part1の続き


卓偉「今から大阪の特別な曲をやらせてください。ロックやってて喉のせいでライブをキャンセルという情けないことをしてしまいました。少しでも挽回するように歌わせてください。

この曲がなかったら、自分は歌っていませんでした。

今日の気持ち、キャンセルした気持ち、ありったけの気持ちを込めて今からZIGGYを歌います」

大阪のために卓偉が選んだのは「I'M GETTIN' BLUE」だった。

2コーラス歌い終えると、自然に拍手が起こった。卓偉は「ありがとう」とポツリ。


卓偉「キャンセルした頃、森重さんからメールをもらいました。『14年間走り続けてきたから今はゆっくり休みなよ。絶対歌えることを信じて、また会おう』という内容でした。

キャンセルしたことで、関西(のファン)から一通も『お前ふざけるな』とい手紙も来ませんでした。そのことも感謝してます」

卓偉はいい先輩といいファンを持ったな。

卓偉「それにしてもライブやってきて『I'M GETTIN' BLUE』が一番盛り上がるってどういうことだよ」

確かに(笑)まあ、今回は卓偉の大阪に向けた気持ちにファンが応えたというところかな。


「OH MY DARLING」では二度目のスペシャルメドレー。

こちらは「ジングルベル」をはさんだ。


「FREE FOR FREE」では何度も「歌ったー」とアドリブで付け足していた。

今の気持ちを歌詞に込めていたんだろう。


「お願い胸騒ぎ」では中盤の「イェイ イェイ イェイ」と歌いながら手を振るところで、「全然聞こえません」とのお馴染みのお叱りをいただいた。

ファンはそれに奮起し声を大きくする。最後には「よくできました」とほめてくださった。


「生きてる意味がない」では見せ場が最後にあった。

「もうーー」と歌い終え、左手で真横をビシッと刺す。シルエットが決まっていた。


「PUNK」「HELLO MY FRIENDS」と大合唱曲が続く。

ハロマイではファンの興奮に煽られたのか、ベースの拓摩がジャンプするシーンも見られた。


卓偉「クリスマスシーズンに俺のライブを選んでくれた感謝してます。最後に感謝の気持ちを込めて大合唱したいと思います」

本編最後は「3号線」

これを大合唱とはちょっと戸惑った。

卓偉の実体験を綴った歌なので、一緒に歌うというより卓偉の独白を黙って受け止める方が似合うと思っていたから。

ギターソロが奏でられているとき、卓偉はマイクスタンドを一旦持ち上げ床にドンと叩きつけた。

この曲は常に渾身の卓偉を見せてくれる。

最後はファンも両手を挙げ、手の平で卓偉を照らすように「Mama, don't go away」と合唱した。


アンコールに促されて戻ってきた4人は、卓偉のハーモニカに導かれ、グレーのツアーTシャツに着替え、フード付きタオルを被って登場した。

卓偉「今回のツアーはブチかます曲ばかりですけど、1曲くらいバラード演っていいですか?」

会場からは歓迎の拍手が起こる。

今年ロンドンに行って感じたことを、と歌い始めたアンコール1曲目は「花束とスーツ」

ふむふむ、これはバラードだったのか。ミデュアムバラードにしても結構テンポが速い。

一緒に歌ってくださいと卓偉は言うが、これは女子に任せるよ。

もし男子限定ライブで演ったら、たぶん盛り上がらないと思う。
でも、いい歌だと思う。卓偉は自分の曲の世界観をこれでまた一つ広げたな。


卓偉「いつか大阪でライブを撮りたいと思ってるんだよ。

俺の地元の福岡はシャイな人間が多くて盛り上がらないんだよ。

大阪を観に来た福岡の人が『すみませんでした』って言ってたくらい」


続いて「お約束行こうぜ!」「イノヴェイター」

バンドライブでは欠かせないナンバー。

イントロでステージ上のライトが激しくフラッシュし、音と光でファンを煽る。

ステージ前の人口密度がグッと上がった。

2コーラス目Aメロのギターは、2拍目と4拍目だけをコード弾きする生熊耕治。

あんなザックリしたアレンジは初めて聴いた。


アンコール3曲目は「お揃いFLAVOR」。例によって近藤マネが乱入。

今回初めてグッズとして販売されたペンライト(サイリウム?)が会場のあちこちで赤く光る。卓偉のライブでは珍しい光景だ。


グッズ紹介の前に卓偉がサンタ姿の近藤マネをいじる。

卓偉「今日は何に乗ってきたの?」

近藤マネ「え?何?何に乗ってきた…?」

卓偉「そこはソリって言おうよ」
ほ~なるほど、そのボケは浮かばなかったよ。卓偉機転がきくね。


卓偉「来年、いつになるかわからないけど、ロックなフルアルバムを作ります。

全国ツアーもまわろうと思ってるし、ZIGGYともツアーを回ります。

どんなスポーツにもスランプがあるけど、ミュージシャンはそういうの(声が出せなくなること)はないと甘くみていたのかもしれない。

これからも、ロックンロールにこだわって歌っていきたいと思います。

最高のありったけの感謝を込めて締めくくりたいと思います」


最後は久しぶりの「ひとりになることが怖かった」

「3号線」と双璧をなす卓偉のなかでも最高峰に重い歌詞のナンバー。

あまりに重すぎて全力を使い切るような曲だから、この2曲は1回のライブで両方歌うことはないと勝手に思っていた。


ところで、このツアーの初日12月8日の赤坂BLITZでのライブ音源「Real Hot X'mas~PUNK ROCKER IS COMING TO TOWN!!!!」が早くもグッズとして発売されていた。

ジェームス山田の 能ある鷹は頭隠して尻隠さず-中島卓偉 Real Hot X'mas


それはそれで嬉しいのだが、ちょっと残念な面も。

問題はその収録されている16曲がこの日の大阪のライブを予告するような内容だったこと。

同じツアーだからセトリが同じになるのは当然といえば当然だが、開演前にそのCDを買ったおかげでだいたいやる曲がわかっちゃったんだよね~。

ま、やる曲がわかっていてもライブは最高に楽しかったけど。


2012年はアコースティックの活動がメインで、後半には声の不調にも悩まされた卓偉。

その間貯めこんだエネルギーは、激しい曲ばかりを集めた今回のバンドスタイルのライブで見事に昇華された。

全26曲。大満足のライブだった。

何より、卓偉の声が帰ってきたことが嬉しかった。



中島卓偉 BAND LIVE TOUR 2012 「Real Hot X'mas~PUNK ROCKERS IS COMING TO TOWN!!!!!」 セットリスト

日時:2012年12月23日(日・祝) 17:30~20:15くらい

場所:BIG CAT (大阪)

メンバー:中島卓偉(Vo、Gt)、生熊耕治(Gt)、牧田拓磨(Ba)、石井悠也(Dr)

SE. PUNK ROCKERS IS COMING TO TOWN

01. LOVE IS BLIND

02. BOOM BOOM BOOM

03. DRIVE MY LIMO

04. コードネーム1091

05. BEAT&LOOSE

06. SMILE

07. ゲルニカ

08. FCUK YOU

09. 悪戯な砂時計

10. LAMBRETTA

11. 気にすんな

12. スピカ ~Looking for my star~

13 風穴メモリー

14. 叫ぶ女

15. I'M GETTIN' BLUE

16. OH MY DARLING~ジングルベル
17. FREE FOR FREE

18. お願い胸騒ぎ

19. 生きてる意味がない

20. PUNK

21. HELLO MY FRIENDS

22. 3号線


アンコール

23. 花束とスーツ

24. イノヴェイタ―

25. お揃いFLAVOR

26. ひとりになることが怖かった

SE. Happy Xmas(War is Over) /John Lennon