イオンを創った女 評伝 小嶋千鶴子 / 東海 友和 | jakeのブログ 

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本日も正月休みに読み終えた1冊から。

東海 友和・著 『イオンを創った女 評伝 小嶋千鶴子』

 

業界紙で取り上げられていたのと、近所の書店で平積されていたことでずっと気になっていた1冊を読んでみました。

 

イオンと僕の関係は、一応株主で(保有数は知れてますが…)、近所に大規模なイオンがあるおかげで利用率(依存率?)はけっこう高め(笑)。あと、若かりし頃(まだ店名が“ジャスコ”だった時代)に中途採用試験を受けて落ちた(苦笑)…とまぁ、深くはないけど浅くもないぞ…といった感じなので、創業の立役者に関する本となれば興味も湧くというものです。

 

さて。

 

ビジネスの要諦として「ヒト・モノ・カ・情報」なんて言われますが、本書はイオンという大企業の「ヒト」ジャンルのスペシャリストに関する評伝。あくまで評伝なので「あんなことがあった」「こんなことがあった」といった第3者による回顧録的な記述が中心。いわゆる実務書ではないので、実務的に参考にしようと思うと数々のエピソードの中から、ポイントとなるエッセンスを自力で抽出する作業が必要はあるかと思います。

 

 

会社で総務・労務を担当する実務屋としては、今でいうところの「パート社員」の積極採用や「変形労働制」「有給休暇の時間単位付与」などを時代に先んじて積極的に導入していたことや、後々の事業発展を見据えて社員に対して経営学や国際学など多岐に渡るジャンルの「教育」を早い段階で、しかも大学教授を招いて本格的に実施していたことなどの先見性には、感銘を受けました。

なるほど、こういう源泉があるからこそ、今のイオンがあるのか…と。「イオンを創った女」というタイトルは、まさに言いえて妙!と納得させられるものがあります。

 

 

もっとも、小嶋氏であれ著者の東海氏であれ、イオンの現職の方ではない以上、現在の会社への影響度や数々の制度を現在の社員達がどのように感じているのか…?という面については推測の域を出ないですし(ちなみに、文中には現役社員からのコメント等は一切出てきません)、小嶋氏の刺激的な発言の数々も、経営者あるいは管理者には間違いなくウケるでしょうけど、今のご時世、社員に対してこれを安易に発してしまうとパワハラ扱いされるかも…と、危惧される部分も。

著者は「小嶋千鶴子でなければ、できないことではない」と書いていましたが、教育への注力や適材適所の人事などのマネしやすいアイデアと、カリスマ性を持つ彼女が発するからこそ受け入れられたであろう言葉・対応があることを、ちゃんと判定しながら読む必要があるように感じました。

 

 

ともあれ小嶋千鶴子氏の経歴や実績、根底にある思考などは、とても魅力的だし刺激的!

特に人事などの実務に携わる人なら、何がしかのヒントや刺激が得られるであろう1冊だと思います。