さて、久々の舞台は
舞台文豪とアルケミスト第四作目となります。
舞台文豪とアルケミスト捻クレ者ノ独唱でした。
※Amazon抜粋
【あらすじ】
文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
尾崎一門が奇跡的な再会を果たし、皆それぞれが懐かしさに浸る中、
どこか戸惑いを隠せない様子の徳田秋声(赤澤遼太郎)。
ある日、徳田の師である尾崎紅葉(玉城裕規)の作品『金色夜叉』が突如侵蝕される事態が起こる。
太宰治(平野良)らの協力のもと無事作品に潜書し、侵蝕者にとどめを刺そうとするが――
【キャスト】
徳田秋声:赤澤遼太郎
泉鏡花:山﨑晶吾
佐藤春夫:小南光司
国木田独歩:斉藤秀翼
川端康成:正木郁
里見弴:澤邊寧央
尾崎紅葉:玉城裕規
太宰治:平野良
アンサンブル:仲田祥司 町田尚規 多田滉 山口渓 田中慶 田ノ中亮資 平澤佑樹 安久真修
前回の終わり方からして一作目へのループみたいな感じだったのでもうやらないかなぁ、と思っていたらなんと待望の新作。
コロナの影響もあり本日が大阪初日でした。
舞台セットは波を模したセットに6枚の薄いスクリーンが垂れ下がった下小作の中で最もシンプルなデザイン。
しかし、そのスクリーンに映し出された映像と役者さんとの動きがうまく重なって今まで以上に文アルの世界が表現されたものになっていました。
あと、今回からゲームの新システムをうまく取り込んでくれたところが感動ポイントでした。
物語のメインは尾崎一門の尾崎紅葉、泉鏡花、徳田秋声の3人。
主人公としては徳田秋声。
今回はなんとなくですが脚本がシンプルにとてもよかったなという印象。
彼の劣等感やコンプレックスが所々でうまく表現されていました。自分を一門の「異端」と称して自身を卑下する様はとても悲しいしもどかしいのにその中にも太宰を励ましたり諭す姿がなんというかとても「徳田秋声」でした。
彼らと交流があれば本当に太宰治も変われたのかなぁ、と。
ついつい事実と混同させちゃいました。
なので川端康成と太宰治の再会シーンは異質なのに面白かったです。
2人の再会が天でもああであればと思ってしまう、そんな内容でした。
そして、やはり自由人太宰がさまざまな笑いを掻っ攫ってくれました。
時々誰!?みたいな高い声出ててびっくりしました。ちょっとミュージカルシーンあるのは平野さん(中の人)の真骨頂かなぁと笑
でも、里見弴がその場を和ませ、国木田独歩と佐藤春夫が締める。そんな感じの舞台だった気がします。
今回銃を持つキャラがいなかったので接近戦の殺陣が沢山あってかなり見応えのあるものだったのではないでしょうか?
弓のキャラはいたものの基本あれ接近戦しますから(笑)
1対1のシーンも多くて今まで戦闘シーン一番かっこよかったなあって思います、個人的に。
たくさんの解釈がある中でバッドエンドをハッピーエンドにしてくれる。そんな脚本がとても好きです。
あと、キャラデザからなんですが尾崎一門の3人の羽織が同じデザインで、徳田秋声は「異端」を自称する故か腰に巻き、泉鏡花は尾崎を尊敬しているために同じように身につける。
そして、覚醒後の徳田秋声は羽織を着物として身につける。
そんなところが結構好きだったりするので舞台という形でそれがみれてとてもよかったです。
金色夜叉と婦系図を読みたくなった、そんな舞台でした。