先日読み終えた1冊から。
望月麻衣さんの新作『京洛の森のアリス』。僕のような40半ばのオッサンには少々照れくさい表紙とタイトルです(笑)。
本書のあとがきや望月さんのブログでも言及されていますが、スタジオジブリ作品への敬意を感じる和テイストのファンタジー小説。
実のところファンタジーは、あまり得意なジャンルではないのですが、前半のおだやかな雰囲気で“京洛”の世界にじわじわ~っと惹きこまれ、主人公が一大決心をする中盤後半から、大団円を迎えるエンディングまでのスピード感あふれる物語の展開に圧倒され、気が付いてみれば数時間で読み終えていました。
ファンタジーとは言いつつもところどころに「生きることとは何か?」を考えさせられるようなシーン、心にグッと迫ってくる台詞もあり、ただのファンタジーで終わらせておらず、硬軟のバランスが絶妙なのも好印象です。そういったバランス感覚も、ジブリ作品へのリスペクトからくるのかもしれません。
この作品もまた、続編が決定しているのだとか。新作を楽しみにしています!
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京洛の森のアリス (文春文庫)
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しかし…「京都」という共通キーワードがあり、書籍化の前にエブリスタへの投稿により、ある程度のストックがある(ご本人曰く)…とはいえ、4つもの作品を並行して書き(「京都寺町三条のホームズ」「わが家は祇園の拝み屋さん」「京都烏丸御池のお祓い本舗」「京洛の森のアリス」)、いずれの作品もシリーズ化され(本作「京洛の森のアリス」も続編の予定があるそうです)、更にはコミカライズに(「京都寺町三条のホームズ」「わが家は祇園の拝み屋さん」)アニメ化(「京都寺町三条のホームズ」)って…。
つい先日までわずか1分の原稿を、週に1回提供する程度でも七転八倒して書いていた身としては、ただただ感心するばかりです…。やっぱプロってスゴい。