●今週のあらすじ
ドリームトーナメント1回戦第2試合、四国アイアンドッグス対阪神タイガースは、0対0のまま7回の表を迎えた。
ここまでどちらもランナーが一人も出ていない。

タイガースのマウンドは引き続き藤村甲子園。
ドッグスは1番マドンナが打席に入る。
セーフティバントを試みるも、甲子園が素早くさばいてワンアウト。

2番阿波はショートライナー。

3番は坂田、得意の通天閣打法が炸裂。キャッチャー前の大フライとなった。
滞空時間が長くスライスがかかった打球は、岩風のミットからこぼれ落ちる。
ついに初ヒットかと思われたが、甲子園が滑り込んでキャッチ。パーフェクトは途切れなかった。

●たまには審判に着目しよう
今週号で主審が敷田氏だと明かされた。
ドカベンではなにかと栄村氏が多いので、ちょっと新鮮な気がした。

とはいえ、せっかくのドリームトーナメントだから、いろんな作品に登場した審判を登場させればいいのにな。
「野球狂の詩」に登場した秀吉、人呼んで「コンピューター審判」は、岩田鉄五郎が登場した新潟ドルフィンズの試合の主審を務めてほしかったな。
というわけで、作品上あまり目立たない審判だが、印象に残る審判員を振り返ってみよう。

土門一塁塁審(「光の小次郎」6巻)
主審前武のあいまいなジャッジが引き金となり、一触即発の雰囲気が漂う武蔵オリオールズ対博多パイレーツ。
事件は5回の裏に起こった。
オリオールズは、ワンアウトで猿谷を一塁に置き、打席には7番友永。
インコースの速球に詰まらされ、送りバントがピッチャー前の小フライになってしまう。
これを投手清見がワンバウンドさせてキャッチ。
すかさず一塁へ投げるが、ランナー猿谷は二塁へ走れず、ダブルプレイとなった。

このジャッジにオリオールズは抗議する。
一塁手柳川はベースを踏んで捕球した後、猿谷にタッチした。
だが、この時猿谷はベースを踏んでいたためアウトにならないはずだと。

これは明らかに一塁塁審土門のミスジャッジ。
にもかかわらず審判団は協議した結果、オリオールズの講義がパイレーツの守備陣がベンチに引き揚げた後抗議だったため、ダブルプレイは成立したとアナウンスする。
この判定をきっかけに試合は意外な展開を見せた。

山口主審(「おはようKジロー」10巻)
Kジロー率いる冠学園は、千葉県大会4回戦で海原高校と対戦した。
1回の表、海原の2番山下は打席に入るとまず主審にあいさつし、母がよろしく言っていたと告げた。
山口主審は、山下を初恋の女性の息子だと認識。
その瞬間、上の空になりミスジャッジを連発する。

ダメでしょ、こんな人が審判やっちゃ。


鬼島大造主審(「ブル」第2話)
旭ダイヤモンズ対東京メッツ戦、主審の名が告げられると、客席から鬼島コールが起こる。
客はダイヤモンズの主砲岩田一振(いわた いっしん)と鬼島の乱闘を期待しているのだ。

一振の初打席、判定を巡って早くも衝突する一振と鬼島。
鬼島は一振の胸ぐらをつかむが、なぜかすぐに意気消沈してしまう。
そのわけは試合途中に明かされるのだが、野蛮そうな鬼島の人間味ある秘密があったのだ。



郷三塁塁審(無印「ドカベン」35巻)
こうして見ると問題児ばかりだが、ザ・プロともいえる判定を見せてくれた審判もいた。

山田らが二年生の夏の地区大会3回戦、明訓高校は宿敵不知火のいる白新高校と対戦した。
不知火はここまで2試合連続完全試合を達成して、強豪明訓に立ちはだかった。

一方の明訓のエース里中も、この試合6回までノーヒットノーランを継続中。
だが、7回の表、先頭打者の不知火にレフト線へ痛烈な当たりを浴びる。
レフト微笑がダイレクトキャッチしたかに見えたが、その判定をする三塁塁審郷が日射病で倒れてしまったのだ。

ボールの汚れやビデオ判定では判断が付かず、追い詰められる審判団。
熟考を重ねた主審が判定を下そうとしたその刹那、郷塁審がふらふらになりながらグラウンドへ戻ってきて、自分の目で見た判定を告げる。
水島作品中、もっともドラマティックな判定の一つだと思う。


●次回以降の予想
さすがの甲子園も三振が取れなくなってきた。
犬飼武蔵から始まる8回の表はいよいよピンチになるかも。

その前に7回の裏、タイガースの攻撃が注目。
予告では三原心平が何やらやってくれそうだが。
心平の足を活かすなら、マドンナのようにバントかな。