
第13戦ベルギーGPの舞台である、アルデンヌ山中にある雄大なサーキット。

コース全長は7.004km、高低差はなんと112mもあります。
スタート後、ピットにいてF1マシンのエンジン音が聞こえなくなるのは、このサーキットぐらいだす

長い直線、低速から高速までのコーナーが上手く組み合わされているだけに、ドライバーの力量もクルマの完成度も極限で試されるサーキット。
エンジンに対する要求も高く、パワーのラップタイムへの寄与率(影響度)も通常のサーキットの2倍ほど。それだけでなく、全開率もモンツァ(イタリアGP)に次いで高いたため、エンジンにとっても過酷な場所だす


サーキットが山の中にあり、またコース長が長いことから、天候が目まぐるしく変わったり、ピット付近では降っていなくても、サーキットの裏側の部分では降っていたりと晴れと雨が混在したりします。
この独特な天候はスパ・ウェザーと呼ばれ、レースの展開を左右する要因の一つとなっています。
1周が長いので、タイヤ交換のタイミングを誤ると大きく遅れることになるのだす


〈20世紀最高のオーバーテイク〉
2000年ベルギーGP。
13周目にトップを走っていたマクラーレンのミカ・ハッキネンがスタブロー(現カーブ・ポール・フレール)の濡れた縁石でハーフスピンを喫した。その隙に2位を走行をしていたフェラーリのミハエル・シューマッハがトップに踊り出る。
その後、そのままの順位で、それぞれ1回のタイヤ交換を行った。
タイヤ交換終えたハッキネンは、1周平均コンマ5秒シューマッハより速いペースで追い上げる。
徐々に差が縮まっていき、40周目と41周目のケメルストレート・エンドの攻防となった。
40周目。
ハッキネンの左フロントウイングとシューマッハの右リアタイヤが接触するバトルとなったが、シューマッハはブロックに成功する。
41周目。
シューマッハが周回遅れのBARのリカルド・ゾンダを左から追い抜こうとすると、
ハッキネンはゾンダの右に動きリカルド・ゾンダごとシューマッハを一挙に抜き去り、逆転

そのままトップでチェッカーを受けた

この3台が並走するオーバーテイクシーンは〈20世紀最高のオーバーテイク〉と報道されF1シーンの内でも最も見応えのあるシーンの1つとなった。
なお、ハッキネンがオー・ルージュからラディオンを抜けるときのスピードは当時として初の300km/hオーバーとなっている。