実録・ドラゴンクエスト8購入記 | ぽんこつ日記

実録・ドラゴンクエスト8購入記

目覚ましが鳴ったのは、6時45分。
昨夜の就寝は3時頃。お酒も、残り気味。

寝不足時特有の、あの、のうみそが少しだけ下に詰まった
感じ。たぶん今の僕の頭蓋骨の中は、脳みそが甘食みたいな
形になっているのだ。

ジャージをはき、カーディガンを羽織って、ニョーボを
起こさないよう、静かに静かに玄関を出る。

コンビにまでは、3分。
背後から照らす朝日が、正面に長い影を作る。

そういえば、先週の土曜日もこの時間は、起きて外にいた。
お好み事件の日である。

用事がなければ、土曜日は遅くまで寝ている。
2週連続で土曜の7時に起きているのなんて、覚えてないけど
多分初めてだ。

急がなくては。

前日の帰宅途中、12時くらい。今から行くコンビニで、
「ドラクエって、予約しなくても買えますか?」と、聞いてみた。

「ああ、大丈夫でしょう。たくさん入荷あるし、そんなに予約も
入っていないから。」

しかし、私はこれを、怪しいセールストークと見た。
こうやって人を安心させておいて、のんびり買いにきた私に、

「売り切れです。次の入荷は未定です。」

とか言って、いやが応にも購買意欲を高めてやろうという、
いやらしい手法だ。そんな手に乗るもんかよ。なめんな。
大人だぞこっちはよう。

私は帰宅して、ビールを飲みつつ作戦を練った。
まずはとにかく、早起きをすることだ。
発売は7時から。遅くとも5分前には入店し、ライバルの状況を
チェックする必要があるだろう。
行列が出来ていたら、並ばねばならない。

しかも私は、おっさんである。

もし行列の主要なメンバーが子供たちであったら、「若いお父さん」
あたりを演じねばなるまい。

あらゆる状況をシミュレートしながら、僕は道を急ぐ。

あ、あの前を歩いている若者。あれは怪しい。
さては、今からドラクエを買いに行くに違いない。先を越されては
一大事だ。さりげなく早足で抜かせ。

ふう、思い過ごしだったか。危ないところだったぜ。

コンビニにはきっと、長い列が出来ているに違いない。
あのコンビニに、あの、コンビ・・・

あれ?

何だこの静けさは。普通の朝のコンビニではないか。

労働者系の人が数人。サンドイッチを買っている。
それだけ。

いや待てよ。あれだ。混乱を避けるため、行列は別の場所に
誘導されているのだ。
きっとそうだ。ガンプラの時もそうだった。デパートの裏口に、
早朝から並ばされた。

しかし、その気配もまったくない。

分かった。7時ジャストに、大挙して皆押し寄せるのだ。
ざまあみやがれ、のろまな朝寝坊どもよ。早くきて良かったぜ。

私はかごを手にとり、店内を物色し始めた。
やはり私はおっさんなので、ドラクエだけを買って帰るのは
ちょっぴり恥ずかしいのである。

しかし、SAPIOと暴君ハバネロ、ライム味のペリエなど、普段は
まったく買わない、しかもちょっとだけ攻撃的っぽい商品群をかごに
入れているあたり、隠しきれないテンションを垣間見させるぜ、俺。

ようし、準備は万端だ。あと3分・・・。

2分・・・。

1分。。。。よし!

かごをレジに置く。大丈夫か?後ろから狙われていないか?
悪い中学生に取り上げられないように気をつけろ。
店員に、抱き合わせじゃないと売らないと言われないように、
すこし、睨め。

「あと、ドラクエ、ください。」

「はいかしこまりました。8,941円になります。」

・・・・・・・。

普通に会計を済ませ、普通に店を出て、何の混乱も障害もなく、
買えてしまった。ドラクエが。

こんなもの?3で行列に並んだだけに。4を弟のために、近所の
おもちゃ屋さんに予約しただけに。7が買えず、近所のセブンイレブンに
大クレームをつけたことがある(後述します)だけに。
寂しすぎないか。本当にこれは現実か。

なんなのか。なんだったのか、昨日からの私の盛り上がりは。
俺はドラクエを本当に欲しかったのか?
本当は、ドラクエを買うという、行動を楽しみにしていた
だけなのじゃないか。

しかも、その楽しみは、思っていた盛り上がりをまったく見せずに
終わってしまった。

しゅるしゅるしゅるぅぅぅぅ。

パッケージの、「対象年齢・全年齢」の文字。
泣かせるぜ。