中島卓偉(なかじま たくい)が2013年11月から12月まで回った全国ツアーの追加公演が行われた。
BEAT&LOOSE(DVD付)

会場は渋谷duo MUSIC EXCHANGE、O-Eastの下にある。
O-Eastには何度か言ったことがあるけど、この会場は初めて入る。
入場して即嫌いになった。フロアのど真ん中にドデカイ柱が二つ立っている。
名古屋のボトムラインも同じ構造になっている。
どう考えてもこの柱は邪魔。せっかく観に来ているのに、ステージが死角になるスペースがあるってどう考えても不親切だよ。

開場時間になり、客電が落ちる。
深海のような青い光がステージを差すと、卓偉が立っていた。
「泣いたままでいい」からスタート。
ニューアルバム「BEAT&LOOSE」に収録された15曲のうち、唯一ツアーで歌われなかった曲。
カラオケをバックに歌い上げる卓偉に、ファンは息を飲む。
間奏でバンドメンバーが呼び込まれ、次の曲から加熱することが期待される。

歌い終えた卓偉は左手を水平に上げ、ゆっくりとお辞儀した。
バラードから始めて盛り上がるのは、卓偉の歌唱力のなせる業。

「行くぜ、東京ーーっ!!」
2曲目は「UP TO DATE」
ニューアルバムのツアーなのに、早くもいつものナンバーで攻めてきた。
Bメロでギターの耕治がクルッと回転してた。

3曲目「ゲッザファッカゥッ!!!!」、実をいうとこの曲が1曲目だと思っていた。
追加公演はアルバムの曲順に歌うと予想していたけど、全っ然違ったな。
この日の衣装は、BEAT PUNK Sideの緑を基調にしたポップなジャケットだった。
この曲にはLOOSE ROCK Sideのダーク系のスーツの方が似合うな。

4曲目「言えよ」
中間部の「ほら言え」の連発が今日も炸裂。自由な間合いで歌う卓偉に、バンドメンバーがガン見してタイミングを合わせて演奏する。この緊張感がたまらない。

「サイトウダイスケ」では、卓偉がハンカチをちらちら振っていた。
謎だ。タオルを振ってほしかったのかな。

卓偉はライブ開始して初めてトークするのは、5曲くらい歌った後が多い。
2、3曲ですぐに休憩はさむより、一気に歌ってくれる方がファンのテンションも持続できていいよね。

「追加公演はツアーのリアルファイナルと思っています。アルバム全曲やるし、ツアーでやらなかった曲もやるし、15周年前半の集大成を見せちゃいます」
アルバム全曲はもちろん、ツアーとは別の曲も用意してくれるとは嬉しい。

「NO WAY」という唸りからの「口パク禁止令」
なぜだろう、この曲すっごく燃える。
「自分で物書いてねえ奴がアーティストって言えるわけなかろうが ボケ コラ ○すぞ!……」
口パクの歌い手よ、この曲を聴いて震えるがいい。

「久しぶりの曲やります。なんでやらないかっていうと、お前らのノリが悪いから。ノリ悪かったら二度とやらねえからな。よーーーく見とくからな!」
「太陽が沈む前に」だった。
これまでそんなにノリ悪かったかな?この曲元祖「BEAT&LOOSE」ソングだぞ。
少なくともこの日は十分盛り上がった。卓偉も「合格なんじゃねえ?」とほめてくれた。

「ツアーでやらなかった曲、ものすごくパンキッシュなやつ行きます」
「トップランナー」、この曲聴くとオリンピックを思い出す。
もうすぐソチオリンピックが始まる。タイムリーな選曲だよね。
ふとみると、ステージの脇にいるスタッフが拳を振り上げている。いい光景だ。

「I'VE GOT MY SOUL」はちょっと不満。オブリガードのギターの音がちょっと小さかったな。

「次の曲は大合唱できる曲です。テンションが下がるのを見るのがすごい嫌です。
ちょっと下がったときに『なめてんのか』と言うことがあるけど、それを聞きたくてわざと下げたらブチ○すからな!!」

愛ある脅迫に会場中から笑いが起こる。
「インテンポで踊るなよ。裏で踊れ」「PASSION HIP LADY」

躍らせた後は、これもツアーでやらなかった「存在」で合唱タイム。
「すごく好きな曲だから、一緒に歌ってくれた嬉しいです」と卓偉。こちらこそ、この曲は毎回セトリに組み込んでほしいくらいすごく好きです。
そうそう、この曲ではベースの拓磨がしきりにドラムのボンジーに視線を送っていた。
でも、ボンジーはあまり相手にしてなかったようだ。

ドン、ドン、ドン、ドンとドラムが聞こえてくる。とくれば、「RE-SET」
最初の4つの音でイントロ当てができるようになってきた。
この曲もサビが燃えるよね。すごく歌い甲斐がある。

続いて「NOBODY KNOWS」
2コーラス目前のドラムがカッコよかったな。今までにないアレンジだった。

卓偉がハープを吹き始めた。じっくり耳を傾けるオーディエンスに卓偉が突然ブチ切れた。
「ちょちょちょ、なんでボーカリストがハープ吹いてるのにドカンと来ねえんだよ!!」
そんなルールがあったのかよ(笑)
また一つ賢くなったファンを前に、もう一度イントロからやり直す卓偉。
今度は大喝采が起こる。バッチリ決まったね。
思わぬ中断があったがともかく「LOCAL SENSATION」へとなだれ込んだ。
中盤の間奏で、さあもう一度吹くぞとやや大げさなパフォーマンスの後再びハープを吹いた。
教育の甲斐あってここでも大喝采。
まったく世話が焼けるね、と卓偉とファンはお互い思っているのかも。

一呼吸おいて、「誰もわかってくれない」
強烈に孤独を歌うこの曲は、今回もどの曲ともコンボを嫌い、曲の前後に一息いれる。

「15周年は決してあっという間じゃなかった。『太陽が沈む前に』はあの後新しい扉を開けるつもりで書いた。この曲も大合唱曲できる曲です」
「だけどもう一度 それでももう一度」、派手なメロディやリズムはないけど、歌いやすい。まさにみんなで歌う曲。

この後、6月から7月にかけて全国ツアーを回ることが告げられた。
「お前らがわかってないから、中島卓偉の凄さをもう一度確認しに来てください。
お前らの好きな曲やるからね。『あの曲やってください』とかツアー始まってから言うヤツ、どんだけドンくさいんだよ!!」

翻訳すると、「聴きたい曲があったらすぐにBEAT&LOOSE事務局にリクエストください」ってことかな。

「少しは友達連れて来いよ。お前ら友達少ないのわかってるけど。
ZIGGYが渋公でやるとき、俺はZIGGYに興味ないやつ3人連れて行ったよ。
そういうプロモーションお前ら全然やらねえの知ってます」

翻訳すると、「一人でも多く連れてきてください。俺の歌で虜にするから。そうすればいつか武道館もできるよ」っことかな。

「楽しもうぜ、俺たちの曲です」「BEAT&LOOSE」。アルバムリリース前からライブで歌っていたから、すっかり馴染の曲になってるな。

「いたわりマシーン」はアウトロの「いいんでなーい」がひたすら続く。
「どこで終わったらいいんだよ!!」と卓偉が叫び爆笑で終わった。

ここからライブはレッドゾーンを振り切った。
「カモン!カモン!」「さらけだす」「イノヴェイター」「YES, MY WAY」と今の卓偉のライブの締めにはこれ以上ないほどアッパーなコンボ。
一つ収穫があったのは「YES, MY WAY」。
この曲のサビは拳をどのタイミングで上げるのかわからなかった。事実ファンの動きもバラバラ。
そんな中、スタッフは「YES」、「MY」、「WAY」で一回ずつ拳を上げていた。
なるほど、これが正解か。

「10代、20代といろんなことに惑わされたけど、自分を信じていたからこそ今ここにいると思います」
卓偉は自分を信じろと熱く熱く語った。
最後の曲「高円寺」
最後に「Dear my friend」と繰り返した。絞り出すように歌っていた。
そして、演奏が終わる前にステージを去って行った。

バンドメンバーがステージを降りた後も卓偉コールは止まなかった。
会場には「WITHOUT YOU」が流れ、それに合わせてみんなで歌った。
曲が終わり、再び卓偉コールが起こっても、卓偉は姿を見せなかった。

ツアーでもこの追加公演でもアンコールには一切応えなかった。
残念ではあるが、この卓偉コールはきっとDVDには収録されるだろう。
ライブDVDのエンディングには、卓偉を讃える僕らの声が相応しいと思う。

ツアー同様最高のライブだった。
単に2種類のメニューを組み合わせたのではなく、新たにセットリストを組み直してくれたのも嬉しい。
新年最初のライブが卓偉でよかった。
今年もよろしく、THANK YOU ROCK'N ROLL!!

中島卓偉 HERE WE GO! BEAT&LOOSE TOUR『Reprise』~BEAT&LOOSE Side~
日時:2014年1月26日(日) 18:00~20:10くらい
場所:渋谷duo MUSIC EXCHANGE
メンバー:中島卓偉(Vo、Gt)、生熊耕治(Gt)、牧田拓磨(Ba)、安藤祐介(Dr)
01. 泣いたままでいい
02. UP TO DATE
03. ゲッザファッカゥッ!!!!
04. 言えよ
05. サイトウダイスケ
06. 口パク禁止令
07. 太陽が沈む前に
08. トップランナー
09. I'VE GOT MY SOUL
10. PASSION HIP LADY
11. 存在
12. RE-SET
13. NOBODY KNOWS
14. LOCAL SENSATION
15. 誰もわかってくれない
16. だけどもう一度 それでももう一度
17. BEAT&LOOSE
18. いたわりマシーン 
19. カモン!カモン!
20. さらけだす
21. イノヴェイタ―
22. YES, MY WAY
23. 高円寺
SE WITHOUT YOU