「二枚舌は極楽へ行く」 蒼井上鷹 | ジャムのきまぐれ日記

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乃木坂46を応援しています。推しメンは齋藤飛鳥ちゃん。読んだ本の感想なども書きます

二枚舌は極楽へ行く (双葉文庫)/蒼井 上鷹
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続いては、本の紹介(*^▽^*)今回から今年何冊ではなく、現在参加中の「読書でなんちゃって42.195キロ!」でカウントします!ということで、4km目(4冊目)は蒼井上鷹さんの第2短編集「二枚舌は極楽へ行く」ですo(〃^▽^〃)o


今回は前回よりも多い短編5編、ショートショート7編(うち1編の「天職」はショートショートよりは長く、短編よりは短め)の計12編収録の「短編ミステリ」の玉手箱的作品集でしたヾ(@^(∞)^@)ノ今回は、短編の次にショートショート2編を挟んだ構成でどれも切れ味鋭い皮肉味たっぷり(でも、今回はハッピーエンドもあり)の作品ばかりですヾ(@°▽°@)ノ

今回も前回と同じく、ショートショートはあえて解説なしで(読んでからのお楽しみ)、短編5編のみの解説を書きます(^O^)/これを読んで、面白そうだなあと感じた方はぜひ手にとって見て下さい(*^▽^*)


「野菜ジュースにソース二滴」は、事故で死んだ友人の夫が、残された友人たちの中に犯人がいるのではないかと疑い、彼らを集めて野菜ジュースを飲ませる話で、どうやら犯人と思われる主人公の野菜ジュースに毒が入っていたらしく、素直に名乗り出れば解毒剤を与えるというが・・・ ・・・。

これは、友人を疑った男が復讐を企てるという話で、ラストのひねりも皮肉味たっぷりの好短編です(o^-')b


「青空に黒雲ひとつ」は、気ままな生活を送る老夫人とヘルパーの二視点構成。ある日、いつもの通り介護に訪れたヘルパーは老婦人がいなく、代わりにペット散骨を生業とする婦人の孫娘一人がいることに不審を覚え・・・ ・・・。

これも、老夫人とヘルパーの二視点が皮肉なラストを生む絶妙な好短編でしたo(^▽^)o


「待つ男」は、バー「レ二」で117年後に会う約束をした二人の男ヾ(@°▽°@)ノ17年後、片方の男が17年ぶりのその店を約束前日に訪れ、バーのマスターとその友人たちにその話を告白したことが、すべての始まりだった!

果たして、約束した二人は会えるのか?

この作品は、今までとは違い幸せな気持ちになれる好短編ですo(〃^▽^〃)oラストの皮肉は、今までと違った味を出していてそれも良かったです(=⌒▽⌒=)


「ラスト・セッション」は、音楽プロデューサーの兄とミュージシャンの弟の切ない話(ノ_・。)所属していたバンドのメンバーが事故死し、ただ一人生き残った弟はその罪を自分のせいだと思い込み、引きこもりに(w_-;その一年後、復活した弟の関係者のみを集めたシークレットライブの後、彼は自宅で首を絞められ死んでいた!しかも、弟の右人差し指は根本から切断されていて・・・ ・・・。

作品中、もっともミステリ色の強い本作は、「なぜ、右手の小指は切断されていたのか?」という問題で推理小説読者をひっぱるだけではなく、隠された弟の気持ちという部分にも焦点を当てたとても切ない話に仕上がっています。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。今までとは違った皮肉なラストも切なさ抜群で良かったです(o^-')b


そして、表題作「二枚舌は極楽へ行く」は、会社を身勝手に辞めた口先だけの男が殺されるという話。しかも、その前には彼の妻に夫が犬を死なせたとして慰謝料を請求し、夫の涙声まで混じった「振り込め詐欺」まがいの電話がかかってきており・・・ ・・・。

その事件に彼に散々振り回されてきた元同僚が挑む!

これは、蒼井さんらしいユーモアたっぷり、皮肉味たっぷりの好短編ですo(^-^)oこういう口先だけの男て一人はいますよね(笑)それにしても、このラストは最後にふさわしく実に後味が悪いです(笑)あんなトリックも、死に方も絶対やだな(笑)


ちなみに、ショートショートでは「ミニモスは見ていた」が一番のお気に入り(o^-')b


前作「九杯目では早すぎる」とつながる話もあるので、二冊続けてぜひお楽しみ下さい(^_^)v


※累計走行距離:4キロ※