そう、今更。 | 次の日のフランスパン

そう、今更。

今日は久しぶりにランニングをした。
自分の住んでいるところの周辺探索もかねて。

初めて通る住宅街の道は行く所行くところ新鮮で、行き止まりにぶち当たった。
我が子の帰りを待つママさんや、学校から帰って友達と家の前で遊んでる子供たちの前を三回ほど通り過ぎなければならなかった。
さすがに三回目は恥ずかしく、別の抜け道を探そうと試みたが、結局うつむいて彼らの前を通り過ぎる事となった。
多分彼らは何とも思っていない。

しばらく走っていると、おしゃれなお店を見つけた。
ランニングスタイルだったので入店がためらわれたが、気がつけば扉を開けて店の中にいた。

店内には誰もいなかった。
休憩中なのかもしくは休みなのかとふと頭をよぎったその時、店主がのっそり出てきた。
しゅっとしたおじさんだった。

「ここあいてますか?」

私は全く見当違いの質問を店主にした。あいてるからここにいる。

「はい??」

店主は正しい反応を示した。

「見せていただきます」と半ば強制的にキャッチボールを終了させ、私は店内を回る事にした。
洋服やアクセサリーなど素敵なものがたくさん置いてあったが、ランニングの途中で買えるような値段のものはなかったので出直す事にした。

軽く会釈をし、扉を開けて出ようとした時、今まで空気のように佇み商売っ気を全く出さなかった店主が、
「二階もありますのでよかったら。。。」と言った。
もう身体半分店の外に出ていた私には、身体全体を店内に引き戻し階段を上る余力は今更残っていなかった。
そう 今更。

しかし、そのまま受け流して帰るのもどうかと思い、「二階にはどのようなものが置いてあるのですか?」と身体半分質問してみた。雑貨や陶器などが置いてあったら良いなという希望もうっすら含まれていた。

「ん。。。あ、えええ。。。二階にも洋服が置いてあります。ここのよりももっとカジュアルでお手頃な洋服が。。。。」
「。。そうですか。。。」

カジュアルなお手頃商品をあえて二階に置くという戦略がとても気になったが、


またきますといってランニングを再開した。