ゲットー。

その意味を調べると、

「ゲットー(ghetto)は、
ヨーロッパ諸都市内でユダヤ人が
強制的に住まわされた居住地区である。

第二次世界大戦時、
東欧諸国に侵攻したナチス・ドイツが
ユダヤ人絶滅を策して設けた強制収容所もこう呼ばれる。

アメリカ合衆国などの大都市における
マイノリティの密集居住地をさすこともある。」

とウィキペディアにあり、

「その他のゲットー」という項目には、
アメリカとジャマイカが紹介されている。

アメリカのゲットーは、
ミューヨークやサンフランシスコの、
移民系密集居住地を指している。

特筆すべきはジャマイカだ。

詳しい紹介はなく、
ただ、

「ジャマイカでは首都キングストンに
トレンチタウンなどのゲットーと呼ばれる地域がある。」

とだけ紹介されている。

「詳しいことは分からないけれど、
ゲットーと言えばジャマイカ」、
とでも言いたいのだろうか、、、

まぁ、
それはともかくとして、
私は「日本のゲットー」とも称される、
横浜寿町に住んでいる。

通称「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所の住人であったが、
今ではそこの管理人などをしている。

余談ではあるが、
「ドヤ」の語源は、
人が住む所が「宿(やど)」であるのに対し、
「人が住む場所じゃない」という意味から、
「やど」を逆から読み「ドヤ」となった。

以前は労働者の町として栄えたこの町も、
今では福祉の町などと呼ばれるほど、
生活保護者が多い。

当時、
バリバリと肉体労働に励み、
飲む打つ買うを繰り返し、
気がついた頃にはすっかり歳をとり、
今では介護の世話になっている老人なども多い。

早朝から酒を飲み、
カラオケを歌い、
博打も盛んで、
喧嘩も絶えない。

それでも妻に言わせれば、
ここはゲットーなどではない。

妻に限らず、
ジャマイカ人ならば誰でもそう思うだろう。

ジャマイカのゲットーと言えば、
トタン板で作られた家々が密集し、
一つのベッドに数人で寝ていたり、
殺人や強盗、
ドラッグの密売なども日常茶飯事で、
ひとたびハリケーンなどが来れば、
屋根が吹き飛ばされたりしている。

それに比べたら、
ここは天国だ。

仕事を選ばなければ、
日雇い労働で日銭を稼げるし、
身体が不自由ならば国が面倒見てくれる。

台風が来ようが、
鉄筋コンクリート造のドヤはびくともしないし、
コインシャワーからはお湯が出るし、
ある程度のプライバシーだって確保されている。

それでも人生に嫌気がさし、
自ら命を絶つ者も少なくない。

なんとも皮肉で、
これほど豊かで便利であるにもかかわらず、
自殺大国などと呼ばれる日本の縮図のようでもある。

この記事を書くにあたり、
私はもう一度「幸せ」について考えている。

結局のところ、
「幸せ」とは個人の価値観であるから、
ここで多くを語るつもりはないが、
この記事を読んだことがきっかけで、
自分の「幸せ」を再考していただければ幸いに思う。

私はもちろん幸せだ。

ONE LOVE