有馬記念に限らず、競馬をやってるとたまに聞かれることがある。
「今度のレース、どれが来るの?」
会話の取っかかりみたいなもので、そこに一生懸命、自説を
披露しても仕方ない。相手はもう聞いていない。
だが、適当にあしらうわけにもいかない。なので、
「あっ、そのレースなら○○○○ですよ、鉄板です」
と簡単にかつそれらしく答えるようにしている。ま、向こうは
本気で私の予想を聞いているわけではないので、こんな感じに
している。
ところが、私は実は当日のパドックを見ないと最終結論が
出せないのだ。馬体を見る、相馬眼があるわけじゃないが、
どうやら競馬は能力があってもその日に全能力を発揮できる
競技ではないらしいと分かってから、当日の気配を重視している。
もちろん、主観である。自分が見て自分で決めるだけだ。
魚を見て良し悪しを判断するような仕事をしてきた影響だろう。
そういう意味で2015年の有馬記念は会心だった。
パドック映像を見た瞬間に、
あ、ゴールドアクターが来る
と閃いた。根拠はない。閃いただけだった。
結果的に私は2015年有馬記念はハッピーエンドを
迎えた。しかし、週中の会話にはゴールドアクターは
ひと言も出していなかった。キタサンブラックでしょうねぇ
って答えていたわけで……。
有馬記念を人気薄で当てるという名誉を得ながら、
それを周りに言えない、切ない思い出が甦る。
今年の有馬記念のパドックで何か閃かないものか。