1985年に公開された映画『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』。
制作総指揮を担当したのは、あのスティーブン・スピルバーグ。映像界の超ビッグ・ネームが絡んでいるから…なのか映画のタイトルの前に「STEVEN SPIELBERG PRESENTS」とガッツリ記載されています。
そんな大人の事情(?)は、さておき。
本作のホームズはティーン・エイジャー(19歳)。以前購入した書籍によると、これは実写映像作品におけるホームズとしては最年少の設定(※)になるそうですが、ズバ抜けた頭脳と推理力を持つ“聡明さ”と、ティーン・エイジャーらしい前のめり感と小生意気な上から目線感(これは成人してからも変わらないですが^^;)で周囲を振り回し、そして時にはそれを逆手に取られて振り回される…という“危うさ”とが絶妙なバランスで描かれていて、なかなかに説得力のある「若い頃のホームズ」像でした。
物語の展開的には、今となっては「80年代半ばって、こんな感じの冒険映画が流行ったよなぁ~」なんて“懐かしさ”が先行してしまう感は否定できませんが(^^;)、登場人物の台詞や立ち振る舞い等から読み取れる性格や思考、(受け取りかたによっては)その後のホームズに影響を与えたであろう出来事などを描き、ドイル作品との関係性をさらっと仕込んでいるところも好感が持てて、面白いパスティーシュ作品でした。
※この秋から本格的に放送されるNHKの人形劇『シャーロック・ホームズ』ではさらに年齢が下がって15歳設定。余談ですが、この『ヤング・シャーロック・ホームズ』の日本語吹き替え版もNHKの人形劇『シャーロック・ホームズ』もホームズ役を担当しているのは山寺宏一さん。偶然なのか、必然なのか…?