ベイカー街の女たち~ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1 | jakeのブログ 

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本日は、読み終えた1冊から。

 

ベイカー街の女たち ~ ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1

 

ドリフターズが出演していた「ドリフ大爆笑」に「もしもシリーズ」という名コントがありましたけどさしずめこちらの物語は「もしもハドスン夫人が探偵だったら…」といったところ。

しかも相棒を務めるのあはワトソン夫人であるメアリー・ワトスン!更には、ホームズ物語に登場したのはたった1回にも拘らず抜群の認知度&人気を誇る“あの女性”まで登場しているのですから、面白くないハズがありません(笑)

 

ハドスン夫人と言えば、221Bの大家さん&ホームズ達の家政婦的存在(BBC「シャーロック」ではこの立場をうまくネタにしてますね…笑)でもありますし、この物語では台所がハドソン夫人の城・聖域である設定になっているので、いわゆる「安楽椅子探偵」のような感じになるのかな…と思っていたのですが、とんでもない!

証拠を求めてロンドン市街を駆け巡るわ、ホームズ&ワトソンが「犯人はふたり」で実行したトンデモ行動に出るわ、ラストの犯人との対峙シーンではその話術&メアリーとのコンビネーションで見事に撃破するわ…と、ホームズに負けず劣らずの大活劇を見せてくれます。

その一方で、ハドソン夫人が大家さんに至るまでの経緯や「探偵」として活動するに至るきっかけ、メアリーが相棒として関与していく経緯などはなかなかに説得力がありますし、ホームズやワトスンはもちろん、前述した「あの女性」やイレギュラーズの面々など、ドイル作品に登場する魅力的なキャラクター達も活躍しており、“にやり”とさせられてしまうシーンも満載。

また、ハドソン&メアリーの行動に焦れるホームズの姿が、なんだかいじらしく(ハドソン夫人やメアリーがホームズにとって大切な人だからこそ…なのですが)、超個性的なパスティーシュとしてとても楽しく読める作品でした。

 

サブタイトルに「1」と入っていますし、あとがきでも続編について言及されていたので「2」の出版を期待して待ってます。

 

 

 
 

 

☆余談

ホームズが活躍した時代の英国はまだ女性の権利がないがしろにされていた時代でもあるので、本作「ベイカー街の女たち」においても、そんな時代背景やそれゆえの社会的閉塞感・問題等も描かれており、社会生活における男女のバランスや格差を裏テーマとしているようにも感じました。

このあたりについてはBBC「シャーロック」の特別版“忌まわしき花嫁”でも1つのテーマとして描写しており、マイクロフトがポイント・ポイントで発した鋭い台詞にはずいぶんドキっとさせられたものです…。

くしくも本作を読んでるときとブログを書いているときに世間を賑わせていたのは「ポテサラ論争」やら「冷凍餃子手抜き論争」。我々には“学び”と“実践”がまだまだ必要なのでしょう。