今年、無敗のクラシック三冠馬が2頭誕生した。

 

とんでもないことになった。

 

だーれもこんなクラシック経験がない。

 

めでたい事の裏側にどうにも

何かを言いたい人が多いらしい。

 

着差が小さいからだろうか。

世代間レベルとやらだろうか。

 

ま、認めたくないという衝動が沸き起こる

気持ち、わからんでもない。

 

15年前、ディープインパクトが無敗のクラシック三冠馬に

なった当時、似たような衝動にかられた自分がいた。

正直、スレていた。

 

なんというか、

とにかくみんなが強い、スゴイと賞賛する対象を

認めたくない。そういったものに徹底的に背を向けてこそ

といった心意気めいたもの。

 

物事を斜めから見たり、裏側から見たりする

視座ってのは大切。

 

特に競馬の予想なんて実はそういった視座

の塊だったりする。

 

世の中、真正面からしか物事を見ないことの

方が遥かに怖かったりする。

 

徹底して斜めや裏側を見つめようと

必死だった。

 

その視座は今も大事だ。

それがなくなったら、競馬なんて面白くない。

 

しかしながら、そういった多角的な視点に

真正面からとらえるといういわば王道の視線を

忘れてしまいがち。

 

スレて、ディープインパクトに背を向けた私には

真っ直ぐ見つめる姿勢がなかった。

 

多角的な視点とは、

真正面から見つめることも含まれるもの。

そこ、ようやくですがね、持てるようになりました。

 

いいものはいいと言える

素直さは丸くなったと評す向きもあるけれど、

 

丸くなると、全方位的なアンテナを

張ることができる、それに気づく。

 

いやぁ、コントレイルもデアリングタクトもお見事でした。

 

理想的な競馬で秋華賞を勝ったデアリングタクト。

距離の壁に苦しみ、相手の土俵で相撲を取って

それを封じたコントレイル。

 

今度はこの2頭が戦う場面が楽しみだ。

 

そんなあっさり実現しなくていい。

 

いったいどっちが強いんだと

少しヤキモキさせ、それを想像する、みんなで

語り合うぐらいの時間が欲しい。

 

競馬って

やっぱり面白い。