読み終えた1冊から。
憂国のモリアーティ(13)
昨晩書いたとおり新刊発売日を事前にチェックしておきながら買い忘れてしまい、約1か月遅れで入手してきました。表紙を飾るのはジェームズ・ボンドことアイリーン・アドラーですね。
本巻収録エピソードのタイトルは「最後の事件」。
コナン・ドイルの作品ではホームズとモリアーティ教授が最初で最後の一騎打ちを繰り広げたした物語であり、その結末は当時の読者に相当な衝撃と喪失感を与えた問題作。『憂国のモリアーティ』の世界でも、ついにこのエピソードを迎えてしまったか…。
ところで『憂国のモリアーティ』に登場するキャラクターの中には、コナン・ドイルの作品(以下、原作)にも登場しているキャラクター達が、その性格や特技・職業を踏襲しつつ本作らしいアレンジが加えられて登場してくることも多く、僕にとってはそんなキャラクター達のアレンジも本作における楽しみの1つだったりします(マニアック…?)。
そんな原作にも本作にも登場するキャラクターの中で僕がその行動を一番気にしていたのがモリアーティ一党の一員であるフレッド・ポーロックという若者。
原作では「恐怖の谷」という物語にモリアーティ教授の配下として登場するキャラクターなのですが、非常にユニークなポジションの人物でもあるんですよね。“ネタバレ防止”が我が信条なので、これ以上書きませんが…(苦笑)。
で、そのユニークなポジションを『憂国のモリアーティ』の世界では、どのように取り入れていくのか?を自分なりの推測をたてたりしつつ注視してきたのですが、いやぁ、そうきたかぁ…。
自分のチープな推測が恥ずかしい(苦笑)。かねてから原作の取り入れ方のセンスの良さに感心していましたけど、『憂国のモリアーティ』の世界観を損なわず、かつ、原作のポジションも損ねない見事なアレンジに大いに感動し、速攻で読み返しをしました(笑)。
さて。物語もいよいよ佳境に入ってきました。僕はあくまでシャーロック・ホームズのファンですけど、『憂国のモリアーティ』における「最後の事件」を読み終えたあとは、原作の「最後の事件」を読み終えた当時の読者達に近い喪失感を味わうことになるんだろうな…。