ここで、慶乃川さんの話がでてくるとは思わなかった。
「信楽はええ土や」「さて、何がええんでしょ」
小さかった喜美ちゃんにはそんなことわからへんよね。
あの時のことがこんなに大事になってくるとは私も思わなかったわ。
スカーレットの最初の頃の話。
わからなかったことといえば、あのたぬきの表情。
今見れば慶乃川さんのたぬきは個性的な表情してることがわかる。
何故、たぬきの表情にこだわるかというとね。
買ったからなの。小さいたぬきの置物。
1月に梅田阪急で。
こちらは目が真ん丸の赤いたぬき。
慶乃川さんのたぬきは目が垂れてた。
たぬきの置物は縁起物ですね、
たぬきは「た=他」「ぬき=抜く」ということで「他を抜く」という意味があり、
このことから商売繁盛、招福、金運UP、開運など、縁起を引き寄せる
のだそうです。
だから、草間さんは慶乃川さんのたぬきの置物を持ってきてくれたんですね。
穴窯の窯焚きに成功するようにと。
お母さんは草間さんに手紙でどんなことを書いたのかな。
きっと、いろいろ。
常治が亡くなったこと。
喜美子と八郎が結婚して、武志が生まれたこと。
そして、今、二人はうまくいってないこと。
今、喜美子は陶芸をやっていること。穴窯のこと。それもうまくいってないこと。
落ち込んでいる喜美子を励ましてやって欲しいと書いたのかな。
何もかも承知の上で喜美子の話を聞いているみたいな草間さんだった。
