格闘系ギャグ漫画の最高峰、宮下あきら先生作「極!!男塾」の2巻が、2014年12月27日に発売された。


1巻では、「男塾」と「私立極道高校」が統合されただけでなく、「ボギーTHE GREAT」のボギーも参戦してきた。
そう、この作品の魅力は、過去の宮下作品とのコラボ、いわば、宮下作品のオールスター戦なのだ。
そこで、2巻に収録されている場面と過去の作品との関わりを振り返ってみよう。

●ナメブ-タ
『激!!極虎一家』のナメブタがまさかの参戦。主役の虎を差し置いての登場には驚いた。
セリフを紙に書いて会話するところは原作どおり。
剣獅子丸との対決では、意外に戦闘力があり二度驚いた。


●フェラーリB・B(ベルリネッタボクサー)
思わぬ形でフェラーリB・Bが登場。
獅子丸の「昔家に親父の愛車があった」というセリフに、筆者の注書きがついていた。
「このことを知っている人はかなりの男塾マニア(笑)」

確かにマニアックなネタだよね。
獅子丸の父、剣桃太郎がフェラーリを乗るシーンは、実は『魁!!男塾』にも『暁!!男塾』にも出てこない。
『天より高く』の14巻に出てくるのだ。
この作品は、『魁!!男塾』より後の時代が描かれていて、男塾を卒業した桃らの成長した姿が見られる。
フェラーリのシーンでは、主人公ソラを待ち構えていた桃が登場するのだが、そのときこの車を「ベルクネッタボクサー」と紹介している。
なるほど、「リ」と「ク」は似てるね。


●「男なら幸せになろうなどと思うな 幸せになるのは女と子供だけでいい 男なら死ねい」
獅子丸が戦いの最中に思い出した、男塾塾長、江田島平八の言葉。(『暁!!男塾』25巻)
これは、獅子丸らの卒業式で塾長が卒業生に贈った送辞の冒頭の部分だ。
戦乱の世を行き抜き、「文化・政治・経済あらゆる分野でこれからの日本のかじをとっていく」男たちを輩出してきた塾長の言葉は重い。


●サガ
2巻の最後に収録されている第18話「時空を超えた博徒!!」で登場したサガは、「世紀末博狼伝サガ」の主人公。
格闘中心の男塾シリーズには馴染まないかなと思ってたけど、内容を読んで納得。
極組の活躍は3巻までお預け。春の発売はが待ち遠しい。


この他に印象に残ったのは、リケソのカグヤ。
簀達賦殺法(すたっぷさっぽう)なる技を使い、超万能細胞で自分の思いにあらゆるモノを変化させてしまう女。
この技を喰らった信長はカエルに変えられてしまった。
元ネタは、2014年話題になったSTAP細胞の一件。
時事ネタを盛り込んでくるところに宮下節が光る。

『週刊漫画ゴラク』での連載は、極組の二組目の戦いの真っ最中。
学帽政やサガがどんな戦いを見せるのか楽しみだ。