ウニクロ | 元祖!ジェイク鈴木回想録

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私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?

 

 事実のみを記す。酷い。
 
 長年に渡って、秋口から翌年の初夏にかけて、殆ど毎日のように着ていた成人ソフトボール・チーム、横須賀レイダースのウインド・ブレイカーが破れた。縫製が解れたとかではなく、生地そのものが裂けてしまっているため、些かみっともなく、裂け目が更に拡がる可能性も極めて高い。
 お役目御免の夏の間に2軒の補修屋にあたってみたものの、2軒ともDifficult to Cure・・。修理不可で返送される重傷だ。
 
 最近の日本には秋がなく、いきなし冬になるため、直ちに代わりを用意しなければならなかったが、生憎、コロナ禍に依る緊縮財務で、贅沢な我が儘はそうそう云ってられん。
 
 用途は春秋。TシャツやYシャツだけじゃ寒い、みっともない、貧乏臭い時期に必要で、もう少し寒くなれば、山羊の頭のスープではなく、山羊の皮のコートや横浜銀蝿モデルのダブルの革ジャン、THE ROLLING STONESのロング・コート等々、流石に長く生きてるだけあって、まあ多少はある。
 だが、横須賀レイダースのウインド・プレイカーは、Yシャツの上にニットを着込めば真冬でも順応して、まさに1年間の3/4を1着でOK!の超優れモノだった。
 
 代替候補は3点。
 
 1点目はソフトボールと同じようなスポーツ、野球のウインド・プレイカーで、美津野の読売巨人軍モデル。阪神ふぁんではあるものの、流石にそう毎日毎日〝Tigers〟を背負って歩くには既に抵抗がある年齢に成長している。同製品に〝GIANTS〟のロゴはなく、橙色を避けて白いストライプを選べば、むしろ読売巨人軍のイメージからは程遠い。難点は通販でしか購入出来ず、試着が困難過ぎること。
 価格は約1万4,000円。
 
 2点目は恐らく生涯で最期となるスカジャンだ。TVドラマ等で乱用されている、背中に〝Japan〟が入った安物のバチモンではなく、大将ミシン店の〝Yokosuka〟の刺繍が入ったモノホンとなると、横須賀まで数回の往復交通費を入れて、軽く4万を超えてしまう。また〝Tigers〟同様、流石に毎日毎日、それを背負って歩ける〝としごろ〟か?
 
 3点目はウニクロで大失敗した後に思い付いて、現在進行中・・。
何てこたぁない。今まで着ていた品物と同じ品物に買い換えれば済むのだが、今年の正月に、現在もチームの主戦投手を務めている義弟に尋ねたら、既に製造していないとのこと。
 インターネットで調べてみたら、メーカーそのものは健在どころか、こと野球衣料に関しては現在でもトップ・クラスの専門企業の模様。何よりもウレシイのは、ほぼ100%〝日本製〟。
 衣服に限らず〝MADE IN C.〟は出来る限り避けたい。
 
 それもまたインターネットで、今まで着ていた品物と同類のラインナップ・・、特に同じ繊維で構成されている2021年度版を探して、市内の野球用品専門店を訪ねたら、懇切丁寧に対応してくれて、現在、その〝試着品〟を取り寄せ中・・。
 しかも価格は税込で9,130円と、こちらは〝おてごろ〟だ。
 
 で、(無論、小馬鹿にして)ウニクロだが、皆んな、よくあんなもんに金なんか支払えるなよな? よっぽど金が有り余っているんだな。ウラヤマシーナあんど、ざ、ろけっつ。(笑)
 
 かつて、銀座店の大型ショウ・ウインドウにズラリと並べられたマネキンを中央通りの反対側の舗道から見上げて、「何だ?これ。」と驚嘆した。
 細君が一時期、パートで勤めていたファースト・リテイリング社にも良い印象がない。他に使いもしないWindowsマシンを自費で買わされるわ、上司だった20代の女性正社員は、僅かな期間に全国規模でトバされまくるわ。
 
 とは云え、背に腹は代えられず、取り敢えず市内の同ブランド店に赴き、3,000円のパーカと6,000円のジャケットを買ってみた。2着とも当然〝MADE IN C.〟・・。
 
 けど、なあ?「安い」って何だ?
 
 外出する時は殆ど先ず必ず、1983年からずっと同じウエスタン・ブーツを履いている。無論1足ではなく、3年から5年で履き潰す度に同じ製品を買い換えて。当初は5千円くらいだったが最新は1万5,000円。38年間で換算すれば、年間僅か1,875円で〝100%望み通り〟が〝約束〟されるんだから、激安の極致だべ?
 1,875円のクツを年中買い換えて楽しまれたい方もいらっしゃることだろうが、生憎、私はたかがクツ如きで一喜一憂するようなツマラナイ人生には縁がない。
 
 このブーツが文字通り足枷になる。どこからどう観たってウエスタン・ブーツなんだから、極端な話、夏季のステテコとかは当然、合わん。ボトムはデニムしかないに等しく、上衣の選択範囲も狭められるが、反対に云えば選択肢が絞れて、むしろラク。(笑)
 繰り返すが、服なんか何だっていい。屋外でケツの穴を晒して歩いてたら犬や猫と同じ。パンツ(※オムツらしいが。)しか履いていなければ、極々一部の限られたサルと同じだが、着合わせなんぞに思考を巡らす時間がもったいない。
 今回の場合なら、先ず初秋の寒さから身を守れれば、唯、それだけで済んだものを・・。
 
 とにかく寒い!
 
 既に60年も生きていて、一応、美大等にも通って、アパレル関係にうるさいというか、その道のプロが周囲にごろごろ居る。しかもネット通販ではなく、店舗で約1時間、何度も着たり脱いだりした上で購入したのに、実際に屋外を歩いて風を受ければ寒い。歩いて暖まった身体が保温されなくて寒い。地下鉄の冷房をもろに受けて激寒い!
 特に、襟巻きには未だ早過ぎる時期のクビの後ろ辺りは、上着(の襟)で防寒するしかないのに。
 
 おまけに造りが酷い。
パーカは余分なフードが激重たくて、歩いているうちに肩がずりずりと後ろに下がって落ち着かないことこの上ない。内側に縫製上の小さな布きれが宛がわれていて、貧乏臭いことこの上ない。よく大手を振って商売出来るよな?こんな商品で。
 ジャケットは何故か、なかなか真っ直ぐに吊り下がらない。そんな状態を観れば観るほどみすぼらしい。何だよ?これ・・。内ポケットは長財布が半分しか入らないような布きれのケチりようで、貧乏臭いことこの上ない!
 
 そして何よりも「安いものを着ている」という不満足感だ。I Can't Get No Satisfactionだ。2着で計9千円を1年どころか僅か2日で失った。年間に換算すれば164万2,500円の大損害だぜ? 一体、どこが「安い」んだっ!?

 ガキの時分、母親に連れられて服を買いに行って「これがいい。」と選んだものは、先ず他の品物よりも高価だった。現在も同。
 1995年だったか、やはり冬物を買いに出掛けて、5万円くらいの革ジャンを購入したが、その前に観ていたY'sのTHE ROLLING STONESのロング・コートをどうしても諦め切れず、帰宅途中の地下鉄を下車して戻って追加購入した。その後、革ジャンは殆ど着ていないが、THE ROLLING STONESは既に一生もんだ。9万円でも30年着てれば年間僅か3千円なんだぜ?「安い」たあ、こーいうことじゃね?
 
 決して個人的な指向や嗜好だけではないが、私にはいらないブランドだった、としておこう。
 
 
※本文中敬称略
※画像:購入した品物と同タイプのジャケット。¥5,590税込也。但、このモデルの男は身長183cmでLサイズ着用の白人男性だ。