春先、まだ緑が一面に生え揃う前、
川の土手や空き地など日当たりの良い場所で
あちこちに顔をのぞかせるのが
『ツクシ(土筆)』です。
ツクシが枯れた後は、
細い鮮やかな緑色の葉であるスギナ(杉菜)が
出て地面をカバーするように群生します。
ツクシは繁殖するための役割を担った、
地下茎で繋がっているスギナの一部なのです。
「スギナ(杉菜)」の名前は
文字通り、杉のような葉をしているからですが、
「ツクシ」の名は、
スギナに「付く子」や「継ぐ子」から、
また漢字表記の「土筆」は、
土から出てくる姿形が筆に似ていることから
ついた名前です。
因みに
スギナの学名のEquisetumは
馬の毛という意味になるそうで、
なるほど!!
と納得してしまいます。
スギナは
トクサ科トクサ属の胞子植物であり、
キノコやシダと同じ種類になります。
花が咲かない代わりに、
胞子茎であるツクシが伸び、
伸び切ると先の部分の胞子のうの穂が開き、
緑色の粉状の胞子を放ちます。
胞子は地面に落ち、
発芽して前葉体となり
スギナへと成長していきます。
スギナは
緑の葉で光合成をして栄養を蓄え
地下茎を伸ばし、
またツクシを形成していきます。
土の中から力強く伸びるツクシは、
食べることができる身近な春の山菜の1つです。
なるべく伸びすぎていない、
胞子のうの穂が開かず
粉がまだ出てこない内のものを摘み、
茎の部分の所々にある
茶色の袴の葉をくるりと取り除きます。
軽く茹でてあく抜きをした後、
だし汁で煮て卵とじにしたり、
きんぴらのようにするなどが
一般的な食べ方です。
胞子のうの部分には
少し苦味がありますが、
それが春を感じさせる、
季節ならではの味覚です。
