A300-600Rは使い勝手の良い機材 でも気になる問題も~
●若干太くみえるが便利な機材のA300-600R
JJ統合で大きなメリットは、実はこのA300-600Rという機材にあった
といっても過言ではない。
この機材、旧JASの保有機材であるが、中型機材でありながら、着
陸性能が良くショートRWYにでもばんばん降りることができるから
である。
着陸性能としては、Jが保有するB6よりもすぐれているため、B6で
対応できないRWYでも降りれるところこそが地方のためのワイドボ
ディーと言える。
B6と比べるとクロスセクション(機体の断面)ではA36Rの方が太い
ため、当然ながら客室は広く、居住性も高いところもメリットの一つ
だと思う。
ベリー(客室下の貨物室)も広いため、B7やB4にコンバート自由な
LD-3というULD(貨物用コンテナ)も搭載できるため、地方空港か
らHUB空港への載せ換え貨物対応も比較的容易に対応できる。
若干、旧JAS仕様であったので、キャビンイメージは地味ではある
ものの、お客様側から考えればDOMS(国内路線)仕様としてのフラ
イト時間では問題ない機材でもあると思う。
しかし、この機材、良いところばかりでないのが残念なのだ。確かに
旧JASは20機以上のA36Rを保有しており、新機(新造機)で購入し
たものもあれば、CF6を搭載した中古機を購入したものもあるが、
中古機の殆どはA300-600RのB4モデルではなく、B2モデルという
旧型(ウイングチップがない)の仕様であるため、JJ統合時には
若干機のみを残して全て売却や廃棄になったものである。
中には、統合初段階の数か月前に購入した19号機から21号機の
新しい国際線(ソウル便)仕様機材もあるので、それらにはあまり
問題は機体でもエンジンのスラストリバーサーを制御するための
リレー部分にあった。現在では概ね改善されたが、その時は酷い
状況であった。
どのような症状かと言えば、目的空港にランディングした際、轟音
とともにエンジンをスラストリバーサーにする。これによりエンジン
が逆噴射することにより機体が減速することになる。
それがこのリレーの不具合のお陰でスラストリバーサーがかから
ないのである。
現在では旧JALのA36R乗員も誕生し、それらはスラストリバーサ
ーを使わないで減速する乗員もいるが、それはRWYコンディション
がドライか、いっても若干湿気を帯びたダンプという良好の場合で
ある。
●AOJ(青森)にも冬場は不具合機材は使用できなかった
やはり、ウエットやウォーターバッチやびしょびしょのフォローデット
のような悪いコンディションの際はスラストリバーサーはMUSTな
機能となるわけだ。
そうであるから、冬場のコンタミネーション(雪と水がシャーベット状
になっている状況)の際は、それでもオーバーランする可能性もあ
るという状況なのである。
だからこそ、そのリレー問題は大問題でもあった。これの多くは統
合直前から発生していたことでもあるが、顕著になってきたのは
統合後で、メーカーであるAI社もこの問題の解決にはかなりの困
難と時間を要した。原因が不明なのだった。
その時には、リレー不具合の出る機材は、新造機として購入した
19号機以降の機材からリレーを外し付け替えたり、不具合機材は
冬場は北方空港では仕様せず西から南の路線のみで使用する
ように機材繰りに相当苦労したのだ。
まったく一長一短ですね~
でもリタイヤを前倒しにするとDOMS路線、特に地方路線の維持は
不可能に近い~