいろありました、骨折もしますよ」
などなど。
3曲目「雨のTraveler」、1987年リリースのアルバム「A-LA-BA・LA-M-BA」収録曲。
「あめの とらーべろーーーー」って聞こえる。
4曲目「スリルなモナリザ」、こちらは1985年のアルバム「INNOCENT SKY」収録曲。
改めて聴くとベースが面白い。
5曲目「やせっぽっちの天国」、これもアルバム「A-LA-BA・LA-M-BA」収録曲。
古い曲を固めてきたね。
率直な感想というと、歌声は深みを増していてよかったけど、歌詞もメロディも何か物足りない気がしたよ。
一息いれての6曲目「Dance With Memories」。
物足りないものが何だったのかわかった気がする。
吉川の魅力の一つがロングトーンだと改めて気づかされた。
7曲目「GIVE ME A BREAK」、あまりライブで聴く機会がなかったけどこれは好きな曲。
CDよりちょっとテンポが遅く感じた。
左脚は椅子に乗せたままだが、足踏みのようなステップの動きをしている。
それが気持ちよすぎたのか、2コーラス目の冒頭で「………もHard days night」と歌い損ねていた。
サビの終わりの「アハァ~」のところでは、手首を2回水平に振り払う動きをした。
ファンもちゃんと付いて行ってたね。ファンにも30年の歴史があるんだなと実感したよ。
8曲目「ギラギラ」。
久しぶりに聴いたら、ちょっとメロディが好きになった。
吉川「これ骨折セット」
そう紹介してくれたのは、ライブの初めからずっと左脚を置いているドラマー用の椅子とアコースティックの場面でよく使われるちょっとした背もたれのある丸椅子。
「ときどきこうして血流をよくするんだよ」
そういって、椅子の背もたれに左足首を乗せ、足を水平にする。遠くからでも足が長いのがよくわかる。
吉川「折れてちょうど50日目になりますが、7~8割くっついてます。
主治医に言わせると治りが早いんです。納豆とか牛乳とか飲んでます。それと接着剤用の酒」
EMMA「あれは、こぼれるとベチャベチャしますもんね」
吉川「直接足にかけたいくらい」
どこまで本気かわからないけど、牛乳はいいと強調してたな。
吉川「(骨折して)2週間で泳いじゃった。普通は3~4週間経ってからなんだって。
医者に『(普通より早く泳ぎ始めても)いいでしょ!』って言い続けたら、『好きにしてください』と言われた。
せっかくの骨折ツアーなんで、今度のジャケットは使っていたボルトとナットにしようかなと思ってます。
……
……
……ウケないな」
会場からは力ない苦笑いが聞こえる。
個性的で目は引くけど、魅力的ではないような気が。
「足はだいぶ良くなってきてね、体重かけてもいいし、小走りもできるようになってます。
今度の映画(「さらば!あぶない刑事」)ではあの二人(舘ひろし、柴田恭兵)がいろいろ話しかけてくれるんだよね。
本当にバスローブで出てくるんだよ。『どうせ現場で着替えるんだから、家でシャワー浴びてそのまま来た方がいいでしょ』とか言って。
その後ろで『関係ないね』とか言ってるんだよ」
その光景は目に浮かぶけど、どこまで本当なのかな。
そんな話をしていた頃、会場のどこかで「晃司、倒れた!」と叫ぶ女性の声が。
気分の悪くなった誰かが倒れたらしい。
一旦話を止め、スタッフに助けに行くように指示する吉川。さっきまでのリラックスムードが一変し、ピリッとした顔つきに変わった。
「ごめんね、長く喋りすぎましたね」
確かに。聴き入っていたけど、結構長く喋っていたね。
続きはまた今度。

2014年は、デビュー30周年を記念し、シングルのB面(カップリング)を中心とした一夜限りの日本武道館ライブと、ベスト盤「Singles+」を中心とした全国4か所2DAYSライブで魅了してくれた。
B-SIDE+、Singles+では3公演すべて曲被りなしというセットリストだった。
今回のツアー「SINGLES+ RETURNS」は、その3公演からの選りすぐりの曲で構成されると思っていた。
だが、その予想は大ハズレ。なんと、それらの3公演と被りなしのまったく別のセットリストだったのだ。
会場に入ると、天井の照明の骨組みが目に付いた。
Kを二つ融合させた吉川のロゴの形になっている。
開演時間になり会場は暗転、すぐにステージだけが白く照らされる。
BGMもなくメンバーが次々ににこやかに現れる。
最後に吉川が登場、何の演出もなく静かに始まるのは珍しい。
吉川は右手で青い杖を突いていた。
吉川は3月3日にバイクで転倒したとき左足首を骨折したのだそうだ。
ステージ中央のマイクスタンドの横にはドラマーが座る小さな椅子に置かれている。
吉川はそこに左足のすねを乗せ、杖を右側の脇に立てかける。
「お待たせしました」
吉川はそうポツリと語り、ライブが始まった。
1曲目「Miss You」。3枚目のシングル「LA VIE EN ROSE」のB面、「B-SIDE+」ライブで歌ってくれなかった曲だ。
左脚を椅子に預けているが、痛々しさは感じさせない。
2曲目はCOMPLEXの「CLOCK WORK RUNNERS」。
これは作詞作曲とも布袋寅泰。自分が書いていない曲でもライブで歌ってくれるところがいい。
天井では、テトリスの長い棒のような照明が20個くらい扇風機のようにクルクル回り、吉川を白く照らしている。
この曲が終わると、吉川は再びドラムを鳴らすよう要求。
ドラムの菅原が大事な段取りを忘れていたのだ。
そう、吉川晃司ライブ名物シンバルキック。
ウソッ、足を骨折してるのにシンバルキックだと!?
吉川はドラムの横の空中に設置されているシンバルに近づく。
そしてスタンディングのままシンバルキックを決めた。
いつもなら横に一回転して助走をつけ、その勢いでジャンプして左脚蹴っていた。
さすがにその動きは負担が大きいらしく、今回は右足を浮かせずに左脚を蹴りあげたのだ。
レアなシンバルキックを見せてもらったよ。
それにしても、折れた方の足で蹴って大丈夫なのかな。
メンバー紹介の後軽くトーク。
「10数年ぶりのライブハウスなのに、二回の指定席に申し込みが殺到するってどういうことだよ」
「まあ、人生いろいろありました、骨折もしますよ」
などなど。
3曲目「雨のTraveler」、1987年リリースのアルバム「A-LA-BA・LA-M-BA」収録曲。
「あめの とらーべろーーーー」って聞こえる。
4曲目「スリルなモナリザ」、こちらは1985年のアルバム「INNOCENT SKY」収録曲。
改めて聴くとベースが面白い。
5曲目「やせっぽっちの天国」、これもアルバム「A-LA-BA・LA-M-BA」収録曲。
古い曲を固めてきたね。
率直な感想というと、歌声は深みを増していてよかったけど、歌詞もメロディも何か物足りない気がしたよ。
一息いれての6曲目「Dance With Memories」。
物足りないものが何だったのかわかった気がする。
吉川の魅力の一つがロングトーンだと改めて気づかされた。
7曲目「GIVE ME A BREAK」、あまりライブで聴く機会がなかったけどこれは好きな曲。
CDよりちょっとテンポが遅く感じた。
左脚は椅子に乗せたままだが、足踏みのようなステップの動きをしている。
それが気持ちよすぎたのか、2コーラス目の冒頭で「………もHard days night」と歌い損ねていた。
サビの終わりの「アハァ~」のところでは、手首を2回水平に振り払う動きをした。
ファンもちゃんと付いて行ってたね。ファンにも30年の歴史があるんだなと実感したよ。
8曲目「ギラギラ」。
久しぶりに聴いたら、ちょっとメロディが好きになった。
吉川「これ骨折セット」
そう紹介してくれたのは、ライブの初めからずっと左脚を置いているドラマー用の椅子とアコースティックの場面でよく使われるちょっとした背もたれのある丸椅子。
「ときどきこうして血流をよくするんだよ」
そういって、椅子の背もたれに左足首を乗せ、足を水平にする。遠くからでも足が長いのがよくわかる。
吉川「折れてちょうど50日目になりますが、7~8割くっついてます。
主治医に言わせると治りが早いんです。納豆とか牛乳とか飲んでます。それと接着剤用の酒」
EMMA「あれは、こぼれるとベチャベチャしますもんね」
吉川「直接足にかけたいくらい」
どこまで本気かわからないけど、牛乳はいいと強調してたな。
吉川「(骨折して)2週間で泳いじゃった。普通は3~4週間経ってからなんだって。
医者に『(普通より早く泳ぎ始めても)いいでしょ!』って言い続けたら、『好きにしてください』と言われた。
せっかくの骨折ツアーなんで、今度のジャケットは使っていたボルトとナットにしようかなと思ってます。
……
……
……ウケないな」
会場からは力ない苦笑いが聞こえる。
個性的で目は引くけど、魅力的ではないような気が。
「足はだいぶ良くなってきてね、体重かけてもいいし、小走りもできるようになってます。
今度の映画(「さらば!あぶない刑事」)ではあの二人(舘ひろし、柴田恭兵)がいろいろ話しかけてくれるんだよね。
本当にバスローブで出てくるんだよ。『どうせ現場で着替えるんだから、家でシャワー浴びてそのまま来た方がいいでしょ』とか言って。
その後ろで『関係ないね』とか言ってるんだよ」
その光景は目に浮かぶけど、どこまで本当なのかな。
そんな話をしていた頃、会場のどこかで「晃司、倒れた!」と叫ぶ女性の声が。
気分の悪くなった誰かが倒れたらしい。
一旦話を止め、スタッフに助けに行くように指示する吉川。さっきまでのリラックスムードが一変し、ピリッとした顔つきに変わった。
「ごめんね、長く喋りすぎましたね」
確かに。聴き入っていたけど、結構長く喋っていたね。
続きはまた今度。