読了した1冊から。
住野よる さんの『青くて痛くて脆い』。普段の我が偏った読書生活からすると無縁な1冊だったのですが、職場の有能な後輩 H君が「この本、面白いですよ!」と、縁を取り持って(=貸して)くれました。
ライトノベルっぽくもあり、純文学っぽくもある不思議な感覚の本でしたが、使われている言葉や描写が丁寧で、とても読みやすくシチュエーションもイメージしやすかったです。
物語の内容は、『青くて痛くて脆い』という秀逸なタイトルがすべてを表現してる感じ。登場人物がコドモではないけど大人とも言い切れない微妙な年代…誤解を恐れず言えば、人生で一番中途半端なポジションであろう…大学生というのも、この“青さ”や“痛み”や“脆さ”を表現するのに最適だったように思います。
一番印象的だったのは中盤以降の怒涛の展開。ある意味では日本語の曖昧さを利用したトリックでもあるのですが、“鍵”になる一文からの展開は、まったく予想外でとても刺激的。それまでは数日に分けて読んでいたのですが、その一文からは先が気になって止まるに止まれず、おかげで翌日はやや寝不足気味でした(笑)。
そんな怒涛のラッシュからのラスト・シーンが…これまた予想外に美しく帰着するところが心憎い(笑)。中盤からは完全に作者の意図するところに乗せられたんだろうなって感じです。
H君、いい本を紹介してくれて、ありがとう!
![]() |
青くて痛くて脆い
1,500円
Amazon |