濱嘉之 「孤高の血族」(文春文庫)

 

東北の地方都市を基盤にした医療一族である池田家は、血縁を築き拡げいき、ソノ威力を増々拡大していった・・・

しかし、優秀で有力な2代目3代目が次々と病に倒れ、やがて血族は次男である利雄が継承するキラキラ

かつては一家の異端児・落ちこぼれでみなされていた利雄は、父の戦友である建築家や《伯父》である者らの表も力も闇の勢力をも活かし、徐々に勢力を拡充し、医療だけでなく政界や官僚をも巻き込む一代王国を造り上げたッまじかるクラウン

しかし、思わぬ処から綻びが忍び寄り・・・

豪華絢爛たる繁栄を誇った一族の原点を、公安インテリジェンス小説の雄が描く

 

 

元々は東北の都市である「青葉の杜」で、代々医師を営んできた池田一家だったが、「女系家族」でもあった為、過去婿養子を迎い入れ一族を繋いできたのだが、2代目となる幸田利宗が大陸で参戦し、戦後はシベリア抑留を体験したが、医師というコトもあり何とか過酷な環境から生き延び帰還したのだが、ソコで培った建築家の大久保との縁が、更に血族を強固にさせ、かの地で栄えていくコトとなるまじかるクラウン

そして息子で外科医の3代目の利邦が跡を継ぐのだが、他には才色兼備の双子姉妹がおり、優秀な医師に嫁いだり、またその下の双子の兄妹がおり、3男の利典は小児科に成ったり、妹も弁護士となり、血の繋がりを広めていく・・・

ただ異端なのが次男の利雄で、成績も振る舞いも見た目も平凡で、6浪の末にナンとか医大に引っ掛かり、その後も進級も成績も試験もパッとしなかったが、《伯父》の援護で何とか免許を取得し、その後渡米し最先端の医療を学んだコトが幸いし、帰国後は名医として権勢を奮うコトとなるが・・・やがて蟻の一穴から綻びが下矢印下矢印

と言う内容・展開で、ナンか山崎豊子の小説の様であるのだが(と書きながら実は彼女の作品は全て未読てへぺろ)、実際の、とある一族の出発から栄光、そして挫折迄を描いている

そしてこれは「ほぼ実話」であり、濱が自分の記憶を頼りに起こした1冊であるとのコトなのだが・・・果たして、ソノ濱自身はコノ作品のドコに位置するのだろうかアセアセ

作中にナンとなくソレらしい調査会社の社長が登場するのだが、あくまで1キャラに過ぎないし、血族とは関係ないのだが・・・はてなマーク

ソノ辺りの解説がないのが、ナンとなく消化不良な感じがするのだが、物語自体は面白く読め、のめり込めたりもするし、興奮もさせられる展開が続くし、実在の人物事柄が出てくるのでリアリティもあるのだが・・・ソレでもやっぱりな感じは否めなかったという、ナンともな感想を抱いた作品だった

コレがツマラナイ・面白くなければ貶せるのだが、スルX2と読めだけに余計に・と言う不思議な感覚が残ってしまった

でもまぁ~、こ~言ったのは【一度限り】であろうから、次のはいつものスリリングな国際スリラーものをお願いしますお願い

 

 

清水義範 「みんな家族」(文春文庫)

 

人にはそれぞれの歴史があり、そして連綿と紡いできた歴史がある

「激動の昭和」に揺れながら、みんな逞しく強かに密かに生き延びてきたからこその今日がある

「2・26事件」の雪の夜に凍えて震えていた幼気な少女は、花占いに夢を乗せガーベラ

虫一匹殺せなかった優しい少年が南方で水漬く屍となりショボーン

一面の焼け野原に立ち尽くしながらも一儲けを企む強か者もありウシシ

みんな人間で家族だったアノ時代を、作者のそれぞれの過去を追い描く、清水家ファミリーヒストリー

 

本作は「オール読物」に’95~'00にかけて連載された作品を、その年に単行本化し↑の文庫化が’04となった作品で、タイトルからも↑の紹介からも分かる通り、作者である清水家の歴史を綴った一代記となっている

↑の濱のもそ~だが、共に「太平洋戦争」を挟むと、一族の一家の歴史が途切れたり歪んだりしてしまうのだが、ソノ辺りは残された記録と作者の記憶+その御両親や親類などからの記憶が足されて完成されている

が、決定的に濱との違いは、環境である

清水家(作中では百瀬家)は、こ~いったらアレだが、ゴクゴク普通の・市井の一家であるコトだ

ただ、やっぱり戦争が間にあるコトで家系が少々複雑化している点だチーン

だが、コノ時期の日本国民は多かれ少なかれ混乱の極みにあった訳だし、死がごく間近にあった時代なので、書かれた百瀬家の物語も格別・特別なモノではなく、実際に私の身内でも訊いたコトがある様な話しであったりしたし、ソノ点である種の共感を得られたりもしたのである 

当然だが、濱の池田家の興亡の物語に共感は微塵も感じなかったが・・・グラサン

子供には必ず双方の親がおり、父方母方の家族~祖先がいる訳であり、ソコから更に紡いで広げていけるのだが、普通の一家ではソコまでは到底辿るコトは出来ない

なので清水も両親・伯父叔母・親戚一同などから少しずつ記憶を集め、コノ1冊にまとめている

NHKで家族の繋がりを追ったドキュメンタリー番組があり人気を博している

実際に私も時々は観ているし、ウチの母親なんぞはコノ番組の大ファンだったりするし、皆さんも一度は見た事があると思う

まぁ~TVだし、調査されるのはタレントや著名人なのでソレだけで「惹き」があるのだが、皆さんもそれぞれのバックグラウンドがあるので、一度調べられて見ては!?などと思ったりもするラブラブ