【注意】ネタバレあります

ROCKミュージカル「ピンクスパイダー」は、
hideの13回忌に企画された
hideの楽曲だけを使ったミュージカル。

名古屋は今日が初日にして千秋楽。

正直、観るまでは
「hide本人がいないし、企画に関わっていないものが面白いのか」
と半信半疑だった。


17時を5分ほど過ぎた頃開演。
愛知県芸術劇場大ホールの1階の上手側で観た。

どの曲の歌声もhideではない。
当たり前の事実を目の当たりにした。

だが、やはりhideの曲を聴くと自然に体が揺さぶられる。
視界に入る客はほとんどが微動だにしない。
信じられん!と驚きつつも、
あまり浮かないようにヘドバンは控えめにしておいた。


「GOOD BYE」では7人の女性が代わる代わる歌っていく。
それを見たら、hideの存在は今でも多くの人の中に
まるごと入り込んでる気がして
なんだかほっとした。

次の「50%&50%」は電車の中という設定のようで
コミカルなダンスが面白い。

ライブの締めの定番「TELL ME」を
前半に持ってくる構成には意表を突かれた。


この後ストーリー上一つの転機が訪れるのだが、
新しい世界が「Hi-Ho」だったのは笑ったな。
結構お気楽な世界だったのか。

「HONEY BLADE」が使われたのも驚いた。
歌詞があの世界観だからね。
ヒロインメルの過去がああだったのかと想像すると言葉も出ない。

zilchの中で唯一使われた「ELECTRIC CUCUMBER」はJの出番。
バックのdefspiralの演奏も一層熱が入ったのがはっきりわかる。


「BLUE SKY COMPLEX」ではある女性キャストが
最後に痺れるほどのロングトーンを聴かせてくれた。
彼女の名前がわからないのが実に実に残念だ。

「MISERY」ではキャスト同士のハイタッチの音が聞こえた。
臨場感抜群。
いい席で観られてよかった。


その後の「FLAME」ではとうとう泣かされたよ。
ヴァイオリンの調べ、
TAKAの伸びやかな声、
何よりもメルがエスの手を握ろうとして
ためらうしぐさ。
このミュージカルの中でも最高の見所の一つだった。


二度目の「ピンクスパイダー」では
一度目とのちょっとした違いがあった。
メルがあのヒデフジコのナレーションをしたのだ。


ここから物語は一気にクライマックスを迎える。
「ROCKET DIVE」では再びJが高らかに歌い上げる。
これに合わせて遂に客席から大きな手拍子が起こる。
Jの役は主人公二人を見守る影の存在、
まさに天国のhideだったのかな、と思う。

「HURRY GO ROUND」では唯一エスとメルのデュエットが聴けた。
この曲ではもう一度miscのヴァイオリンを乗せてほしかったな。

最後は全員がカラフルでカジュアルな衣装で登場し「ever free」。
物語は大団円で幕を閉じた。


困ったことに、歌ってる人に視線を注いでいると、
いつの間にかヒロインが倒れてたり、
なぜこの曲がここで?
と展開についていけないところがあったのも事実。
また最初から観てみたい作品だ。

最後にJが語ったように来年も再来年もずっと続けてほしい。

キャストのみなさん、
スタッフのみなさん、
そしてhide、
ありがとう。