ガードマンBOXの黄昏 -2ページ目

ガードマンBOXの黄昏

ガードマンの仕事って、たいへんなんだよねぇ・・・
怒鳴られたり、罵倒されたり、空き缶や煙草の吸殻投げ付けられたり、
ホント楽じゃないよ




実に、ガードマンの10人に4人は肩こりや腰痛の持病があるという。
理由は至極簡単で、直立不動(そんなガードマンは見たことないが)の立哨姿勢と一日8時間くらいある立ち仕事の所為だ。
昼の1時間休憩と10時と3時の10分程度の休憩を除くとほとんど立ったままである。警察官でさえも1時間交代が原則なのに、ガードマンの人権は未だほったらかしである。
特に3年以上のガードマン経験者に多いようだ。一般に四十肩、五十肩と呼ばれる痛みを伴う肩こりも、30代から現れ始めたりする。一種の職業病である。


【case2】警備経験4年目となるベテランT氏。片側交互通行の現場に1年半常駐した後、痛みを伴う肩こりを発症。ひどい時は、両腕が上がらなくなるほどの重傷だった。真面目に労災を申請しようとして、現場所長に掛け合ったが、その後彼の姿を見たものは誰もいない。一説によると、裁判沙汰になるのを恐れた所長が、自らのポケットマネーで見舞金を支払ったとか支払わなかったとか・・・飽くまでも噂だが。


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「平成26年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率は30.3%(女性は9.8%)でした。 これは、昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の 83.7%と比較すると、48年間で53ポイント減少したことになります。 年代別にみると、急激な喫煙率の減少傾向が見られる60歳以上は21.1%で、 ピーク時(昭和41年)より57ポイント減少しました。また、平成26年の喫煙率が一番高い年代は40歳代で38.5%でした。
 ガードマンの喫煙率は、「警備業白書」(2014年度版)によると、土木・建築作業員の男性57.2%に次いで高い男性52.4%でした。要するに工事現場の喫煙率が群を抜いて高いという結果だ。


煙草を吸うからガードマンになったのか、ガードマンをやると煙草を吸うようになるのか、そこははっきりとした調査が行われていないが、私が思うには前者ではないかという気がする。最近の傾向として、各企業での禁煙・分煙運動が定着して、自由に煙草の吸える職場が減ったことが第一に上げられる要因だろう。(ガードマンなら、仕事しながらでも吸える?・・・最近では以前に比べ、現場内禁煙や喫煙所以外での喫煙を禁止する現場が増えている)


【case1】 一日3箱吸うヘビースモーカーのA氏は、現場内禁煙(所長が煙草を吸わない場合が多い)の現場に常駐するハメになった。最初は隠れて一服していたが、そのうち監督にも見つかり、どうしたものかと思案した揚句、ある時、妙なものを持ち込んだ。茶色の粉を手のひらに載せ、それを鼻の穴に押し当てて吸い込んでいる。これが例のクスリか?と思ったら、それは嗅タバコなるもので、直接鼻の粘膜から吸収するらしい。A氏は笑いながら、「どう、やってみる?」と私に言った。「時々、鼻血が出るんだけどね・・・」そこまでして吸いたいかね・・・。


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ガードマンの仕事をしていると、いろんな人間と出会う
つい最近もこんな人間と出会った


本職は養生屋なのだが、実際は何でも屋・・・
様々な雑工が彼の仕事だ


休憩時間になると、彼は必ず同じ話を繰り返す


「俺は、こんなことをやっているような人間じゃない
前の会社では、監督をやっていたんだ
あんたらに、ああしろ、こうしろって言っていた方の人間なんだ」


他の作業員は、「またか・・・」という顔をして目をそらす

それでも彼は、何かを伝えようと必死で話し続ける


「これを見なよ・・・」


取り出したのは、一枚の名刺・・・
それは課長の肩書きが印刷された前の会社のもの


「俺は、こんなことをやっているような人間じゃないんだ」


ねぇ・・・そんなことして悲しくならない?

辞めてしまった前の会社の名刺をみんなに見せて

悲しくないの?


過去も未来も、本当はすべて関係ない
今現在の自分の姿が、偽りのない本当の自分なんだ

ねぇ・・・そう思わない?



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ある人が言った・・・

「ガードマンの仕事がきついなんて言ったら
他のどんな仕事も勤まらない
こんなに楽な仕事は、他にないんだから」


別の人は、こう言う・・・

「ガードマンの仕事が楽に感じるようになったら、終りだよ」


君は、どう思う?


こんな話を知ってる?


山羊はいつも重い金時計を首からぶら下げて
ふうふう言いながら歩き回ってた
ところがその時計は、やたらと重い上に
壊れて動かなかった

ある日、友達のウサギがやって来て、こう言った

「ねぇ、山羊さん、何故君は動きもしない時計を
いつもぶら下げているの?
重そうだし、役にも立たないじゃないか」

すると、山羊は言った

「そりゃ、重いさ。でもね、慣れちゃったんだ。時計が重いのにも、動かないのにも」


つまりは、そういうこと・・・


・・・なのかな?



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かつて、「誘導王」と呼ばれた伝説のガードマンがいた


誘導灯を如意棒の如く扱い
警笛で鳥や雲と会話し
蝶のように舞い、蜂のように車を止めた・・・
彼のことを人は「誘導王」と呼んだ

彼の口癖に
「片交は、人生と同じだ」という言葉がある


人生には、進むべき時と立ち止まるべき時があって
それは、寄せては返す波のように、心地良い一定のリズムを抱いて経過していく・・・

そう・・・彼の誘導は、まさしく『波』だ

そんな彼の短い生涯は、片側交互通行の最中に
あえなく幕を下ろした

彼が越えようとして、越えられなかった
その白いセンターラインの向こうに
いったい何を見たのか?

彼が生涯追い続けた、幸せの青い誘導灯とは・・・


それはまた別の機会に話すことにしよう




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