織田信長は野望がゲームのタイトルつけられるように日本史史上において野心家の代表とされている。
尾張守護斯波氏の家臣で守護代だった織田大和守家のさらに分家の清洲三奉行という大名とは遠い家柄から天下統一を成し遂げようとした。破竹の勢いで一気に駆け上がったように描かれる。
実際は一向宗の執拗な抵抗や追放した室町幕府将軍足利義昭が武田氏ら各地の大名への呼びかけによる包囲網など険しい道のりだった。
数々の家臣を戦乱で失い、同盟と裏切りを積み重ねた末に天下を手中におさめる寸前まで行きながら本能寺で側近中側近の明智光秀に裏切られ横死した。
力を持って結ばせる盟約はいつ裏切りで手切れとなるか分からない。
競馬のスプリント界は信長登場前の群雄割拠に似ている。スプリンターズステークスの時計水準1分7秒前半を出走馬中で今年に入ってクリアした馬は函館スプリント1分7秒3セイウンコウセイ(4着)とファインニードルの水無月特別1分7秒1(1着)しかいない。
前哨戦のセントウルステークスが1分7秒5であり、北九州記念も小倉で1分7秒5、アイビスサマーダッシュの勝ち時計は翌週の1000万下特別と変わらない。どの馬も覇権を手に入れる圏内にいる。
イメージの中の織田信長の如く快進撃を続けてGⅠ挑戦ならば評価は下げていたかもしれないファインニードルは北九州記念で重賞の壁にきちんと跳ね返された。その敗戦を経てすぐにセントウルステークスで結果を出した点は逞しさを感じる。
織田信長は金ヶ崎で浅井朝倉勢を前に逃げ帰りながら返す刀で姉川、小谷できっちり借りを返している。同じ轍を踏まない。織田信長に学べる事は失敗を成功で塗り替えられる力にある。
ファインニードルがセントウルステークスで2着につけた着差は0秒2、短距離の世界では完勝と言える。記録1分7秒5には不安があるが、他の出走馬に恐れるような記録を持った組がいない。ファインニードル雄割拠のスプリント界をここで抜け出す。