2月14日





バレンタインデーですね(゚ω゚)




ぷりさんだーよ(=゜ω゜)ノ





K-MIXにチョコがたくさん届いてるとの連絡がありました(*´д`*)



みんなありがとう(^ω^)





27歳になった今でこそ



バレンタインデーは



フランクな1日になりましたが







中学生の頃なんて



もーね...


なんかどーしよもなく


神経が尖っちゃって



ソワソワしたもんです((;゚Д゚)!





きっとこのブログを見てくれてる男子女子共に



バレンタインのエピソードは



それぞれお持ちのことでしょう。




ということで



今日は僕の青春において



特に印象に残っている



バレンタインのお話を



1つしましょうかね。





はじまりはじまり~。




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これは僕が14歳だった中学3年のバレンタインデーにおけるトゥルーストーリー。つまり実話です。



<登場人物>

●僕(石野裕己)
●Yちゃん
●K子ちゃん
●K子ちゃんの親友
●サッカー部の友達N君






当時、


僕には好きな女の子がいた。



Yちゃんだ。



タイプ的にいうと...



剛力彩芽ちゃん系。


思い出美化プロジェクト…笑!



ショートカットが似合う
かわいい女の子だった。





迎えたバレンタイン当日




もちろん、そう簡単に



憧れのYちゃんから
チョコをもらえるわけもなく



期待はしていなかったものの



少しガッカリしていた昼休み



ガヤガヤする教室の中で




隣の席のK子ちゃんがヒソヒソ声で




僕に話しかけてきた





『Yちゃんからチョコもらえた?』








そう、K子ちゃんは


僕がYちゃんを好きなことを知っているのだ。




というのも、



K子ちゃんは学年でも目立つイケてるグループに属していて、性格もサバサバしていて男子からも女子からも人気のある女の子。


同じクラスになった時から自然とつるむことも多く、何でも話せるような数少ない女友達だった。





“ダメだねー”



僕がそう答えると…




K子ちゃんは



『そっかそっか…』



『石野が誰からも貰えなかったらかわいそうだなーと思ったから私買ってきたんだよね、あげるよ』



そう言ってK子ちゃんは、ソニプラで買ったであろうチョコレートを僕にくれた。




“おー!ありがとう”



『ねぇ、嬉しい?』



“うん!お前イイ奴だな”



『まーね!元気出たなら良かった!』



K子ちゃんはそう言い残すと



颯爽と席を立ち、教室の喧騒の中に消えていった。






ロマンチックさのかけらもない


昼休みの騒がしい教室の中で


思いがけず貰ったチョコレート




僕は


K子ちゃんと自分の関係性


K子ちゃんのキャラクター


何よりもK子ちゃんは僕がYちゃんを好きなことを知っている



以上のことから



このチョコレートには特別な意味はないとすぐに判断した。





僕は同じ部活の友達N君に



“K子から義理チョコもらったから一緒に食べよーぜ”



と言った。





その瞬間...





ちょうど席に戻ってきたK子ちゃんと目が合った。





その時のK子ちゃんは



今までに見たことがないくらい







悲しそうな顔をしていた...




本当に一瞬の出来事だった。



その時の感覚はまるで時間が止まったみたいで、10年以上経った今でも鮮明に覚えている。




K子ちゃんはすぐに我に返ったのか、いつもの調子で笑いながら



“ちょっと、石野ー!”


“あんたがかわいそうだからあげたのに、みんなで食べたら意味ないじゃん”



と、僕の頭をかるく叩いた。



僕も笑いながら謝り、チョコをカバンにしまった。





平静を装っていたが


僕は混乱していた





K子ちゃんが一瞬見せた


悲しそうな顔...




何か胸に引っかかるモノを感じて


授業が始まっても、隣の席にいるK子ちゃんの横顔ばかりが気になった。




その日僕は家に帰ってからも


胸のつっかえが取れないまま


ずっとK子ちゃんのことばかり考えて眠れなかった。




“あれはなんだったんだろう?”

“まさかな、そんなはずない”



真っ暗な天井を眺めながら、そんな自問自答を繰り返す。




熱くなったり
冷静になったり


よくわからない感情に
思考が支配されていたが




今まで経験したことのない何かが、胸の中で渦巻いていることだけは、はっきりとわかった。




今になって振り返れば、



あの一瞬に



僕は全てを悟ったんだと思う。





あの一瞬に彼女が見せた



悲しそうな表情には



言葉以上の気持ちがあったんだと



今、そう思う。






翌日...


隣の席にはいつもと何ら変わらないK子ちゃんの笑顔があった。


いつもと何ら変わらない笑顔で僕に接してくれた。




“やっぱ、勘違いか…”




僕は少しだけ安心した。




それからの僕は2月14日の出来事はすっかり忘れて



卒業までにYちゃんに気持ちを伝えるべきかをひたすら悩んでいた。






卒業が近くなった3月のある日...



放課後、帰ろうとしていると



突然K子ちゃんの親友から呼び出され



学校の近くのコンビニの駐車場でこんな話を切り出された。




『K子にチョコもらったよね?』



“うん、義理チョコだけどね”



『K子ね、あんたがYちゃんのこと好きだって知ってたから、ギリギリまでチョコ渡すの迷ってたんだよ』




“はっ?なんで?”




『あんた本当に何も気づかない?あんたのこと好きだから渡したに決まってんじゃん』




“はっ?K子が?なんで?”




『K子はあんたのこと困らせたくないから、このままでいいんだってさ。だからあんたには言わないつもりみたいなんだけど、なんかほっとけなくてさ。』




“…………”




『Yちゃんに告るなら告るでいいけど、K子の気持ちはちゃんとわかっといてあげてよ。あれ義理なんかじゃないんだからさ。』






“…………わかった。”







その日の夜、


物思いにふけりながら聴いていたラジオから流れてきた



Jungle Smileの「片思い」



歌詞がK子ちゃんの気持ちに重なって、心にぽっかり穴が空いたような気分になった。



まるでK子ちゃんが歌ってるかのような錯覚すら覚えた。






本当はあの時、気づいてた...


なのに、鈍いフリをした...



複雑な気持ちを抱えながらも
一生懸命笑顔で接してくれた



そんなK子ちゃんが



すごく愛おしかった...



あんなに好きだったはずの



Yちゃんを忘れるくらい



胸が苦しくなった...









卒業を間近に控えた僕たちは


傷つくことに妙に臆病で


二度と戻らない毎日と知りながら


本当の気持ちを隠したまま


空笑いして過ごしてた





青春ってやつは
いつだってそうだ


若さや門出を人質にとって
僕らに白黒つけろと迫ってくる



でも今思い返せば



青春ってやつは


混沌としてはっきりしない
グレーなことばかりだ



心の中で白と黒が渦巻いてる



いや、



もっといろんな色がゴチャ混ぜになっているのかもしれない



そんな時期なんだ




あーでもないこーでもないと
迷いながらも進んでく



なぜあんなことをしたのか?


何がやりたかったのか?



そんな過去を笑い飛ばしながら


時にそんな過去を理解しながら




僕らは少しずつ大人になる...










結局僕は



Yちゃんに気持ちを告げることもなく


K子ちゃんの想いに応えることもなく



中学校を卒業した。














チョコをもらったことはそれまでにも何度かあった...


でもあんまりしっかり考えてなかった...


好きな子にもらえたらいいなくらいの運試しとして捉えてた...






中学3年生の2月14日。



そう、あの日は



僕が生まれて初めて



健気で一途な“女心”に




出逢った日だった。













fin

















ほかの誰かに恋ができるまで
うまく笑えるようになるまで
少し時間かかってしまうけど
君は今まで通り笑っていて

叶わない恋だと知ってても
いつもいちばん近くで
君を見てた...


【片思い/Jungle Smile】












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石野裕己