こんにちは。大阪南船場のお節介税理士@野口たかしです。
今日は日曜日ですが、納税協会の研修講師(インボイス制度と電子帳簿保存法)を依頼されていて、その資料の修正のために事務所に出勤しています。
家にじーっとしていると暑くて暑くて。事務所なら、一人でエアコンにあたって涼しい(笑)
さて、この「作成コーナー開発秘話」も終盤となってきました。
あと3回ほどで、この長い物語も終わりになるかな・・・。
今回は、もう1年、国税庁に慰留させられたお話です。
もう私の使命は終わった。大阪に帰りたい!
前回のブログで、「オフライン版」の開発のことを書きました。
オフライン版を開発した翌年、私は、運営担当補佐に昇格。
全国の事務運営を指揮する立場になり、当然、「オフライン版」の普及に力を入れました。
まだタッチパネルは残っていましたが、徐々にオフライン版の利用者も増え、ほぼ現在の体制を構築することができたのではないかと思ってます。
単身赴任も4年となりました。病気もせず、よくここまでやってこれたなと。もう、私の使命=ミッションは終った。
もう大阪に帰らせてくれ~!たこ焼きやお好み焼きが恋し~い!!
国税は、7月が異動期。
その前に、自分の異動の希望書を出すのですが、当然、「大阪局での勤務を希望」と書かせていただきました。
e-Taxが導入され、雲行きが怪しくなった・・・
平成16年6月、国税電子申告「e-Tax」が導入されました。
導入当初は、申告手続きの「一手段」、使うなら使って、って感じでした。
当時のK国税庁長官も、作成コーナーのユーザーで、「e-Taxより、作成コーナーの方が便利だよね。」と言ってました。
平成18年になって、国税庁企画課がバタバタするようになりました。
私は、確定申告期で忙しく、何をバタバタしているの?って感じで見ていました。
ある日、総務課の後輩から「アクションプランで大変」と聞き、「アクションプランって何なん⁉」と思った次第。
そのアクションプランの内容を確認したところ、政府から、「国税庁は多額の税金を投入してe-Taxを導入したのに、全然普及させていない。税金の無駄遣いも甚だしい。今後、5年間で、普及割合を50%にせよ!」と言われたのでした。
5年間で50%の普及割合にするために、どんな施策をすれば良いのか考えろ!と長官からのご下命。それが、アクションプランだったわけです。
えーっ、以前、長官は、「作成コーナーの方が便利」って言ってたじゃん!
それが急に、e-Taxに寝返った⁉
でも、私は大阪帰るから、あとは勝手にやって!って思っていました。
ある日、課長からお呼びが掛かった
平成18年6月初旬。
そろそろ、引っ越しの準備をしないといけないなと思っていた私。
ある日、U個人課税課長が、「ちょっと、野口ちゃん、来て」と、課長席に呼ばれました。
U課長からは、「野口さん、今日空いてますか?私に付き合って」とのこと・・。
仕事を早めに切り上げて、六本木へ。
どこに連れていかれるのかと思ったら、あの高級焼肉「叙々苑」!
U課長自らお肉を焼いていただきながら、「野口さん、よくここまで仕事をやってくれた。ありがとう。お疲れさんでした。」
私は、「そうか、4年間の単身赴任生活の慰労をしてくれるのか。ありがたや~」と思ったのですが、U課長から出た言葉は、
「悪いけど、もう1年だけ残って欲しい。今、電子申告が大変なことになっていて、その担当になって欲しい」
ええぇ~っ、あともう1年単身赴任せなあかんの?
その言葉を聞いた途端、高級焼肉が喉に通らなくなってしまいました(+_+)
(編集後記)
e-Tax導入当初の普及割合は、0.3%
年間の運用費は、○○億を超えていたと思います。
確かに、税金の無駄遣いであったわけですが、あくまで申告手続きの「一手段」ということで導入したもので、強制するものではないわけです。
ところが、税関が開発した「電子パスポート」の利用者がほとんどいないとのニュースが取り沙汰され、他省庁のシステムはどうなんだ!?ということになり、e-Taxに飛び火。
政府としては、一番まじめな国税庁に普及を任せば、政府全体のデジタル化(当時は、「電子政府の実現」と言ってました)が進むだろうと思ったのかもしれません。
しかしです、5年で50%普及させよ!というのは、無茶振り。
更に、その普及プランを、私にさせるというのは、もっと無茶振りだと思いませんか⁉
ということで、単身赴任ラストの1年、私に襲いかかったミッションインポッシブルについて、次回以降に書きたいと思います。乞うご期待!!