北原尚彦さんによるパスティーシュ作品「ジョン、全裸同盟へ行く」を読み終えました。
本作のポイントはBBCドラマ『 SHERLOCK 』のパスティーシュであること。
ホームズ作品のパスティーシュと言えば「語られざる事件」ネタは定番の1つですが、この作品は言わば『SHERLOCK』の「語られざる事件」といったところで、ドラマからのネタが引用されていることはもちろんのこと、キャラクター間の関係や台詞の小気味よいテンポ感はドラマの雰囲気そのもの!仮に『SHERLOCK』が連ドラ化されて(^^;)、この小説をベースにした物語が登場しても何の違和感も感じないだろうな…なんて思います。
ドイル作品の取り込み方は、“活字”と“映像”という表現媒体の差もあるかと思いますが、本家BBCドラマよりも明快…というか、「ドイル作品のこの物語を取り込みました」という部分を、あえてわかりやすくしている印象があり(僕のようなシャーロキアン“もどき”でもピンとくるくらいなので…^^;)、「あの作品のあのネタを持ってきたんだな」なんて楽しみも満載!
サブタイトルに「John & Sherlock Casebook1」ってわざわざ書いてある…ということは、続編を期待していいよってことなのでしょう。あとがきにもそれを匂わせる文章もありましたし…。
本家ドラマと同様、末永く続いてほしい作品です。
余談:本作品を読むときのBGMがコレだったことは、言わずもがな。
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