明日、職場の上司が御退職されます。
まるっと7年間、この上司とともに働いてきたのですが、僕にとっては仕事をするにおいて、すべてにおいて信頼できる上司であり、理想であり、憧れであり、尊敬する存在。
見た目も口調もちょっぴり(かなりか?)迫力があるので、第一印象は怖いのですが、実はとてもユニークで独創的な人。“上司”という表現より“ボス”という表現のほうがしっくりくる感じの人だった。
知識も経験も豊かな実力者なので、どんなことでも全力でぶつからないと勝てない相手であり、お互いに口が悪い(苦笑)ゆえに議論が白熱すると傍目からは不仲だと誤解されるのですが、実際のところは議論が終わればいたってフツーに雑談できる関係。
僕が課題を成し遂げたときには手放しで褒めてくれ、バカなミスをやらかせばストレートに「バカだね~お前はッ!」と言ってくれる人。壁にブチあたったときは、とことん相談に乗ってくれる人。書類をミスったとき「俺もそれを見抜けずに押印したんだから同罪だわ」なんて、シレっと言ってくれる人。
納得できないことがあると年甲斐もなく熱くなって誰彼構わず厳しい口調になり、部下の僕がなだめ役になる…なんてこともあったし、話がくどくて、ちょっぴりウザいなぁ…と感じたこともあった(苦笑)。
でも、その熱さや厳しい口調の根源にある真面目さやシャイな部分はこの7年間一番近くで仕事をしていた僕が誰よりも知っている(つもり)だから、なだめ役に回るのが嫌だと思ったことは一度もなかった。
話のくどさだって…あぁ、これだけは「いい加減にしてくださいッ!」なんてツッコミはできなかったなぁ(笑)。
子供の年齢が近いのでパパ友的な感覚もあり、パソコンやスマホの師匠でもあり(たまにこちらが師匠になることもあった)、社会問題から下世話な話まで尽きることなく話ができる人であり…。
趣味はまったく合わなかったけど、でもあちらの趣味は面白おかしく話してくれるし、こちらの趣味の話もちゃんと聞いてくれた。
社会人としてはNG(かもしれない)僕の髭面も(少なくとも我が社で髭をたくわえているのは僕一人だ)、僕のライブ映像を観て「お前がアーティストだってことはわかった。まぁ…思うところはあるけど認めてやるよ!」なんて言ってくれた。ひょっとしたら本心では「お前なぁぁ…それはやめとけよ」と思っておられただろうけど。でも、他の社員が僕の髭の話に及ぶと「コイツはアーティストなんだよ!だからさ、こういう格好つけは仕方ないんだよ。まぁ、そういうワケでしぶしぶだけどさ、俺は認めてやってんだよ!」なんて格好良いことを、スパッ!と言ってくれる人だった。
あと…
あぁ…書き出したらキリがない。
つまり僕にとってこの上司…ボスは、僕に多大なる影響と衝撃を与えた存在であり、一緒に仕事ができたことを幸せに、そして誇りに感じている人だった。
転職を続けてきた僕は自分が見送られる経験はあっても上司を見送る経験なんてほとんどしてこなかったので、上司を見送り、明日からはその席には誰もいない…なんてシチュエーションに対する免疫がない上に、見送る相手が「この人の住む方向には足向けて眠れんな…」くらいに思っている人なので、なかなかの喪失感を味わっています。
…もっとも、グループ関連会社で時間は少ないながらもお仕事をしていただけることになっているので、まだ完全にお別れ…というワケではないことに、救いがあるのですが。
とはいえ。ひとつの区切りのとき。
我が上司…いや我がボスのTさん。この7年間、僕はあなたの下で働くことができてホント幸せでした。とても平凡な表現ですが、ありがとうございました!
天邪鬼な僕にはハードルが、ちょっと高いことですが、明日は我がボスに面向かって、そんなふうに感謝の気持ちを伝えようと思っています。