先日目撃してきました。これ。エンニオ・モリコーネです。
有名なところではニューシネマパラダイスの愛のテーマでしょうか。
まあ、それはそれは、美しいメロディを作る方で、映画音楽の巨匠ですね。
「続・夕陽のガンマン」なんて映画自体も面白く、その西部劇感はこの音楽あればこそみたいな、臨場感にあふれる曲を作っている方ですな、勝手な感想ですが。
それを生で聞きたくて、参戦してきました。
東京国際フォーラム。
晴れ渡る秋の静かないい夜。
あの素晴らしい曲を聴けると思うと期待に胸が鳩のように膨らんで、ホロッホーホロッホーと秋の空に響きわたっていました。
内容的にはお亡くなりになられた、エンニオ・モリコーネさんが映像で現れ、その作品を作ったエピソードが流れ、曲が始まると、その映画のシーンを流しながら生演奏が聴けるというなんとも贅沢なものでした。
ただ、まあ、オーケストラだし、映画も観たことのある映画だし、アンタッチャブルだったりね、デケデンデケデンデケデンデケデンってなるやつ。
まあそのあたりではよもや泣くまいとたかをくくっていたんだけど、映像を見て、ふと、タクトを振る指揮者の背中を観たら、なぜかホロホロ涙が出てきた。
指揮者は息子のアンドレア・モリコーネさん。
亡くなられたお父さんの映像を観てから息子さんが指揮を振る姿が悲しいって訳でもなく、なんだこの涙はと考えたら、それは考えてもわからない涙だった。
きっと、きっとだけど、映画の中で、殺し合ったり、にげたり、泣いたりしている人間と、目の前で、懸命に想いよ届けと演奏している人達と、懸命に歌う合唱の方達と、そんな人間がなんだか、人間がたくさんいて、それが、なんだか、懸命になって、ひとつのことを、届けとばかりに、腕を、足を、口を動かしながら、指揮者はその背中で、目で必死に演奏者に語りかけている姿を見ていたら、なぜか心がとてつもなく暖かくなって、きっと今までの閉ざされた生活もあるけれど、リモートなどでは得られなかった人間同士の、なんだかそういう、なんだかな、なんだ、ぬくもりか、言葉がない、情熱か、違うか、ああ、こういうときに、もっと短歌とか学んでおけば良かったと思うね、言葉が足りない、今の私には言葉にできない、何かが、この涙の理由なのだ。
これから勉強する。ああ、勉強する。
とにかく全編通して泣けたのだ、感動した!
あ、そういえば、会場に小泉元首相がいた。そっくりさんかな?
とにかく、少し肌寒くなった、夜空の中あったかい気持ちになり、オーケストラの魅力に改めて気づかされた。
音楽って本当にいま自分が思っている以上に奥が深く、そして深淵なものなのだと思った夜でした。
映画万歳!音楽万歳!