パッドマン(2018)

監督:R・バールキ  

  

  

 去年一昨年個人的に開催したインド映画月間の一環で視聴しました。

 

 ざっくりあらすじとしては、奥さん大好きの新婚ラクシュミは、奥さんガヤトリといつものようにイチャイチャしようとすると奥さんは生理中で別室で過ごさねばならずイチャイチャできない&生理用品は高価で買えないため、汚い布を繰り返しナプキンとして使用していることを知って衝撃を受ける。ラクシュミは生理用品を買って妻にプレゼントすると「そんな高い買い物をするな」と逆に怒られる。物作りが得意なラクシュミはここから生理用品作りに奔走、女子医大に忍び込んだり、生理を体験!してみたり周りから気狂いと思われるレベルに情熱を傾け、ついに完成させてインド女性の衛生や生活に大きく寄与する、という話。

 

 いい話。

 

 医学部女子生徒に詰め寄るシーンなどは少しキモかったけれど、したことは本当に素晴らしいですし、純粋な奥さん思いのいい旦那さんです。

 それに彼の発明家的な精神はすごいなと思いました。物作りは私も大好きなので、機械装置ができていく過程に興奮しました。天才ですねラクシュミ。

 

 主人公ラクシュミの周りには奥さんガヤトリの他にもう一人女性がいるんですが、それがラクシュミが実際に生理用品を製作、普及活動をするのを後押しし、最終的には国連にまで連れ出すことになる工科大学の学生パリーです。(このパリーの存在は、映画を作るに当たって挿入したフィクションだそうです。)

 

 個人的な不満としてはパリーの描き方があまりにも魅力的なので、ガヤトリのところにラクシュミが戻って行く時複雑だったことです。ガヤトリは世間体を気にしてラクシュミを最後まで信じられないところがあったけれど、パリーの方はラクシュミの相棒として力になるんですよ。というか個人的にパリーとラクシュミの出会いが大好きなんです。知らないおじさんがたまたま持っていた生理用品をもらって後日「あの生理用品私が作ったんだ」と明かされる恐怖たるや。面白すぎますよね。というわけで私はパリー派です。

 まあ夫が突然生理用品に目覚めて「擬似⭐︎生理体験」とか始めたら誰でも正気の沙汰かと疑うと思うのでガヤトリに落ち度はほぼ無いんですが。

  

  頭もいいパリー、ニューヨークでのドレス姿のすごく素敵でした。

  

  終始困惑気味の奥さんでしたがただただ可愛かったです。

 

 素朴なラクシュミのめっちゃそれっぽい国連でのブロークンイングリッシュのスピーチを聞いて感動した後に、ラクシュミ役の俳優アクシャイ・クマールが世界でもっとも稼ぐ俳優部門5位にランクインしていることが意外かつ複雑でした。

 

 感動しましたこのスピーチ

 

  Netflixで公開されているドキュメンタリー"period. end of sentence."もその後視聴しましたがとても感銘を受けました。こちらはラクシュミさんが作った生理用品の機械で実際に生理用品を製造、販売していた女性たちに焦点を当てたドキュメンタリーです。アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞していました。

 生理繋がりでいうと、20th century womanのあのシーンも思い出しますよね。私の大好きなグレタ・ガーウィグとエル・ファニングの発言に母親がピリつくシーンです。

  

  ココ