大学を卒業してから2年ほどフリーターをしていたのですが、うち最初の半年くらいはお堅い(?)某大手デパートの「家具売り場」でのバイトだったので、その雰囲気にあわせてヒゲなし。
その後、ひょんなきっかけで学生時代にバイトをしていた楽器店にアルバイトとして復帰した頃あたりから“ヒゲ”も復活。そのままその楽器店に就職してからも、しばらくは“ヒゲ”を生やしており、ある種トレードマークのような感覚でいました。
(社員として)入社して数ヶ月した経った頃に、新店舗の立ち上げに参加することになったのですが、そのオープニング・セレモニーの前日に一度“ヒゲ”を剃っています。
きかっけは、プロジェクトの統括マネージャーさんに「jake君、ヒゲ剃る気ない?」と言われたことなのですが、僕がいたLM楽器売り場(※)というのは、社内ではよく言えばフリーな場所、悪く言えば異端な場所で(^^;)、“ヒゲの有無”でとやかく言われることはなかったのですが、この新店というのが全ての商品を扱うことから、お会いするお客様の層も幅広くなることやそういう売り場で“ヒゲ面はいかがなものか…?”という話になったようです。
(※)LMはLight Musicの略称。クラッシック音楽に対しポピュラー音楽を「軽音楽」なんて呼称されます。じゃLM楽器は…といえば、手っ取り早く表現すればロック・ポップス系のバンドで使用している楽器全般(ギター/ドラム/ベース/キーボード…)といった感じ。もっとも、ロックバンドだってヴァイオリンや管楽器を使用するバンドもあるし、例えばクラッシック・ギターはクラッシックだけどギターだからLMが扱うとか、実際はかなりアバウト…というか、これだけ音楽が多様化すると、そういう区分けすら怪しいかも。
実際のところは、命令・指導というより、推奨という感じの言い回しではあったのですが、当時の僕は新人社員(とはいえアルバイト期間も長いのでそういう扱いされませんでしたが^^;)なので、マネージャー・クラスから言われてプレッシャーを感じてしまい、「あ、やっぱ“ヒゲ”って世間一般にはNGなんだぁ…。」と思う一方で、若気の至りで「ふんッ!そんな世の中の感覚にそむいてナンボさ!」という気持ちもあり(^^;;)、“迷える若人”をしていたのですが…。
そのやりとりを見ていた直属の上司が、そのマネージャーに対して「コイツ(=僕)の“ヒゲ”の有無と、仕事が出来る・出来ないは関係ないですよ。」なんてことを言って、かばってくれたんですよね。
それはそれでうれしかったのですが、それ以上にグッときたのが、「最終的な判断はお前(=僕)にまかせるけど、“ヒゲ”がないからお前のアイデンティティーが保てないっ…てものでもないだろ。」という上司の一言。
この言葉を聞いたとたんに、「そうだよなぁ…。どんな見てくれであれ、オレはオレなんだよなぁ…」と思い、“ヒゲ”を剃る・剃らないという程度のことで迷っていることがなんだか急に馬鹿馬鹿しくなって“迷える若人”状態から吹っ切れ、その日の晩に剃りました。
もっとも、“ヒゲなし”だったのは、オープンから1~2週間ほどのこと。
思うところがあって、再び“ヒゲ”を生やしました。
(続く)