第16戦日本GP決勝結果

王冠2位S.フェッテル/レッドブル
2位M.ウェバー/レッドブル
3位F.アロンソ/フェラーリ
4位J.バトン/マクラーレン
5位L.ハミルトン/マクラーレン
6位M.シューマッハ/メルセデス
7位小林可夢偉/ザウバー
8位N.ハイドフェルト/BMWザウバー
9位R.バリチェロ/ウィリアムズ
10位S.ブエミ/トロロッソ




☆スタート直後に多重クラッシュ発生☆


気温26度、路面温度36度前後というコンディションでスタートしようとしていた日本GP決勝レース。波乱はスタート開始時刻である午後3時前から起きた。スターティンググリッドに着くためのレコノサンスラップでL.ディ・グラッシ(ヴァージン)が130Rでクラッシュ。ディグラッシのマシンは大破してその場でリタイアとなり、レースは23台で火蓋を切ることとなった。

波乱はその後も続いた。スタート直後にN.フルケンベルク(ウィリアムズ)とV.ペトロフ(ルノー)が接触。さらに1コーナーで縁石に乗ってコントロールを失ったF.マッサ(フェラーリ)がB.リウッツィ(フオース・インディア)に追突。4台がいきなりクラッシュして脇に止まったため
、レースはここで、セーフティカーが導入される。


セーフティカーが導入されたため、1周目にN.ロズベルク(メルセデス)など4台のマシンがピットイン。タイヤを交換して隊列に戻るが、直後にスタートで2番手にポジションを上げていたクビサの右リアタイヤが脱輪。ヘアピンを立ち上がった12コーナーでマシンを静かに止めてリタイアを余儀なくされている。



☆OVERTAKINIG KING KOBAYASHI☆



小林可夢偉が日本GPで見事な走りを見せた。ハード側タイヤ(プライム)によるロングラン戦法で決勝に挑んだ小林可夢偉。

スタート直後の混乱でジャンプアップしただけでなく、アルグエルスアリ、スーティルをヘアピンでパスし順位を上げる。

また、ソフト側タイヤを履いたドライバーがタイヤ交換のためピットへ入ると、(一時的ではあるが)順位を5番手にまで上げた。


レース前半で見せ場を作った小林可夢偉の日本GPは後半にクライマックスを迎えた。


小林可夢偉のタイヤ交換は53周レースの38周目。
38周目までタイヤ交換を引っ張った可夢偉はそれによって12番手までポジションを落とすが、そこから再びオーバーテイク・ショーを披露する。

路面が出来上がり、燃料の軽くなった終盤にソフト側タイヤ(オプション)で攻める戦略が見事にはまり、44周目のヘアピンでアルグエルスアリを再びアウトから抜くと、直後に白煙を挙げてスローダウンするスーティルを交わした。1周で2台を抜いた可夢偉は再びトップ10にカムバックする。
さらに48周目にR.バリチェロ(ウィリアムズ)をヘアピンで差した可夢偉は翌49周目にチームメイトのN.ハイドフェルトをまたもやヘアピンでオーバーテイク!!

抜き所が少ないと言われる鈴鹿で、5度のオーバーテイクを披露して、7位入賞で飾った。

ガッツポーズでフィニッシュラインを越えると、観客の興奮は最高潮に達し、小林可夢偉は鈴鹿のヒーローとなった。


「本来なら、シケインでオーバーテイクするのが定石なんでしょうが、ウチのクルマはストレートが遅いので、ヘアピンしかチャンスがありませんでした。何度か接触もあって簡単ではなかったですが、うまく行きました。大勢詰め掛けてくれたファンの皆さんに感謝したいと思います」(可夢偉)



☆ベッテルがポール・トゥ・ウィン。タイトル争いはウェバーがリード☆



優勝争いはスタート直後の1コーナーを制したS.ベッテル(レッドブル)が、ピットストップのタイミングでトップの座を譲った以外は終始レースをリード。ポール・トゥ・フィニッシュで今季3勝目を挙げて25点を加点し、タイトル争いで4位から2位タイに浮上。

序盤にクビサがリタイアし、労せずして2位に上がったM.ウェバー(レッドブル)もそのポジションを守ってフィニッシュして18点を加点。220点までポイントを伸ばして、リーダーの座を守った。

3位にはF.アロンソ(フェラーリ)が入り、チャンピオンシップポイントはベッテルと並んで2位タイ。
表彰台を逃したマクラーレン勢がタイトル争いでも4位L.ハミルトン、5位J.バトンと後退した。

またスタート直後に事故を起こした4人のうち、ペトロフに次戦5グリッド降格のペナルティがかせられている。