3月29日 (日) 雨後曇時々薄曇
6時前に起床すると外は雨だった。今日は、フィジー島のスバ港に入港する日だ。朝7時の着岸予定だったが30分遅れで無事着岸した。天気予報通り外は雨で、船客からとうとう最後の寄港地で雨になってしまったと落胆の声が漏れていた。これまで殆ど雨らしい雨に遭っていなかったのだから、そのような声が漏れても不思議ではない。街の灯りが霞んで見えた。
僕の今日のツアーは、「フィジアン・ビレッジ訪問と海水浴」で、最初は7時45分の出発予定だったが、着岸が遅れたので8時に変更になった。62名の参加者が2台のバスに分乗して一路西のサナサナ村へ向けて出発した。このフィジー島は、四国ほどの大きさの島で、人口は約90万人だそうだ。主な産業は、観光業とサトウキビ栽培などの農業だそうだ。西へ向けて約3時間半ほどのバス旅行で、僕は進行方向右側の通路側の席で、窓側にはS.Sさんが座った。S.Sさんは千葉県在住の方で、日頃太極拳の練習などで知っている方だったので気が楽だった。
道路はフィジー島の周囲を回る道路で舗装もされており、バスがややボロでエアコンの調節ができないとか、座席がリクライニングになっていない、シートベルトの装置がないなどの点を除けば、まあまあのバスだった。行きは左側の車窓に島の南側の海が青く開けており、遠くのサンゴ礁に白く波が砕けているのが見え、右側の車窓には時折教会を中心に街と言うか村と言うか人家が集まっているのが見えた。牧草地も広くとられていて、牛や時に馬などが放牧されていた。基本的には緑濃い南の島だ。
目的地のフィジアン・ビレッジ「サナサナ村」に着いたのは、11時半過ぎで、早速村人によるウェルカムセレモニーである「カバの伝統儀式」が執り行われた。これは、カバという生姜科の木の根を乾燥させてすり潰したものを袋に入れて、それに水を加えながら木の成分を溶かしだして乳白色の汁にし、それを飲みまわすという儀式だ。最初に、「ブラ」(今日は)と言って1拍手、カバの汁の入ったお椀を受け取って飲み干し、「ヴィナカ」(ありがとう)と言って空になったお椀を返して3拍手する。三三九度の杯の儀式みたいなものだった。このカバの汁にはアルコールは入っていないが、何かアルカロイド系の化学成分が含まれている為か、舌先が少し麻痺したような感じになった。
その後ロボ料理が昼食として出された。このロボ料理はイースター島でも味わった地面に穴を掘ってバナナの葉を敷き料理するタロイモ、キャッサバ、魚、鳥などを載せて、それをさらにバナナの葉でカバーし、その上に焼けた石を載せてさらに土をかぶせて蒸し焼きにしたものだ。これは結構美味かった。この料理はお祝いの時にするのだそうだ。
その後は、メケダンスの披露があった。これは男女が数名ずつで踊るもので、ハワイアンのメロディーやリズムに似ていた。僕は、デジカメの動画をフルに活用して、これらのダンスをカメラに収めた。ここでは、民芸品的なお土産や貝殻を売っていたが、僕は何も買わなかった。現地通貨はフィジードル(FJD)で現在1米ドル=約1.9フィジードルだったので、彼らの値段の半額が大体US$の値段と言うことで、計算はし易かった。
午後2時前にこの村を辞して、すぐ近くのホテルに併設されている海水浴場に行った。本船を出発する前から海水パンツをはいていたので、準備体操もそこそこに海に入った。海はサンゴ礁の内側なので、時々サンゴ礁を乗り越えた大きな波が来る程度で、静かだった。思い切って沖まで平泳ぎで泳いで行った。本当に久し振りの海水浴だ。泳ぐのも久し振りだ。海はきれいだし、空は曇り空で時々雨もパラつく天気だったので、暑くなくとても気持ちが良かった。2回目にはメガネをかけて泳いだ。I氏が以外と良く泳ぐのには驚いた。合計で約1時間ほど泳いで上がった。着替える場所が無かったので、身体をタオルで拭いて潮の身体のまま帰船した。
今夜は今回のクルーズ最後の寄港地を離れると言うことで、船会社のジャパングレイスから船客にフリーサービスでシャンパンが振る舞われて出港式が開催された。僕はT.RさんやK.Yさんたちと一緒に出港を見守った。
本日正午の本船の位置: フィジー島のスバ港停泊中 南緯18度08分 東経178度25分 (ついに西半球から東半球に入った) 水深16.6m 気温26℃ 海水温27℃ (気温より海水温の方が高い) 風速1Kt (殆ど無風) 波高0Foot 気圧1,018hPa 日の出06:24 日の入18:11
3月30日 (火) 晴
4月5日の自主企画成果発表会に向けて太極拳の練習にも熱が入って来て、朝6時からの30分間では十分ではないとして、お昼の12時半からも特訓が始まった。僕は発表会に出る予定なのでこの特訓に参加した。他には、I氏の「ピースボート体操」にも出る予定にしているが、これは特訓は無いので、朝の80分の体操だけで十分だ。
今日のメインイベントは、ワインテイスティングだった。これは、南アフリカでジャパングレイスが購入した赤白のワイン各4種類と赤白のスパークリングワインのテイスティングをする会だ。従って、合計10種類のワインを飲み比べようと言う趣旨の会で、費用は1,500円だった。20名の参加者があって、殆どが知っている方々だった。会は午後4時から1時間ほどだったが、昼酒ですっかり酔ってしまった。赤いと言ってもロゼの赤さだが、スパークリングワインは珍しかった。南アフリカ共和国のワインは日本ではまだ珍しい存在だろう。ブドウの種類はヨーロッパ産のものと同じなので、味が特に変わっているとは思えなかった。
夜は、僕たちの部屋での飲み会となった。参加者は同室者3名とO氏、I氏、隣室のTakarinの6名。フィジーで仕入れたビールを飲み、さらにライムを絞ってピスコサワーを作り、とうとうピスコを1本空けてしまった。この飲み会の趣旨は、T2氏とI氏の仲直りの会だった。一寸した言葉の行き違いで2人は不仲になっていたので、下船までに仲直りさせようと僕やO氏が仕組んだものだ。今夜の飲み会で多分元通り仲良くなったと思うし、それを期待している。
本日正午の本船の位置: 南緯16度49分 東経175度15分 水深996m 速度15.50Kts 気温29℃ 海水温28℃ 風速15Kts (7.7m/s) 波高3Feet 気圧1,016hPa 日の出06:02 日の入18:27 針路は、一昨夜スバ港を出港後、一旦308度で北西に航行し、昨日は000度で真北に進み、明日の朝、針路を328度に取れば、横浜まで一直線だ。4月1日の夕方までに赤道を南東から北西に横切る予定になっている。
3月31日 (水) 晴
今日は年度末の日だ。この航海もあと1週間あまりで終る。船客もだんだん現実の世界に向けて準備態勢に入ったようだ。別れを惜しむ気持ちと帰国してしなければならない諸事に思いを馳せて複雑な心境なのだろう。
最後の寄港地フィジー島のスバから、今回のクルーズで最大の有名人である湯浅誠さんが水先案内人で乗船してきた。彼は「年越し派遣村」の村長として活躍し、その後も格差問題などで一世を風靡している時の人である。「反貧困」と題して、横浜までの9日間に講演やゼミナールなどを開催してくれることになり、今日第一回目の講演があった。声も良く通るし、話の組み立てや理路整然とした論理展開も上手で、さすが東大出は違うと思った。明日から、ゼミナールも始まるので、僕はそれに参加し、代々木公園でブルーシートのテントに生活されている所謂ホームレスの方々との関わりをどのようにしたら良いか勉強したいと思っている。
夜は、「インドネシアナイト」として、船内で働いている沢山のインドネシア人の皆さんによるインドネシアの音楽やダンスの紹介があった。本船にはレストランのボーイや船室の清掃、さらには機器のメンテナンスなどに多くのインドネシア人やその他のアジアの国々から船員として働きに来ている。インドネシア人の次がフィリピン人勢力だろう。彼ら、彼女らの中には母国語と英語しか話さない人もいるが、熱心な人もいて、日本語を流暢に話す人もいる。それで、今夜はインドネシア人が総勢30名くらい出演して、ガムランや民話に基づくダンスを披露してくれた。
船内は完全に帰国ムードでかつパッキングを開始するなど心のスウィッチも帰国モードに入っているが、こうして船内を盛り上げようとするイベントが続いている。
本日正午の本船の位置: 南緯12度36分 東経167度14分 水深3,817m 速度15.60Kts 気温33℃ 海水温 29℃ 風速9Kts 波高2Feet 気圧1,016hPa 日の出06:37 日の入18:46