ジャーニーマン / エリック・クラプトン  | jakeのブログ 

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夫・父親・会社員・社労士有資格者・アマチュアミュージシャン・・・

いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

今から約1年前のこと。

 

好きなギタリストのことを徒然なるまま書こうと思い、フェイバリット・ギタリストの話というテーマを作っておきながら、まったく手を付けていなかったことに気が付きました…(苦笑)

 

そんなワケで。

 

マニアックかつ独断と偏見に満ちた文章ですが、よろしくお付き合いいただければ幸いです。

 

さて。

 

本日ピックアップするのは、敬愛するギタリスト、エリック・クラプトンのこちらの作品。

1989年にリリースされたアルバム『ジャーニーマン』。

 

高校生の頃ギター・レジェンドとして“知っていた”エリック・クラプトンの“現在進行形”を目の当たりにしたときの衝撃といったら…。当時は明けても暮れても、このアルバムばかり聴いてました。

 

マニアックな話ですが、アルバム「オーガスト(1986年)」あたりからメイン・ギターが自身のシグネイチャー・モデル(初代のゴールドセンサーPU搭載タイプ)になり、アンプも当時のツアーに帯同していたマーク・ノップラーの影響からソルダーノに、更には「ビハインド・ザ・サン(1985年)」制作時にサイド・ギタリストとして参加していたスティーブ・ルカサーの影響(と言われている)からボブ・ブラッドショーのエフェクター・システムも積極的に導入したことで、クラプトンのギター・サウンドがガラリと変わったのが、この頃。

 

ブルース・ブレーカーズやクリーム時代のようなマーシャル+レス・ポール(又はハムバッカー搭載のギター)による粘りのあるドライブサウンド、あるいは伝説のストラトキャスター“ブラッキー”の枯れたサウンドに馴染んでいる僕の周囲にいた年上の方々は、この頃の音を嫌っている人が圧倒的に多かったんですよね…。

でも、僕はこの頃のサウンドが一番好きで、自身のサウンド・メイクの手本にしていたため、ずいぶん異端視されました…(笑)。

 

バンド・メンバーに目を向けると、今でもクラプトン・バンドには欠かせない存在であるネイザン・イースト(ベース)はじめ、スティーブ・フェローン(ドラム)、グレッグ・フィリンゲインズ(キーボード)といった80年代後半~90年代前半のクラプトン・バンドの中心を担ってきたミュージシャンが参加しているほか、前作・前々作でプロデューサーをつとめていたフィル・コリンズや、盟友ジョージ・ハリスン、映画「リーサル・ウェポン・シリーズ」のサントラ等でも共演しているデヴィッド・サンボーンなどなど、豪華なメンツが参加しています。

 

収録曲は全部で11曲。

 

以下、独断と偏見に満ちた曲解説をしてみます。

 

①Pretending

豪雨の中で演奏するシーンが印象的なミュージック・ビデオ。アルバム本編だけじゃなく、ライブでもオープニング曲として使用されることが多かったように思います。後年、忘れた頃にセット・リスト入りしていたこともあるので、お気に入りの曲だったんでしょうね…。

 

②Anything for Your Love

90年代らしい打ち込みによるリズム・トラックが印象的な曲。ねばちっこいクラプトンの歌い方が、なんだかやらし~い感じ(苦笑)ギター・プレイでは、間奏のソロはもちろん素晴らしいのですが、僕個人的にはヴォーカルに対するオブリガード・プレイがメチャクチャ渋くて格好よい聴きどころだと思っています。

 

③Bad Love

グラミーの“ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞”受賞曲。当時ホンダの「アスコット」という車のCMで使用されており本人も出演していたため、生き神様を見たような思いをしました(笑)

ワウを利かせたパワフルなリフ、ソロ前のクランチがかったコードワーク、クリーム時代のウーマン・トーンをほうふつとさせるソロプレイと、僕としてはなぜ“ロック・ギター・パフォーマンス賞”を創設して送らなかったんだ!とグラミーにクレームを入れたくなるくらい、素晴らしいギタープレイが凝縮された1曲だと思います。

ちなみにこの曲、名曲「レイラ」のパワフルなリフ、歌い出しでいきなり転調する、これまでとは雰囲気の違うパートを挿入する…といった構成をヒントに、完全に“ヒット狙い”で作った曲なのだとか。実際にヒットしてグラミーまで受賞しちゃうって…すごいなぁ…。

 

④Running on Faith

美しいミディアムテンポのバラード曲。後にリリースされたライブアルバム「24ナイツ」では4ピース・バンドによる演奏が、大ヒットアルバム「アンプラグド」でも、ドブロを使った渋いアレンジの演奏を聴くことができるのですが、いずれのアレンジ・演奏も格好いいんですよね…。名曲と名演奏者がガッチリ噛み合うとこうなる…という、好事例だと思うのでぜひ3バージョンとも聴いてほしいところです。

 

⑤Hard Times

作曲はレイ・チャールズ。ジャジーなアレンジと、曲間のサックス→ギターと弾き継がれる激渋ソロがめちゃくちゃ格好よく、高校生だった当時の僕は「こういうのを大人の演奏って言うんだろうなぁ…」なんて思っていました(笑)

のちにリリースされたライブ・アルバム「24ナイツ」にはオーケストラとの共演によるリッチなバージョンも収録されているのですが、この曲に関しては、このアルバム・バージョンの方が曲の雰囲気とマッチしてるように思います。

 

⑥Hound Dog

エルビス・プレスリーでおなじみのロックン・ロール・ナンバー。「かる~くハウンド・ドッグでも演ってみようか…」ってな感じで演奏&録音して「いい感じだから、アルバムに採用しちゃおうか…」ってな会話でもってアルバム収録されたんじゃなかろうか…と勘繰りたくなるくらい、歌・アレンジ・ギターとも、とてもリラックスした雰囲気が心地よい1曲です。

 

⑦No Alibis

ミディアム・テンポの伸びやか&爽やかな1曲なのですが、誤解を恐れず書くと他の収録曲のクセが強すぎて(笑)、全体の中ではやや控えめな印象なのは否めません。良い曲なんですけどね…。

ギターのサウンドに注目すると、フロントorセンターでトレブルを抑えたサウンドでソロを弾く…という、この頃のクラプトンの嗜好がよく出ているように思います。

 

⑧Run So Far

作曲はジョージ・ハリスンで、楽曲提供のほかギターやコーラスでも参加しています。

クラプトンの大親友であり、音楽家として良きライバルであり、恋敵でもあり…という複雑かつゴシップ的な話題はさておき、この曲は穏やかなロック・ポップなんだけど不思議な浮遊感があり本アルバムの中でも異彩を放っているように思います。誤解を恐れず書けば、突出したインパクトのあるパートやメロディーがあるとは思えないのですが…でも不思議と耳と記憶に残るという…。ジョージ・ハリスン、恐るべし。

 

⑨Old Love

このアルバムにサイド・ギタリストとして参加しているロバート・クレイとの共作。それぞれソロをとっているのですが、クランチ・サウンドのロバートクレイとドライブ・サウンドで伸びやかに歌うクラプトンのソロの対比がとても印象的です。

この曲も後年リリースされたライブアルバム「24ナイツ」に9ピース・バンド・バージョンが収録されているのですが、このライブ・テイクのギター・ソロがですね…もう悶絶モノに格好いい!ソロの入り一発目でかましてくるチョーキング&チョーキング・ヴィブラートなんて…。何回聴いても痺れます。

 

⑨Breaking Point

クラプトンは「ワウ・ペダルの名手」としても有名なのですが、そんな名手の“ワウ・プレイ”を1曲をとおして聞くことができるのが、この曲。

イントロやソロだけではなく、ちょっとしたオブリガードでも使用しているため、この曲まるっとカバーしたら“ワウ”を使ったプレイの大半をマスターできるんじゃないかと思うくらいです。クラプトンは指技だけじゃなく足技もすごかった…と思えること必至。

 

⑩Lead Me on

クラプトンの裏声による囁くようなヴォーカルとソフトタッチのギタープレイが、なんだかとてもいやらしい曲(笑)そりゃこんな歌い方されたら…弾き方されたら…相手は絶対オチるよね…なんてのは、モテた経験がない男のゲスな感想なんだろうなぁ…(苦笑)

 

⑪Before You Accuse Me

「アンプラグド」はじめ、今でもライブのセット・リストで目にすることの多いブルース曲なので、よほどのお気に入りなんでしょうね。

⑥の「Hound Dog」同様こちらも「オレのお気に入りのブルース演ってみようか…」ってな感じで演奏&録音して「いい感じだから、アルバムに採用しちゃおうか…」ってな会話があったんじゃないか…勘繰りたくなるくらい、リラックスした雰囲気が伝わってくるのですが、それでも容赦なく格好いい演奏なのが流石です。

 

…さて。

 

こんなとりとめのない話に興味を持っていただけるのか…?という疑問はありますし、思い入れが激しい分メチャクチャ長文化するという欠点も見つけてしまいましたが(苦笑)、同時に書いててメチャクチャ楽しかったので、このテーマも地道に続けていこうと思います。