さて、今回は

文豪とアルケミスト 戯作者ノ奏鳴曲(ソナタ)を観劇。


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【あらすじ】
文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
終わりの見えない戦いの最中。生前に思いを馳せる織田作之助(陳内将)は姿の見えない友、太宰治を探す。

そんな中、『蟹工船』が侵蝕される。
同じく転生していた文豪たちが文学を守るべく潜書するも、迷いを抱えていた織田と、
檀一雄(赤澤燈)、坂口安吾(小坂涼太郎)は潜書することができず――


【キャスト】
織田作之助:陳内将
檀一雄:赤澤燈
坂口安吾:小坂涼太郎
北原白秋:佐藤永典
中野重治:MAHIROBUGVEL
徳永直:反橋宗一郎
草野心平:佐野真白

アンサンブル:仲田祥司 町田尚規 多田滉 山口渓 田中慶 平澤佑樹 安久真修 丸山武蔵


舞台セットはいつにも増して緻密。

少し雑破な図書館という感じでした。

散りばめられている言葉が侵食されている物語のタイトルになっていて個人的には始まる前から興奮がおさまりませんでした。

今回は久々の無頼派コンビに檀君。

太宰がいなかったことが残念と思いきやそれが物語のミソでした。


プロレタリアとの潜書が舞台のストーリーに大きく関わっていました。

今回はほんと伏線がえぐい!!

プロレタリアに、キリスト、最後の晩餐のユダ。

その意味に気付いた時の自分の興奮は本当に気持ち悪かったと思います笑


文劇は毎回主題歌が作成されているのですが、今回は初の英語歌詞入り!

前回の洋書組が出てきた時にないんか、って思ったんですが、発禁書が選書対象になったりとどことなく過去の抵抗をしめしたものなのかと考察してみたり。


蟹工船でのプロレタリアの底知れぬ信頼や絆にも感動ものでしたが、今回はなんと言っても無頼派の太宰への愛、愛、愛。

太宰と檀の熱海事件()や心中未遂。

三馬鹿トリオの思い出話が史実に則っていて最高のストーリー。

そこにフィクションが加わっているはずなのにいつもこの物語が本当であればとつい願ってしまいます。


前回のお話にしっかり絡めてあったり、的が前作のメンバーを模していたり、繋がりを持たせつつ、世界線の異なる演出。とてもよく作り込まれた限界のない作品に思えます。

あと、今回は近接戦タイプが多かったので、私の大好きな文劇の殺陣を間近に見ることができました。本当にかっこいいんですよ。


あと、草野くんのカエルが想像以上に可愛かったです笑


文学の世界に翻弄され、愛され、作られた世界に余韻を残して次回を楽しみにしたいと思います。