DOLL$BOXXは「ドールズボックス」と読むガールズバンド。略して「ドル箱」とも言われる。
ドル箱のHP http://www.dollsboxx.com/
メンバーはこの5人。左から順に…
オレオレオナ:キーボード
FチョッパーKOGA:ベース
FUKI:ボーカル
TOMO-ZO:ギター
はな:ドラム
楽器隊4人は、Gacharic Spin、ボーカルはLIGHT BRINGERというそれぞれ別のバンドで活動している。
その5人が新たなバンドを結成し、2012年12月12日CDデビューも果たした。
そして、東名阪のワンマンツアーも敢行されたのだ。
ツアー最終日の名古屋、会場のE.L.L(通称「エル」)に入ると、客はほぼ男性。女性はほんの一握りに過ぎなかった。
開演時刻19時になると、ステージに掲げられたスクリーンに映像が映し出される。
「2012年、Gacharic Spinというガールズバンドはピンチに陥っていた」と始まる映像は、メンバーのインタビューで構成されていた。
2012年に入りガチャリックスピンのボーカルの休養、脱退により、決まっていたライブを始め、その後の活動をどうするか困ったこと。
それでも、解散という選択肢はなく、前に進むことを選んだこと。
当面のライブは、多数のサポートボーカリストを迎えてライブを行うことを決断したこと。
サポートボーカルの中で真っ先にガチャピンに声をかけてくれたのが、FUKIだったこと。
そのライブの手応えから、いつかまた一緒に音を出そうと約束し、それが実現したことが語られた。
「Gacharic Spin meets FUKI」という言葉で映像が締めくくられると、スクリーンは撤収され、メンバーが登場した。
FUKI「ファイナル行くぜ」
1曲目「Loud Twin Stars」では、TOMO-ZOが右足を軸にステップを踏みながら楽しげにターンをしている。
さらにギターソロではキーボードにちょこんと腰かけて弾いていた。
TOMO-ZOファンには堪らない幕開けとなった。
2曲目「monopoly」では、チョッパーが光る。
1曲目もそうだったが、ピック弾きをしている。スラップ奏者のイメージが強いだけにちょっと新鮮。
さらにサビでは前に出てモニターに乗り、ファン全体を見渡そうとするチョッパー。
高いところに登ったおかげで、この時だけ拝めた絶対領域が眩しすぎる。
2曲終わったところで、あいさつするメンバー。
FUKI「こんばんは、私達がガールズバンド、DOLL$BOXXです。
東名阪ツアーファイナルです。心残りのないように出し切ってください」
チョッパー「改めてファイナルに来てくださり、ありがとうございます。
デビュー記念のツアー締めくくりを楽しんでください」
珍しいスタイルだ。二人があいさつしている。
どちらがメインなのかわからない。これがドル箱のスタイルらしい。
3曲目「ロールプレイング・ライフ」 では、オレオがご機嫌な動きを見せる。
右手を斜めに挙げて、ひじを曲げたり伸ばしたりを繰り返す。
チョッパーも、左、後ろ、右と向きを変えながら演奏していた。
こうした動きのあるステージはガチャピンぽさが見え隠れする。
チョッパー「普通のバンドはアルバムの1曲だけPVを撮りますが、私達は頭おかしいからオリジナル9曲全部PV撮ってます」
これはドル箱の特徴的な活動の一つ。
毎週水曜日ニコニコ動画で1曲ずつ配信しているのだ。
チョッパー「ニコニコ観てたら、みんな好きなこと書きやがって。一つだけ言わせろ。美智子って書くなぁーー!あれ、個人情報だからね」
本名で活動していた頃は封印したいらしい。
FUKI「ワンマンでは時間があるので、カバーもやります」と何曲か披露。
このメンバーで浜田麻里の「Return to myself」は意外の一言。ベースの拍の頭がハッキリしていてオリジナルとは違うテイストに仕上がっていた。
カバーと言えるかどうか、Gacharic Spinの「ブラックサバイバル」も飛び出した。
CDと比べると、サビの「I LOVE YOU FOREVER」のコーラスが前に出ていた。
FUKIが袖に下がり、オレオがショルダーキーボードを持ってセンターに立つ。
これもガチャピンの「ハンティングサマー」、インストバージョンだ。
AメロはTOMO-ZO、Bメロはオレロ、サビは再びTOMO-ZOが奏でる。
ベースソロやギターソロへとつながり、聴かせどころが続く。
と思いきや、オレオがキーボードの上に登ったところから雰囲気が一変する。
TOMO-ZO「ちょっとだけよぉ~、アンタも好きねぇ~」
オレオに加トちゃんが降臨し、悩ましい動きを見せる。
ほどなく会場を沸かせたところで、FUKIがつかつかとステージに現れ、オレオとTOMO-ZOの頭をスリッパではたく。
FUKI「だから、ドル箱ではこういうことしないっていったで。私心入れ替えたでしょ」
この手のおバカなパフォーマンスは、ガチャピンの得意技だが、それと比べるとドル箱はおバカ色が薄目。
はなのドラムソロのところでヒゲダンスのテーマが流れると、4人がヒゲダンスしながらステージに現れてはけていく。
FUKIの顔にはあのちょび髭がつけられている。
舌の根も乾かぬうちにすかさずおバカを演じてきた。
FUKIも含めてどうしてもこういう面がにじみ出てしまうらしい。
おバカな面があった方がライブにアクセントが付いて僕は好きだ。
どの曲だったか忘れたが、チョッパーとTOMO-ZOが息ピッタリのヴァイ回しをビシッと決めるパフォーマンスも健在だった。
アンコールで「Doll's Box」を歌う前に、FUKIはこんなことを語った。
FUKI「ドル箱の歌詞は私が書いています。自分のことを歌詞に書くのはあまりありませんが、初めて書きました。
この曲は人形の気持ちになって書きました。人形は言葉を話せませんが、うちに来てよかったとその子が思っていると思います。
言葉にしないと伝われないことがあります。自分が大事だと思うことは言葉にして伝えましょう。
ミュージシャンにとっての言葉は作品です。それを聴いてもらえれば、伝わると思います」
ライブを終えたメンバーは最後にこんなあいさつをしてくれた。
はな「ボンジュール、メルシーボク……」
なぜかフランス語で話すはな。相変わらず彼女の世界観には着いていけないところがある。
FUKI「ドル箱は作品の中に全部メッセージがあるので、それを聴いてください。PVもあるので、酒の肴にしてください」
アルバムが自信作であることがヒシヒシと伝わってくる。
TOMO-ZO「最後なのでコール&レスポンスしたいと思います」
他のメンバー「!?えっ……???」
TOMO-ZO「TOMO-ZOちゃん」
ファン「かわいいーーーー」
TOMO-ZO「楽しいーーー。言われなくても知ってるよ、TOMO-ZOでした」
ファン「フーーーーーっ!」
他のメンバー「…………」
オレオ「今日はファイナルなのでみんなでジャンプしたいと思います」
そういってキーボードによじ登りスタンバるオレオ。
チョッパー「みんな飛ばなかったらおもしろいよね」
こ、これは難易度高い。
オレオの言うとおり跳ぶのが正解のなのか、チョッパーの言うようにオレオ一人をピエロにするのが正解なのか。
そしてオレオが「3・2・1、FU~~~っ」と運命のジャンプ。
会場はといえば、跳んだ人跳ばない人半々くらいかな。中途半端な結果に終わった。
チョッパー「ワンマンツアーはどこも広い会場でやらせてもらえて嬉しいけど、不安でもありました。こんなにたくさん来てもらえてうれしいです。
今年のガチャピンはピンチから始まったけど、FUKIがいるからこうしてステージに立てています。
ガチャピン、ラブリ、ドル箱、どれも真剣にメンバーががんばっていくので、よろしくお願いします」
前方のファンからチョッパーに花束が贈られた。
その時、ドル箱のリーダーは誰だという話になったらしい。
FUKI「ドル箱はリーダーが誰って決めてないよね。KOGAでいいか?」
チョッパー「んーー、じゃあ、TOMO-ZOで」
TOMO-ZOはまんざらでもないらしく、一歩前に出て右手で敬礼してみせた。
こうして、リーダーはTOMO-ZOに決まった。
大丈夫かな。おかげで2013年もDOLL$BOXXから目が離せなくなった。
DOLL$BOXX First oneman Tour「DOLL$SHOW 2012」 セットリスト
日時:2012年12月28日(金) 19:00~20:45くらい
場所:Electric Lady Land(名古屋)
01. Loud Twin Stars
02. monopoly
03. ロールプレイング・ライフ
04. fragrance
05. Who's Crying Now /Journey
06. おもちゃの兵隊
07. Return to myself /浜田麻里
08. ブラックサバイバル /Gacharic Spin
09. ハンティングサマー Instrumental ver. /Gacharic Spin
10. Armed and Ready /Michael Shenker Group
11. Take My Chance
12. KARAKURI TOWN
13. Merrily High Go Round
アンコール
14. Doll'sBox
15. ヌーディリズム($ヴァージョン)