Pestilent Rock(有害ロック) | 聖飢魔IIで英語

聖飢魔IIで英語

伝説のロックバンド、聖飢魔IIの名曲の中で、英語詩になっているものを取り上げ、その翻訳及び解説とオリジナル曲(日本語)との対比などを行うブログ。

第2回は“Pestilent Rock(有害ロック)”を取り上げます。ロンドンライブ版大教典収録の曲で解説します。

Remember! OUR ROCK is A HARMFUL ROCK! (覚えておけ! 我々のロックは有害なロックだ!)

You’re bitching 'bout the right to Rock You won't get an even break From your mother, from your father, Even your minister
(お前はロックを聞く権利で、ぶつぶつ言ってるな ほんのひと時の休息さえ許されない 母親から、父親から ましてや教会の牧師からも)

be bitching 'bout ~はスラング系で「~についてぶつぶつ不平を言っている」、breakは「休息」、minister は「教会の牧師」です。

That's 'cause it's a malady That will send your soul to Hell And you won't return, your soul will burn, No tomorrow for you Oh, Rockers have no obediency Ah mental fallacy
(それはロックが弊害だからだ ロックはお前の魂を地獄へ送る そしてお前は戻れない、お前の魂は燃え尽き お前に明日はもうない おお、ロックを歌う奴に服従という言葉はない あゝ精神的誤りだ)

That's 'cause ~「それは~だからだ」という決まり文句、maladyは「弊害」、obediencyはobedience「服従」のことでしょう。mental fallacyは「精神的誤り」。

Yes, Rock is pestilence Corrupting all society It is treason with no reason It's immorality Oh, Rockers spread noise violently Ah there's no remedy
(そうだ、ロックはペスト(伝染病)なのだ すべての社会を腐敗させる 理由なき反抗であり 不道徳なのだ おお、ロックを歌う奴は騒音を暴力的に広げる あゝ手の施しようがない)

pestilenceは「伝染病」特に「腺ペスト」。corrupt「腐敗させる」、treason「反抗」、immorality「不道徳」、remedy「治療法」。treasonとreasonが見事なライムになっています。

You Guy, R&R! Don't listen to cacophony Your brains will be excrement gradually Why not, R&R!? It's nothing but profanity
(お前ら、ロックンロール! 不協和音を聞くな 脳みそが、だんだん糞になるぞ なんでロックンロールはいけないんだと?  口汚い言葉ばっかじゃないか)

You Guyというのは、「おい、お前」という意味ですが、もちろん「有害」と掛けている表現です。cacophonyは「不協和音」。excrementは「大便」という難語ですが、日常ではshitを使います。
もちろん、shit自体がいろんな意味で使われる“汚い言葉”です。
Why not?(否定文を受けて)は「どうして?」、profanityは「冒涜の言葉」という難語です。

Your minds will be infected with devilry
 (お前の頭は魔術で冒される)

be infectedは「冒される」、nothing butは「~に過ぎない」、devilryは「魔術」です。

Oh, Rockers spread noise violently Ah there's no remedy
(おお、ロックを歌う奴は騒音を暴力的に広げる あゝ手の施しようがない)

Your soul will be damned for all eternity But I can't stop R&R! However they would censure me Your minds will be infected with devilry
(お前の魂は永遠に地獄に落とされる でも、ロックンロールはやめられないんだ!  どんなやり方で俺を非難しようとも お前の頭は魔術で冒されるぞ!)

be damnedは「地獄に落とされる」、for all eternityは「永遠に」。However ~「たとえどんなやり方で~しようとも」という、いわゆる複合関係詞です。
censureは「厳しく非難する」で、censor「検閲する」と紛らわしい語です(ライブ版大教典はcensorとなっていますが、おそらく誤植でしょう)。

日本語版よりも英語版のほうが難しい単語がたくさん使われていて、かなり堅い印象の英語です。大学入試によく出る単語もありますが、あまり出てこない難語(treason「反抗」、excrement「大便」、profanity「冒涜の言葉」、devilry「魔術」など)もあります。

しかし、何度聞いてもデーモン閣下のシャウトはすごいです。「ひるおび!」(TBSテレビ11:00~)で毎週水曜日コメンテーターとして登場する、真摯でおとなしい姿からは想像できません。

最後には「馬鹿にすんなーーー!」という日本語も入った(たぶんロンドンっ子はわからない(>_<))正真正銘のHR&HM(ハードロック、ヘビィメタル)です(*^^*)