茶々丸 | 元祖!ジェイク鈴木回想録

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私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?

 
 世田谷区上野毛(正確には中町)から浦安に引っ越したのは、
 昭和天皇が崩御した昭和64年だから1989年・・
 平成元年である

 その年の4月頃、細君のパート先の同僚がパートに出掛ける途中、
“いま、そこにいたんだけど、あたし、これからパートだから、
 これ預かっといて”とか何とか云って、うちに置いて行ったのが、
 そこにある写真のねこの茶々丸である
 茶々丸はいまでもうちにいるけど、
 その女性は沖縄のひとだったので沖縄に帰ってしまったのか、
 少なくてもここ10年以上はまるっきし音沙汰がナイ・・
 ま、いいけどね

 茶々丸という名まえは、いろが云わゆる茶トラだったことと、
 その頃、ギターのさいとうくんから借りて読んでいた、
『めぞん一刻』に出てくる喫茶店(?)からテキトーに拝借した

 ちなみにねこに付ける敬称(?)は“号”のようだ
 生後1年以内に(2度)受ける予防接種の証明書には、
“鈴木 茶々丸号”と記されている

 誕生日はよくわからないので、
 同じような境遇のエリック・クラプトンと同じ3月30日にしておいた
 その後、茶々丸自身が産んだ(あ、茶々丸はメス)子ねこの発育から、
 この設定でだいたい合っていそうである

 故に誕生日は1989年3月30日、もう16歳になる

 16歳と云っても、ねこの年齢は人間の約5倍らしいから、
 実質的には現在何と!80歳!
 すげーオバーチャンねこなのだ
 見掛けはそれほど変わっていないんだけど、よおーく見ると、
 最近、時折ハナを垂らしていたりする(笑)

 茶々丸はたぶん、元々野良ではなかったようで、すぐになついた
 人間に対して威嚇したり、引っ掻いたり噛み付いたりすることもナイ
(よっぽど嫌がることをすればそれ相応に怒るけど・笑)
 食卓の上に上がったり、ティッシュを全部出したりすることもナイ
 トイレもすぐ覚えた

 おもしろかったのは鏡で、そこに別のねこがいるとでも思ったのか、
 鏡の裏側に廻って見廻したりしていた
 まだ子ねこだったから、お母さんねことはぐれて、
 寂しかったのかも知れないね

 それもあったし、またせっかくメスに生まれてきたのだから、
 一度ぐらいは母ねこになってみたいだろうと思い、ついでに、
 地元の情報誌か何かに掲載されていたオスねこももらってきた
 名まえは顔つきから何となく“うたえもん”・・

 こいつのことはまた別項でご紹介するけど、
 明らかに日本ねことは異なる骨格と毛いろを持ったねこで、
 上半分はクロと云うか濃いグレーで、よく見ると、
 たくさんある黒い毛の中に白い毛が混じっていてグレーに見える
 下半分は透き通るような純白の毛で、何と!口の中が赤く、
 またオスのくせに妙に甲高い声で鳴く

 2匹はこれまた運が良かったのか、すぐに仲良くなり、
 すくすくすくすくと元気に育ち、
 1年後ぐらいにはほとんど成ねこになって、5月頃だったかな、
 待望の2世が2匹誕生した
 2匹ともオスで1匹はサマノスケ、もう1匹は何だったっけな?(笑)
 けど、サマノスケは子ねこのうちに急逝してしまい、
 もう1匹のほうはどうしたんだっけな?忘れてしまったな(笑)

 おもしろいもので、
 茶々丸はその生涯で計11匹の子ねこを産んだんだけど、
 オスは全部茶トラだったものの、茶々丸と同じではなく、
 下半分はうたえもん譲りの真っ白でふわふわな毛並みだった
 メスは三毛がほとんどで、一匹だけどーいうわけかキジトラもいた
 が、茶々丸と同じメスの茶トラは一匹も産まなかった

 次は4匹生まれた

 この頃、ねこの食費(固形のキャット・フード)がばかにならず、
 もちろんディスカウント・ショップで買っていたんだけど、
 ある日、同じくらいの値段なのに、
 4倍ぐらいの大きな袋に入っているやつを発見した
 よく見ると、それはねこ用ではなく、いぬ用だったのだが(笑)、
 試しに買ってきて喰わせてみると、2匹とも喜びはしなかったものの、
 口を大きく開けてガリガリガリガリ喰っていた

 そのせいか、その2回めの出産ではイヌキチと名付けた、
 柴犬みたいに手脚の先だけが白い、茶トラのオスねこが生まれた
 しかも顔も云わゆるハチワレに白くて、まるでいぬ!(笑)
(こいつのこともまた別項でご紹介いたします)

 ねこにも一匹一匹食べ物の嗜好があるみたいで、
 元々、家の中にねこがうじゃうじゃうじゃうじゃいるような、
 云わゆるねこ屋敷みたいなところで生まれたうたえもんは、
 生粋の飼いねこ故に人間の食べるものもだいたい何でも喰う
 あいにくキャット・フードが切れているときに細君が、
 苦肉の策として、さつまいもの煮転がしをくれてやったところ、
 うたえもんはいやいやながらも喰ってはいたものの、
 茶々丸は喰わなかった

 茶々丸はぼくたちが寿司とか刺身を喰っていても一向に無関心・・
 彼女の大好物はかつおぶし、ちくわ、かまぼこ、かにかまと、
 要するに生魚ではなく加工魚肉食品である
 あと、何故かパンを欲しがる

 子ねこは2匹、4匹の次にまた5匹生まれた

 このときの出産はぼくも見ていたんだけど、凄いよね
 だれに教わったわけでもないのに、ちゃんと一匹で産んで、
 何やら胎児を支えていた部分とかヘソの緒なんかは、
 全部自分で食べてしまう
 偉いなあと思ったね、まじで

 また生まれたばかりの子ねこは、目も開いてなく、
 ほとんど毛も生え揃っていないんだけど(だから柄がわからない・笑)、
 ごくごく小っちゃな手脚の先に、わずかばかりだけど爪だけはある
 ねこにとってもっとも重要なパーツ故に、
 生まれたときから既にある程度発育しているのでは?

 幸いなことに引き取り手にはさほど困らなかったものの、
 そんなのが4匹も5匹も床をちょろちょろちょろちょろしているのも、
 なかなか落ち着かないものである
 そこで茶々丸は避妊、うたえもんは去勢手術を受けた
 それからしばらくしてうたえもんは弱冠4歳で急逝・・
 以降、茶々丸は未亡ねこと云うか、後家ねことなり現在に至っている

 そうそう、ねこは0と1と2以上の3種類の区別がつくらしい
 パソコンよりリコウだね(笑)
 故に子ねこが1匹もいなくなると、にゃあにゃあ騒ぐけど、
 5匹が4匹とか4匹が3匹になっても一向に気が付かナイ
 また、人間とねこの数勘定の違いもわかるようで、
 うたえもんの生前は人間2:ねこ2だったけど、
 現在は2:1なわけで明らかに様子が異なる
(2:2のころは態度がデカかった) 
 
 ねこは人間になつく、とよく云われているが実はそうではナイ
 ただ、人間をうまく利用できる動物なのだ
 いぬのように人間と主従関係を結んで媚びることもなく、
 勝手気ままに好き放題やりたいままに生きている
 ねこから学ぶことは実に多い(笑)

 たまに細君の留守に帰宅すると、寄ってきて、
 脚もとでにゃあにゃあにゃあにゃあ鳴いていたりする
 一見、ご主人さまが帰ってきて喜んでいるように見えるが、
 ねこなんぞに騙されてはイケナイ・・
 よおーく見てみると、水がナイとか、めしがナイとか、
 暑いからクーラーをつけろとか、
 寒いからねこ用の電気座布団のスイッチを入れろ、とか、
 要するにただ人間に何か要求しているだけなのである

 そのすべてが揃っているのに寄ってくるときは、
 たいくつだから遊んでくれ、撫でろ、ブラシをかけろ、
 或いは、自分(ねこ)がそこにいたいから、
 おまえ(ぼく)はそこをどけ・・

 おまえは何サマだっちゅーの!(笑)