どもどもヾ(´ω`=´ω`)ノ









みなさん



お待たせしました





『石野、ジブリ愛を語るpart2』







本日は



興行収入日本歴代1位




アカデミー長編アニメ賞受賞




ジブリ作品の中でも



人気が高く



一際難解で



解釈のわかれるという




「千と千尋の神隠し」について





僕なりの考えを語っていきたいと思います。




これを読みながら作品を鑑賞してもらえたら何よりです。






僕はいかんせん


神道やらアミニズムに


見識がほとんどないので



経済学部出身らしく


経済や社会問題を中心に



「千と千尋の神隠し」に


切り込んでいきたいと思います。



いざっ(*`Д´)ノ!!!!










『千と千尋の神隠し』



■①バブル景気と失われた10年■


まずこの作品はなんといっても導入がすばらしいです。



冒頭から時代を象徴するような風刺が効きまくってます。




まず千と千尋を考えるうえで、時代背景に目を向けていきましょう。



この映画は2001年公開


企画が立ち上がったのは
おそらく90年代でしょう



つまり



千と千尋の神隠しは



バブル崩壊後の

「失われた10年」に

制作・公開された作品であること



これを大前提とします。



そしてもう1つ



宮崎駿監督自身が
インタビューで



この作品は


夜の歓楽街で働く女の子たちに


インスピレーションを得て


制作したと語っていますので



これも紐解くためのヒントとしましょう。







まず着目したいのは



千尋のキャラ設定です。



ジブリにおけるファンタジー作品の他のヒロインと比較しても


千尋は


特別な力や才能もなければ
美少女でもありません


至って普通の子です。



この普通の子である



あまりに等身大であるという点は



非常に重要です。







というのも



宮崎駿監督がこの作品の中で描きたかったものの1つに




豊かな時代に生まれ
何不自由ないように
無菌状態で育てられた
潔癖で無気力な子どもたちの


「生きる力の再生」という



項目があるからなんですね。






それではまず




トンネルの向こうの
不思議で混沌とした世界を


現代社会と仮定しましょう。


つまりバブル崩壊後の


「失われた10年」です。




そして




千尋の両親の行動を


バブルの熱に浮かされ
道を間違いながら
猛スピードで突き進んでいった


日本社会への風刺だと


仮定しましょう。





千尋の両親は


高級外車に乗ってますね。


バブル景気における高級車ブームを表しているのでしょうか?


『Audi A4 1.8Tクアトロ』


いい車です。



母親は見るからに
ブランド物が大好物っぽい
着飾ったタイプの人間です



父親はその高級外車で


道を間違えたかもしれないと思いながらも


何かに取り憑かれたかのように


猛スピードで悪路をぶっ飛ばし


いよいよ行き止まりに達します。




そして



このトンネルの入り口で



ガタイのいい父親は



『なんだモルタル製か』
『けっこう新しい建物だよ』



と言います。



この発言、明らかに...





ゼネコン関係のにおいが
プンプンしてきますね。




バブル景気の中


建設ラッシュと公共事業でゼネコンはかなり潤っていた業界です。



しかしバブル崩壊による


経営悪化に伴い
手形不渡りが続出



ゼネコン破綻が相次ぎました。


それにより下請けも雪崩式に倒産。



融資先企業から回収が難しくなった銀行は


膨大な不良債権を抱え

いくつかは経営破綻




株価下落により大損害を被った

巨大証券会社もまさかの経営破綻。




その後はみなさんも
ご存知の通りですね




暗黒の平成不況



「失われた10年」の



はじまりです。






さて



トンネルを抜けてすぐ


またも父親はこんな興味深い発言をしてくれます。



やっぱり間違いないな!
テーマパークの残骸だよこれ。
90年頃にあっちこっちで
たくさん計画されてさ…
バブルがはじけて
みんなつぶれちゃったんだ




はい。


確定ですね。



まずここまでを整理しましょう。



両親=バブル景気の日本社会


不思議な世界=失われた10年



間違いありません!





何不自由のない暮らしで
わがまま言っても許される
普通の小学生だったのに


急に豚にされてしまった両親を助けなければいけなくなった千尋は



さしずめ



好景気で親に守られすぎて
「生きる力」が発達しないまま



急に親世代の日本経済のツケを払わされるはめになった


現代の子どもたち


とでもいいましょうかね。




こういう


無菌状態で育った子供たちが


いかにして混沌とした現代社会を生き抜いていくのか





「千と千尋の神隠し」の神髄は




そこにあります。





【2】に続く