担々麺ブーム
だれも言っていないみたいなので、俺が言うか。
今、日本は空前の担々麺ブームだ。
思い返してみて欲しい、5年前、あんな食い物あったか?
いや、あったんだろうけど、こんなに街中に担々麺があふれるような状態では
なかった。今は、担々麺専門店もあるし、気の利いた中華料理屋だったら、
まず担々麺はメニューにある。
ここ15年くらい、ラーメンはずうっとブームが続いていると思う。
僕が思うに、理由は1つ。
ラーメンという食い物は、定義が甘い。甘すぎる。
だから、実は、ラーメンブームが続いているのではなくて、次々と別の食い物が
ブームになっては廃れているだけなのだ。
例えば、ご飯の代わりにお餅をよそって、カレーの代わりにシチューをかけて、
福神漬けの代わりに梅干を乗せたら、それは全く、カレーライスではない。
札幌のカレーライスが、博多ではシチューかけお餅の梅干乗せだったら、これは
もう、「文化の違い」というような生易しいものでは解決できなくなる。
が、ラーメンの世界では、それがOKなのだ。
僕のふるさとは、栃木県の佐野市。一時期微妙にもてはやされた、
「さのらーめん」のご当地である。佐野のラーメンが、柔らかく脚光を浴びていた頃、
僕は大学生で、良く、友人に聞かれた。
「佐野らーめんて、ナニがとくちょうなの?」
んなもん、ない。ラーメンに、特徴なんて必要か?
特徴があるとかないとか、そういう問題じゃなく、俺にとってのラーメンは、
佐野のラーメン以上でも以下でもない。
あえて、細かいことを言うと、
佐野のラーメンは、そうでないお店もあるが(ほとんどがそうでないのかも知れないが)
本来は、麺の打ち方が違う。
太い青竹を、けんけんの上げたほうのひざの下に挟んで、麺を打つ。
うまく文章に出来ないけど。
不ぞろいで、びろびろで、ワンタンの皮のような見てくれだが、じっくり噛んでみると、
非常にコシがあり、ちゅるちゅるとしている。
もう10年も前になるか。僕は1人で、寿司屋のカウンターで飲んでいた。
隣のお客が、上手い食い物の話をいろいろしていて、そのうち話は、ラーメンへ。
「佐野ラーメンをこの間食ったけど、なんだかこれといって特徴もないし、麺も
びろびろで、旨くなかったなあ。」
ばーか。輪ゴムでも食ってろ。寿司食う資格もねえや。