再び“ヒゲ”を生やした時は、それまでの“あこがれ”(ノリ一発とも言う^^;)に加え、「自分の顔(存在)を覚えてもらえるように」と、意図的にやっていた部分があります。
新店のオープン初期は、こちらの想像以上に多くのお客様…とくに新規のお客様…に来店いただき(当時は時代的にも勢いのあるバンドが多く、楽器をやろう!という若者が多かったのです)、文字通り“飛ぶように”売れまして(^^)。
それはそれで嬉しくありがたい話だったのですが、一方で、お客様ひとりひとりとお話をする時間が極端に短くなったのも、事実。
それまでの売り場が、その立地条件もあって比較的来店数が少なく、お客様ひとりひとりとゆっくりお話することができたため名前を覚えてもらえることができていたのですが(新規客が少ないことそのものは問題では、ありますが…)、新店のほうでは、ゆっくり話をする余裕がなく、お客様に自分の存在を覚えてもらえないことも多くなってきました(もっとも、こちらも覚えきれませんでしたが…^^;)。
別に有名人になりたいワケではないので、自分の名・存在を覚えてもらうことにそんなに固執する必要はありませんが(^^;)、まがりなりにも営業という立場の人間。お店に来てもらったときに、僕を指名してもらえるかしてもらえないか…というのは、次の商売にも影響があるのもまた、事実。(指名なんて書くとホストみたいですけどね…^^;)
さて、どうしたものか…というときに、ふと思い出したのが、僕の上司が若かりし頃に“ヒゲ”を生やしていた理由。当時の上司も僕と似たような悩みを持ち、お客様に自分を印象付けるために…と思い“ヒゲ”を生やしたのだそうです。
それを聞いたときは「そういう考え方もあるんだなぁ…」なんて聞き流していたのですが、「名前はダメでも“ヒゲを生やした店員さん”なら覚えてもらえるかも…」なんて思いのばしてみたのですが、案外これが的中し、ぼちぼち…ではありますが、僕の存在を認知してもらえるようになってきました。
もっとも、2~3か月もしたら来客数も落ち着き(^^;)、元のようにじっくり話ができる環境になりましたけど…(喜ぶべきか…悲しむべきか…)。
後に、楽器店を退職してテーマパークの運営会社に転職したのですが、その会社には運営スキル面はもとより、“見た目”の部分でも明確なコンセプトがあり、それは十分納得できるものだったので、この間は“ヒゲ”封印。
さらにその後、福祉用具の貸与事業所に転職したのですが、小さな新規事業所の営業マンという、おそらく介護支援事業所からすれば「星の数ほどいる存在」のひとりにすぎない僕を少しでも覚えてもらうために、ここでは再び意図的に“ヒゲ”を生やし、さらに服装もあえてカジュアルなものにして、「営業マンらしからぬ雰囲気」を演出していました。
その会社には約2年間いたのですが、“ヒゲ”を生やしていなかったとき(前半)と“ヒゲ”を生やしたとき(後半)と比べると、後半の方が相手に覚えてもらえる確率が圧倒的に高くて、2回目・3回目の訪問ともなると、「あぁ!前来た人ですね…」なんて感じで接してもらえましたし、比較的上位役職の方(決裁権を持っている方)に取り次いでもらえることも多かったです。
もっとも、“見た目”だけじゃなく、持っていく商材だったり、話の切り出し方や、訪問する時間帯なんかも、それなりに工夫してはいたので、“ヒゲ”ばかりで覚えてもらったわけではない…とは思いますが…(ってか、そう思いたい…^^;)。
この会社では、最終的に経営サイドとの衝突(… --;)が激化して退職したのですが、それがちょうど社労士試験2年目のとき。
今でも覚えているのですが、その受験票に貼り付ける写真を撮りに行ったときに、ちょうどその写真館(縁起を担いで、わざわざ写真館で撮りました)で、七五三の記念写真のイベントをやっていて、かわいくor格好よく着飾った子ども達がたくさんいたんですよね。
そんな明るい雰囲気が漂う場所に、陰々滅々とした表情の(※)“ヒゲ面のオッサン”というのはメチャクチャ浮いていて、特に何をしたってわけでもないのですが、「なんか、ごめんね…」って感じでした(^^;)。
※お恥ずかしい話ですが、あの年の春先~夏の時期というは社労士試験への不安や仕事・職場に対する不平不満、それらに対処できない自分への苛立ちなどで精神的にかなり不安定でした。そのときに撮った証明写真には、そういう“負のオーラ”が如実に現れていて、我ながら「あぶねーな、コイツ…」なんて思いましたね(^^;)。
今でこそ「あれはあれで、貴重な経験だった」とは思いますけど…ああいうのは二度と経験したくないですね。
その年の夏の社労士試験が終わるまでは“ヒゲ”を生やしていましたが、気分を一新したいという思いもあって(再就職活動もありましたし…)、試験が終わってすぐに“ヒゲ”を剃り、再就職から今年の夏頃まで、“ヒゲ”は封印(?)していました(長期休暇中を除く)。
今年の夏に一時的に復活した理由は、少々情けないもので…。
(自分でも思いのほか…続く)