シャーロック・ホームズ ベイカー街の殺人 / エドワード・D・ホック他 | jakeのブログ 

jakeのブログ 

夫・父親・会社員・社労士有資格者・アマチュアミュージシャン・・・

いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

先日読み終えた1冊。


エドワード・D・ホック他ミステリー小説作家が書いたホームズ・パスティーシュ傑作集『シャーロック・ホームズ ベイカー街の殺人』。日本語訳は日暮雅道さん。

原書房から出版されているこの「傑作集」の存在は、数年前に地元の図書館で見つけて知り、既に何冊かを入手したり、あるいは読んでいたりします。

この作品も、その地元の図書館で借りて読んだような記憶があったのですが、先日立ち寄った某●ック・オフで見つけ、「確か読んだハズなんだよな…」とは思いつつも、コレクション的な感覚で入手しました。ただ、実際に読んでみると、どの物語もまったく思い出せないので、どうやら記憶違いだったようで…(^^;)。

収録されている作品は短編パスティーシュ11作とエッセイ3作の計14作。

短編パスティーシュ11作品は作者が全て違うため、物語の構成や描写の視点、登場人物の扱い方などにそれぞれの個性が現れていて、11人11様のホームズが楽しめます。個人的にはやや変化球っぽい作品「ホームズを乗せた辻馬車」が、今までに読んだことがないアプローチが新鮮で、印象に残る作品でした。

ちなみに、明らかに読んだ記憶があるという作品もあったのですが、それもそのはず。その作品「匿名作家の事件」は、エドワード・D・ホックによる作品で、昨年末に読んだ彼のパスティーシュ作品をまとめた本にも収録されていたものでした。もっとも、これは出版年も違うし、後者は作品集なので、収録されていて当然なので、気になりませんが…。

エッセイ3編のうち「シャーロック・ホームズをめぐる思い出」はドイル自身がホームズについて語ったもの。
自らが生み出し、彼に富と名声をもたらした人気キャラクターにも関わらず(だからこそ?)彼自身はホームズ作品を嫌っていたので、ドイル自身がホームズについて語っているものはかなり少ないらしく、貴重な資料なのだとか。たしかに非常に興味深い内容でした。

対して残る2編は、研究者ならではの視点でかなりマニアック。特に「さて、アーサー・コナン・ドイル君から一語」は「そういうことまで、調査の対象になるんだね…^^;)」なんて、ここまでくると、もはや呆れるのを通り越して感心してしまいます。恐るべし、シャーロッキアン。

本の重さと厚さにふさわしい、読み応えのある1冊でした(^^)。

シャーロック・ホームズ ベイカー街の殺人/エドワード・D. ホック
¥1,944
Amazon.co.jp