千年かけても逢いたい人がいます


かつて一世を風靡した大女優、藤原千代子。

三十年前、忽然と銀幕から姿を消し、人里離れた山荘でひっそりと暮らしていた彼女の元に、
時を越えて古びた小さな鍵が届けられる。


あたかも鍵が記憶の扉を開くように、千代子はその遥かな人生を語り始める。漕ぎ出すは記憶の大海。


その物語は、千代子の生きた七十数年という現実の時の流れから溢れだし、
"映画"という幻想の海流を通って、遥か戦国の昔から、見果てぬ未来の彼方まで広がって行く。


彼女の語りに釣り込まれる聞き手は、逆巻く記憶の波間に千代子の可憐な思いを聞き、
穏やかな潮の流れに激しくも一途な情熱を知る。閉ざされた想い出に隠された千代子の秘密とは?

鍵が開いた空白の時は何を意味するのか?錯綜した記憶の彼方にこそ千代子の真実が浮かび上がる。

‐パッケージ解説文より‐

千年女優