ベーシスト、ウィル・リーの1stソロアルバム『 OH!』。
ウィル・リーというベーシストを知ったのは大学生の頃。ちょいと回り道が必要な話なのですが…。
僕がハイラム・ブロック(ギタリスト)を聴くようになったのは学生時代の後輩ベーシスト・N君の影響で、その後輩が勧めてくれたアルバムが「Manny’s Car Wash」というライブ・アルバム。これを聴いて一発でファンになりました。
ところで、ベーシストであるN君が、何故にハイラムのそのライブ・アルバムを購入したのか…というと、このアルバムでベースを弾いていたのが“ウィル・リー”だったから。そう、N君はウィル・リーの大ファンで、ハイラムとウィル・リーとの関係(彼らが若かりし頃にやっていたバンドが、あの24丁目バンド)やら、ウィル・リーのベース・プレイがいかにすばらしいものか…を延々と聴かされたものです。(ちなみにN君はハイラムのプレイも好きで、このアルバムを聴きながら「Jakeさんも、こういうギター弾いて下さいよ~!」なんてことも言われちゃいました。あんなに弾けたら誰も苦労しないって…^^;)。
確かに、このライブでのウィル・リーのベースはテクニック的な安定度はもちろん、歌心があるし(余談ですがボーカルやコーラスも上手い)、自由奔放・変幻自在な演奏のようで抑えるべきツボはしっかり押さえる…という非常に気持ちのよいもので、ギタリストである僕から見ても「こんなベース弾かれたら、その上で弾くギターはさぞかし気持ちいいだろうな…」なんて思ったものです。(そんなワケで「じゃN君もさ、ウィル・リーみたいに弾いてよ」なんて言い返しておきました。彼の回答が僕と同じだったことは、言わずもがな…^^;)
そのN君とは社会人になってからも一緒にバンドをやっていたのですが、ある時、彼がTOTOの「ジョージ―・ポージー」とジャズ・スタンダードの「マイ・ファニー・バレンタイン」を演奏したいと言い出しまして。それも「ウィル・リーのソロ・アルバムみたいな感じで…」なんて言うわけです。といっても、そのアルバムを貸してくれたわけではなく、彼のカーオーディオで「こんな感じですわ~」なんて1回聴いただけで、あとはスタジオでコード譜を見ながら、N君の指示に従ってアレンジする…なんて感じで仕上げて、ライブで演奏したのが20代後半くらいのことだったかな…。
で。ようやくこのアルバムに行きつくのですが、そのときN君が言っていたウィル・リーのソロ・アルバムというのが、今回入手した、この『OH!』。実に十数年の時を経て、ようやくその全貌を聴くことができました(^^;)。
ベーシストのソロ・アルバムなのですが全曲歌モノで、そのボーカルもウィル自身によるもの(前述したとおりこの人、歌もすんごく上手なんです)。もちろん随所に格好いいベースプレイもあるし、アレンジも非常にオシャレで気持ちいい!
ギター弾きとしては、前述したウィル・リーの盟友であるハイラム・ブロックのほか、チャック・ローブやジョン・トロペイといったジャズ・フュージョンシーンで活躍する一流のギタリスト、更には、あのジェフ・ベックまで参加しているってのが嬉しいところ(ライナーによるとダメモトでオファーしたら快諾してもらえたのだそうです)。
そのジェフ・ベックの演奏が…凄い!1曲だけ・しかもギター・ソロだけ…なのですが、一聴して「ジェフ・ベック!」とわかる(僕はどの曲に参加しているという…知識なしで聴いて、わかりました…^^)メチャクチャ格好よくて存在感のあるソロを披露しており、ここだけで御飯何杯でもいけます!って感じです。
購入以来ずっと聴いているのですが、こういう格好いい演奏はホント、飽きないですね。
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☆でもって、ハイラム&ウィルの名コンビの名前と、そのプレイを知るきっかけになった思い出の1枚。今でも無性に聴きたくなるときがあります。- Manny’s Car Wash/Hiram Bullock
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フュージョン好きな方はもちろん、ロック好きな方もツボにハマるかと。
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