帝王学-「貞観政要」の読み方 / 山本七平 | jakeのブログ 

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読み終えた1冊から。

 

 

山本七平・著『帝王学-「貞観政要」の読み方』。

 

ライフネット生命の創業者・出口治明さんが“歴史上最も優れたリーダー論”として「座右の書」と絶賛していた『貞観政要』。この解説本があることを知り、入手したのが本書です。

 

中国で国内がもっとも平和に治められ、政治的な理想時代といわれているのが太宗が統治していた時代。その太宗の政治手腕や言動―政治の要諦―を集約したのが『貞観政要』なのですが、この書物に書かれているノウハウは、現代でも充分通用するということで、経営者や政治家といったリーダー達にも愛読者が多いのだそうです。

 

 

そのノウハウの中でも特に現代に通用しそうなノウハウを抽出し、よりわかりやすく解説してくれているのが本書で、「敵の忠臣を登用する」「部下の諌言(かんげん)を聞き入れる」「清貧の生活に甘んじよ」「人間の表裏を知る」と言ったノウハウがそれらの考え方が誕生した背景や、その意義について丁寧に解説してあり、とても読みやすかったです。

 

 

印象に残ったのは太宗が自分を叱ってくれる(諫言を呈する)部下をたくさん抱え、彼らの意見に率直に耳を傾け、納得すればすぐに改めるという柔軟な姿勢。僕のまわりにはありがたいことに年齢なぞ関係ね~ぜ!ってな感じでガンガン言ってくれる人が多いので(笑)、ある程度聞いている“つもり”ではあるのですが…。“つもり”ではダメなんだよなぁ…と反省。

 

色々と調べてみると『貞観政要』を読んだリーダー達の多くも、この太宗の姿勢に関心し、心に留めようとするようです。皆がみんな実践しているか否かは別として…ですが。

 

 

一方、リーダーではない人達がここを読むと、「ウチのリーダーも、太宗のように諫言を聞き入れてくれたら…」と、別のカタチで心に残るそうです(苦笑)。実際、「…そうです」などと他人事のように書いている僕も、前述のような反省するより先に、最初にそう思いました(苦笑)

 

 

この点について本書では、「そう思ってしまうことは仕方がない」としつつも、そう思う人達に対し「太宗の部下のように信念と責任を持って諫言を呈しているか?その姿勢を貫けてるか?」という強烈な問いを投げかけられ」ており、これにはもう「仰るとおりです…」とアタマが下がる思いでした。

 

 

立場上、リーダーシップをとる面もあれば、部下として働く面もあるので、太宗の柔軟な姿勢と共に、この強烈な問いも心に留めておこう…と思います。

 

こんどは『貞観政要』そのものを、読んでみよう。

 

 

 

山本七平さんの著作と言えば、以前これも読みました。

 

記憶が確かなら、吉越浩一郎さんが推薦していたはず…。